年金システム崩壊に近づく | 乖離のぶろぐ(*´∀`)吸い込んで応援
(*´∀`)これは姑息な状態か?。将来の年金不安が消えず、CPIは伸びなく、円高は進む一方だな。


http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920009&sid=aU61sLTKfAX4
公的年金、新年度は国内債「ネットで売り手」に-GPIF理事長(2)
  2月25日(ブルームバーグ):世界最大の運用規模を持つ日本の公的年金は、2011年度に国債を含む国内債券の売り手になりそうだ。

  年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の三谷隆博理事長は24日、ブルームバーグ・ニュースのインタビューで、新年度の国内債の運用について「ネットで売り手になるだろう」と発言。高齢化による年金受給者の増加に伴い、国の年金特別会計の資金不足を補てんするために、国債などの資産を売却せざるを得ないとの認識を示した。

  GPIFは年金特別会計から年金積立金の寄託を受け、その管理・運用に当たっている。01年の発足以来、日本国債の最大の買い手だったが、年金特会の資金不足に対応して、10年2月に国内債券1800億円 を売却したのを皮切りに、運用資産の売却も始めている。三谷氏によると、10年度は国内債券などで約4兆円を現金化した。

  11年度は、財投債の満期償還金や利金で4兆5000億円が流入する予定。政府予算が国会で成立すれば、市場などで現金化する額は10年度の4兆円を下回るが、政局は混迷を深めており、「年金の仕組みそのものがどうなるのか読めず、キャッシュアウトの額がどこまで膨らむのか分からない」と話す。

  予算が成立しない場合、基礎年金国庫負担率が2分の1から3分の1に戻ったり、赤字国債の発行が遅れる可能性も出てきたと指摘。短期資金を厚めに持つ意向も示した。直近の運用状況報告書によると、10 年9月末時点の短期資金は1兆5710億円で、全体の運用資産の1.34%を占めていた。

         国内債券は70%-昨年9月末

  10年9月末の運用資産額は118兆円。資産配分割合は、国内債券が82兆3966億円で70.04%、国内株式が12兆6145億円で10.72%、外国債券が9兆5981億円で8.16%、外国株式が11兆4634億円で9.74%。

  10年3月公表の基本ポートフォリオ(10 年4月-15年3月)では、各資産のアロケーション目標を、国内債券67%(かい離許容幅プラスマイナス8%)、国内株式11%(同6%)、外国株式9%(同5%)、外国債券8%(同5%)と定めており、基本水準に対し国内債券はオーバーウエートとなっている。

  厚生労働省によると、09年度(09年4月-10年3月)の実年金受給者数は前年度比3.1%増の3703万人。年金総額50兆2554億円(同2.8%増)のうち、約7.5%に相当する3兆7549億円が積立金から取り崩して支払われた。10年度当初予算では、今年度の年金総額は約53兆円となる見込み。そのうち、GPIFは財投債の満期償還金・利金と資産売却分で合計6兆円程度をねん出する予定だ。

           売らないと足りない

  日本政府は、1947年から49年に生まれたいわゆる「団塊の世代」約800万人が今後、年金受給者となっていくため、年金財政は一段と厳しさを増すと予測している。

  大和総研の土屋貴裕シニアストラテジストは、年金支給額の増加でGPIFは運用中の資産を「売らないとお金が足りない」と指摘、アセット・アロケーションが基本ポートポリオで決められている以上、オーバーウエートの状態にある国内債券の売却が多くなるとみている。

  ニッセイ基礎研究所の中嶋邦夫主任研究員は、今後の年金財政をみていく上で、年金給付額の引き下げが当初の計画通り実施できるかどうかがポイントになると指摘。「引き下げが遅れれば遅れるほど、厚生労働省が09年に示した年金財政検証とのかい離は大きくなる。向こう10年というスパンでみれば、GPIFがその穴埋めのため積立金の取り崩し額を増やさなければいけない事態もあり得る」と述べた。

  09年の財政検証・中位ケースでは、10年以降、世界経済が順調に回復していくシナリオの基に物価上昇率1.0%、賃金上昇率2.5%、運用利回り4.1%を前提としたケースでは、12年度から年金給付単価を引き下げて財政バランスを改善するマクロ経済スライドが発動される予定。同推計に基づくと、20年の年金総額は約61兆円、30年は約69兆円になる見通しだ。

        オルタナティブ投資は「時期尚早」

  GPIFは昨年、株式や債券以外のオルタナティブ(代替)投資に関する研究を委託し、不動産、インフラ投資、商品、プライベート・エクイティ、ヘッジファンド投資などを運用対象に加えるかどうかを検討している。三谷氏は、「海外の公的年金は積立方式で高い投資リターンを求められるケースが多いが、わが国は賦課方式が基本で安全確実な運用を求められる」と述べ、現時点でのオルタナティブ投資検討は「時期尚早」だとした。

  特に商品、不動産、ヘッジファンドへの投資は「投資に慎重な日本国民にはコンセプトが受け入れられにくい」とし、消極的な姿勢を見せた。新興国株投資は外国株式の一部と位置付ける考えで、当初は少額で運用を行う予定。GPIFの募集に対し、「想定を上回る運用機関が応募してくれた。これから選考が大変だ」と三谷氏は話している。