スイス中銀がフラン上限廃止。スイスフランが激高へ | 乖離のぶろぐ(*´∀`)吸い込んで応援
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NIL0QK6JIJV901.html
ドラギ総裁:「ユーロ圏QE」時代開く-少なくとも148兆円
  (ブルームバーグ):ドラギ総裁は欧州中央銀行(ECB)を新時代へと導いた。デフレスパイラルを防ぐため、国債を含め少なくとも1兆1000億ユーロ(約148兆円)の資産を購入するプログラムを22日発表した。

総裁によると、ECBは月600億ユーロの資産を購入する量的緩和(QE)プログラムを少なくとも2016年9月末まで実施する。経済に大量のマネーを注入しインフレ率押し上げを図る思い切った措置を打ち出した。追加購入分の80%は域内各国の中銀の責任で行われ、損失が生ずれば各国中銀がそれぞれに負担する。QEに批判的な当局者らを説得するため妥協策が取られた。

ほとんど停滞状態の域内経済を立て直すため、ECBは米当局に遅れること6年でQEに踏み切った。しかも米当局は3カ月前に国債購入を終了している。ECBによるQEの効果がドイツからの反発の脅威を上回るかどうかは賭けだ。

ブラックストーン・グループのスティーブン・シュワルツマン会長は「ドラギ総裁が取ったこのようなアプローチは、もっとずっと前に採用されるべきだったとも言える」と述べた上で、「正しいことをするのに遅過ぎるということはない」と付け加えた。

QE発表を受けてユーロは下落。フランクフルト時間午後7時30分現在、2.1%安の1ユーロ=1.1370ドル。欧州株は上昇した。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチのG10外為ストラテジー責任者のアタナシオス・バンバキディス氏は、ECBの計画は市場予想の上限の内容だと評価した。

当初案よりペース速い

ECBの政策委員会は、ドラギ総裁が21日提案したよりも速いペースの購入に同意した。合計額は同日にユーロ圏中銀の当局者が明らかにしたのとほぼ同等なものの、1カ月当たりの購入額は100億ユーロ増え3カ月短い期間で購入することとなった。

政策委での議論について知るユーロ圏中銀当局者が述べたところによると、ドイツ連邦銀行のバイトマン総裁とラウテンシュレーガーECB理事がQEに最も強く反対した。オランダとオーストリア、エストニアの中銀総裁も慎重姿勢を示したという。

数年にわたる危機を通じて欧州の対応の特徴だったコンセンサス重視を反映し、ドラギ総裁はこうした反対派に譲歩し、ユーロシステム全体で負うリスクには制限を設けた。

総裁は政策決定後の記者会見で、ECBは「資産担保証券(ABS)とカバード債を購入する既存のプログラムを抱合する拡張した資産購入プログラムを開始することを決定した」と言明。16年9月まで実施するとした上で、「当中銀が目指す2%弱の水準に向けたインフレ率の持続的な調整が見られるまで、いずれにせよ行う」と含みを残した。

インフレ率押し上げ

当局者によれば、ECBは購入プログラムがユーロ圏 のインフレ率を今年0.4ポイント、2016年に0.3ポイント押し上げるとみている。当局者らは匿名を条件に語った。

ECBは購入した債券の一部を保有するが、購入は各国中銀が行う。経済運営について各国の責任ある行動につながると期待している。

また、月間の購入額のうち約450億ユーロが国債、50億ユーロが欧州機関債、100億ユーロが既存のプログラムに基づく資産担保証券(ABS)とカバード債になる見込 みだと、当局者の1人が述べた。

ドラギ総裁によれば、ECBは購入に上限を設け、その割合は同じ銘柄の債券については発行規模の25%、同じ発行体によるものは33%とした。また、ECB保有の債券の弁済順位が他の債権者を上回ることはないという。

さらに「想定し得る損失については、追加購入分の12%を占める欧州機関債からの損失は共有される。ECBは追加購入資産の8%を保有するため、合計で20%についてリスクが共有されることになる」と総裁は説明した。

事実上の債務リスク共有と財政ファイナンスによってECBが競争力のない国々を救済することになるとのドイツを中心とした懸念を鎮めるため、限定的なリスク共有にとどめた。

「こうした懸念に配慮した。その結果、この決定はそうした懸念を和らげるものだ」と総裁は語った。

このような配慮は3日後にギリシャ総選挙を控えて特に必要なものだ。ドラギ総裁はジャンク級(投機的格付け)のギリシャ国債についても、ギリシャが救済に伴う欧州連合(EU)による監視プログラムの下にとどまっていれば、7月以降に購入できるとの見通しを示した。

総裁は同じ発行体からの債券保有に設けた33%の上限を挙げ、以前のプログラムで購入したギリシャ債の「大規模な償還があるため、他の条件が満たされれば、7月にはギリシャ債を購入できると思う」と説明した。

反対派への妥協の結果、リスク共有に対する慎重姿勢が通貨同盟内の分断を露呈させQEプログラムの市場へのインパクトを弱めるリスクもあるが、ベレンベルク銀行(ロンドン)のユーロ圏担当シニアエコノミスト、クリスチャン・シュルツ氏は「ECBは16年9月以降も購入を継続する選択肢を残した」とし、「ここ数日で期待は相当高まっていたが、それでもECBはそのほとんどを超えることに成功した」と述べた。

原題:Draghi Rings in Euro QE Era in $1.3 Trillion Bond-Buy Plan (2)(抜粋) Draghi’s Introductory Remarks at ECB Press Conference: Text(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:フランクフルト Jeff Black jblack25@bloomberg.net;ロンドン Simon Kennedy skennedy4@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先: Craig Stirling cstirling1@bloomberg.net James Hertling
更新日時: 2015/01/23 04:55 JST


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USD/CHF 1H足、日足、月足




http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0KO0VA20150115?sp=true
スイス中銀がフラン上限廃止、「持続不可能だった」
2015年 01月 16日 01:58 JST

 1月15日、スイス国立銀行は、スイスフランの対ユーロの上限、1ユーロ=1.20フランを廃止すると発表した。写真は2014年12月撮影(2015年 ロイター/Denis Balibouse)
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[チューリヒ 15日 ロイター] - スイス国立銀行(中央銀行)は15日、過去3年にわたり維持してきたスイスフランの対ユーロの上限、1ユーロ=1.20フランを廃止すると発表した。発表を受けてスイスフランは30%近く急騰、通貨高による輸出下押しへの懸念からスイス株は急落した。

スイス中銀のダンティーヌ副総裁は12日、フラン上限について、今後も主要な金融政策手段、との認識を示したばかり。市場は完全に意表を突かれた形だ。

今回の発表は、量的緩和(QE)策が発表されるとの観測が高まっている欧州中央銀行(ECB)理事会の開催を1週間後に控えたタイミング。実際にECBがQEに乗り出せば、スイス中銀は上限維持に向け継続的な市場介入を余儀なくされる可能性があった。

ジョルダン総裁は会見で、決定は「パニック的な反応」ではなかったとし、持続不可能だったため上限を撤廃したと説明した。

その上で「このような金融政策の解除を決定した際には、市場の不意を突く必要がある」とした。

中銀はあわせて、中銀預金金利をマイナス0.25%からマイナス0.75%に引き下げた。ジョルダン総裁は一段の引き下げが時間とともに、スイスフランに対する上昇圧力を和らげる一助となるとしている。

発表の数分後、スイスフランは対ユーロEURCHF=EBSでパリティー(等価水準)を突破し、一時1ユーロ=0.8052フランまで上昇。その後は上げ幅を縮小し1.0255フランで取引された。

ジョルダン総裁は「現在の為替レートは、スイスフランが著しく過大評価されていることを示している」と指摘。市場は予想外の措置には過剰反応する傾向があり、スイスフランは「いずれより持続可能な水準に落ち着く」との見方を示した。

スイス中銀は景気悪化とデフレ懸念を背景に、2011年9月6日にフラン上限を導入。その当時は、ユーロ圏の債務危機を背景に、安全通貨とされるフラン買いが活発化、フランは過去最高値をつけていた。

中銀は「この例外的、かつ一時的な措置は、スイス経済を深刻な打撃から守った。スイスフランは依然として高水準だが、上限導入以来、過大評価は是正された」との声明を発表した。

スイス中銀はまた、3カ月物LIBOR(ロンドン銀行間取引金利)目標レンジをマイナス1.25%─マイナス0.25%とした。従来のレンジは、マイナス0.75%―プラス0.25%となっていた。

サラシンのエコノミスト、アレッサンドロ・ビー氏は「中銀は常に上限を維持するとの立場を示してきており、今回の撤廃は中銀に対する信頼感を損ねるだろう」と指摘。「非常にリスキーな措置。市場が極端な動きを見せたことでも明らかだ」と述べた。

スイス株式市場.SSMIは一時10%を超える下げとなった。銀行大手UBSUBSN.VX、クレディ・スイス(CSGN.VX: 株価, 企業情報, レポート)はいずれも約10%下落。時計ブランド「カルティエ」などを傘下に持つリシュモン(CFR.VX: 株価, 企業情報, レポート)、時計大手スウォッチ(UHR.VX: 株価, 企業情報, レポート)は軒並み15%程度急落している。

スウォッチのニック・ハイエック最高経営責任者(CEO)は、中銀の決定は「スイスの輸出や観光産業、最終的には経済全体への津波になる」と述べ、経済に打撃が及ぶとの懸念を示した。

一方、格付け会社のフィッチ・レーティングスのソブリン格付けマネジングディレクター、エド・パーカー氏は「金融政策の変更はスイス経済の先行きを見極める上で重大なイベントだが、現時点では格付けに関する問題ではない」とし、今回の上限撤廃がスイスの最高格付けに影響を与えることはないとの認識を示した。

*内容を追加して再送します。