ちょっと、嫌な気分になる可能性のある言葉が出てきますので、気持ちが安定してない方はゆとりのあるときにお読みください。
2年ほど前だったかな。
夜回り先生と呼ばれている、水谷修さんの講演会に行ったことがあります。
その方のドキュメンタリーをNHKで録っていた夫が、観るように勧めてくれたのですが、元教師ということもあってか、語りは流暢で引き込まれ、でも、内容は壮絶・・・
ドラッグに手を出す子供達、騙す大人の世界、夜の世界。
みんな油断できませんよ。かたくかたく拒否する気持ちをもたないと。親子の関係も強く、地域ともしっかり繋がる必要がありますよ。親じゃなくても、だれか見つけなさい。話せる大人を。昼の人間を。
夜の世界の大人は甘い言葉で誘う。でも、すぐにドラッグの世界に誘い込み、脅される。
一度ドラッグに手をだしたら、必ず専門家に任せなさい。自分の意思や素人判断では絶対にダメです。私は自分のやり方で救おうとして、生徒を自殺に追いやりました。せめてお骨を拾ってやりたいと思っても、すっかりボロボロになって砕けてしまいました。母親が泣き崩れました。申し訳ない気持ちでいっぱいでした。もう二度とこんな過ちは犯したくない。わたしは夜は眠りません。夜の街を回って、子供達を昼の世界に連れ戻そうとしています。
全国からメールが来ます。寝る時間なんて気にしてられません。「死にたい」メールを放っておいて眠ることなんてできない。
みなさん、昼の世界に戻りなさい。もしドラッグに手を出しているなら、誰か大人に話しなさい。
桜の花を見てごらん。素晴らしいよ。近所のおばあさんをみてごらん。ゴミだしで辛そうじゃないかい?思い切って手伝ってあげなさい。おはよう、って声をかけてごらん。少しずつでいいから・・・
そういう話をされます。
正直、かなり無茶をされてるとは思いましたが、その無茶をやってのけている事実があります。何も言えなくなります。
「なんか・・・すごい先生だね・・・」と話してました。
数ヵ月後に我が町に来られるという情報をみつけ、夫に話すとやはり行きたいという事に。
抽選に当たり、二人で行ったのですがその、水谷修さん、実際にお会いして仰天しました。
最初にサイン会があったので、本にサインをしてもらうときに近づいたのですが・・・
イメージしていたのとは全然違ったんです。
よほど優しい方なんだと思ったら、「地獄で悪霊とさっきまで戦ってた男」のオーラを発してました。
いや、そんなオーラを持った方とお会いした事はなかったのですが、直感的にわかりました。
この人は本当に怖ろしい世界で戦ってるって。そういう目だし、動きだし、ぐっとその怒りや戦いの為の氣を、必死に呼吸を整えながら自分の中に押し込めている感じでした。
「武士だ・・・生死をかけて斬り合いをする戦場から戻ったばかりの武士は、きっとこういうオーラを発していただろう」
そう思いました。
少し気になったのは、サインを書いていただいているとき、なにか私に言いたげだった事です。
言うべきかどうか迷いながら字を書いているようで、一文字一文字をためらいながら、かなりゆっくり書いてました。夫もそれを見て随分変な感じを受けたといいます。
気になって次の人の様子を見てみると、サインは普通にサラサラとためらいもなく書いてらしたので、やっぱりなにかあったのだろうと。
興味本位で、なんとなくスゴイ人を見たくて参加希望した講演会。
もしかしたら抽選にもれてしまった人の中で、本当に困っている人、救われたい人がいたかもしれないのです。
講演会が終わって、私は・・・もう二度と参加しないでおこうと思いました。本も軽い気持ちで買わなければよかったと、少し後悔しました。
水谷さんは、講演の最後にこうおっしゃいました。
私は今まで出した本を、全て絶版にすることにしました。
こんな悲しい話をこれ以上世に送るべきではない。もっと素晴らしい世界の事を伝えたい。
私にとってはこの言葉が一番嬉しく、感動しました。ボロボロに泣きました。世界が明るくなっていくように感じました。
子どもを取り巻く大人たちは、夜の怖ろしいドラッグの世界を知って、それに警戒する必要はあるけれども。
そこに囚われすぎるとこの世の素晴らしさに目を向けることを忘れてしまうと思うんです。
常にドラッグに怯えて、「ダメよ、近づいちゃ。怖いよ。」と日々言われ続け、親が常に怯えるのを感じ続けると、敏感で純粋な子供達はどう思うでしょうか。
その、ドラッグの世界を極度に怯える両親に不安を覚えるし、一番力を持っているのは夜の世界なんじゃないかと感じることにもなりかねないのではないでしょうか。
この世の素晴らしさを第一に置いて、それがあたりまえで、何よりも強いんだと心底思って生活するのが、子供達にとって一番良いのだと思います。
「あぁ、生まれてきてよかった。なんてステキな世界なんだ。あんな事、こんな事、やってみたいな~!」これが水谷さんの言う、夜の世界から遠ざけることに繋がると思うんです。
抽選とわかっていて、半ばミーハーな気持ちで参加してしまった責任というか、もし抽選にもれた方がいたらという後ろめたさをずっと抱えていました。
二人ともしばらくは、水谷さんについて軽々しく話す事はできず、自分の中にその印象や思いをしみこませました。次の日からですね、ポツリポツリと話し始めたのは・・・
2年ほど過ぎましたが、こうして書く機会をいただけた事に感謝します。
参加した一個人の、しかも素人の感想ですので偏ってるかもしれませんが、この事については私の中では、これからも多分ずっと何かにつけて思い起こし、このように考え続けていく事になると思います。
一旦、こうして思いを書いておくこと必要がある気がしたので公開します。