どうも佐川です。







先日、

1年半ぶりに和久井さんが出てる舞台に行ってきました。












この舞台の情報が解禁されたときに、だれが何と言おうと「これは私のための舞台」とおもいました。すみませんけど。



タイムリーオフィスのフルスイングBOYSをみてる頃から、古谷さんや石渡さんの演技をみてみたいとおもっていて、いつか和久井さんも含めたみんなが共演する作品ができたらいいなとおもっていました。








チケット発売で先行抽選に申し込むために開始5分前から携帯握りしめて待ってたのに、端末が対応してないが故にエントリーすらできなくて。







悔しくて、やるせなくて、


知人らに一日だけ携帯交換を頼み込んでもiPhone5sは頑なに嫌がられ、


だけど何が何でも絶対に観たい作品だったので、2日後に携帯を変えました。





後悔は、していない。

きっと「その時」が来ただけ。




我がiPhone5s、10年以上大変お世話になりました。

















何の話でした?






ああ、そう。


それで、携帯を変えたことによりチケットも無事に取れて、観てきたんです。







ひとことで言うと「ぎゃふん」でした。


和久井さんの創り出す世界って、やっぱりド凄い。






あらすじを読んだときに「ジブンカワユス」のリメイクかとおもって、正直ちょっと不安でした。


「ジブンカワユス」は、途中の暴力シーンが本当に苦手でそこだけ退席したくなるような気持ち悪さがありました。




ただ、それも個人的な苦手部類であって、作品は印象的で本当に良かったし、役者さんが本気だからこそのしんどさだったとおもってるので、おなじシーンがあってもそれも含めてちゃんと味わってこようとおもいました。


なにより、こんな私得なキャスティングは二度とない気がして。









結果的におなじシーンはなかったんですけど、

ときたま「ジブンカワユス」や「ジョセフィーヌ」の欠片が散りばめられてて、ちょっと嬉しくなりました。


アニメや漫画で、同作者の別作品のキャラがこっそり背景に紛れてるのを見付けたときのあの感覚。


人形師が「こっちにおいで」と言ったときは、さすがにゾクっとしましたけどね。








和久井さんが脚本の舞台っていつもそうなんですけど、


心がずっとざわつく感じで、とにかく余韻がえげつない。




感想をまとめようとしても、なかなか言葉に表せられない。






どこか非現実的なファンタジー要素もありつつ

感情やその動き、過程、考えさせられることは、ものすごくリアル。



なのに、決して押し付けがましくなくて、自然とだれしもが感じたことあるような情景が表現されてる。







すっきり爽快みんなしあわせハッピーエンドじゃないってこともあるけど


観る側により多くの可能性や選択肢を感じさせるような

ゴールも正解も提示しないスタイルが素晴らしくて

いつまでも浸れて何度でも楽しめる作品になってる気がする。









観劇中はとにかく感情が幅広く忙しくて、

しんどくて泣いてたのに次の瞬間には笑ってるとか平気であるし、


和久井さんの作品を観ると、情緒が不安定すぎてメンヘラにされてる気分になります。




見事にコロコロ揺さぶられてるな〜と思いつつも

「自分、まだまだちゃんと人間じゃん」って感じさせてくれる瞬間でもある。









そんなわけで、全体の感想は全然まとまりそうにないので、一部のキャストさんの感想を記しておきます。








《ドール・カルヴァロ/山本裕典さん》

キャスト発表で名前を目にして「!?」となると同時に「生で観てみたい」とおもって楽しみにしてました。
初めて生で拝見して、テレビでみてたそのまんまの感じで、脚が細長くて、目力が凄くて「本物の芸能人だァ…」ってなりました。
1公演しか観てないんですけど、本番強さがとても感じられました。
アフタートークでは気さくな人柄やノリの良さが感じられて、よく客席を見渡して一人一人の顔をしっかり見ているような姿が印象的でした。






《人形師/柴小聖さん》

「ジブンカワユス」のバービー役で初めて拝見したときも思ったけど、やっぱり可愛い。
顔も表情も声も話し方も仕草も全部が優しい女優さん。
だからこそ、今回の役はぞっとさせられました。
優しそうで穏やかな雰囲気を持った柴さんが演じるからこその恐怖感がありました。
穏やかな表情でさらっと残酷なことを言ったり、一旦寄り添うような姿勢をみせたり、食い気味で言葉を発するあたりで、すごく気味の悪い感じが表現されていました。
「人間は壊れたら直せない」と壊れた彼女が言うしんどさ…





《太郎/和久井大城さん》

久々の和久井さんでしたが、助手役の淺川さんと追いかけっこしてるときに相変わらず楽しんでて思わず笑ってしまいました。
支配人に撃たれる場面は本当にしんどかったけど、それにしてもやっぱり撃たれ慣れすぎてると感じずにはいられませんでした。
(「ジゴサタ」でもめちゃくちゃ撃たれてた。)
助手が「もっと関節を滑らかに」って言ってたけど、ただでさえ滑らかすぎて人間離れした和久井さんの関節をこれ以上どうにもしないであげて欲しい。
太郎のアホっぽくて無垢なキャラクターに「何の罪もない存在」がすごくよく表れてました。




 


《拓郎/河合健太郎さん》

たっくんの存在、めちゃめちゃ泣けました。
「お金ができたら〜」の時点で嫌な予感はしてたけど、やっぱりタイミングって重要ですよね。
人間って生き甲斐を見付けると信じられないくらいのパワーが発揮されるけど、逆も然りでそれを失うと反動も大きい。
ただ、喪失感がもっと歪んだ形で現れるとおもってたから思いのほか純粋な愛に余計に泣かされました。
カナタと拓郎みたいな、もう二度と会えないけどお互いの心の中には一生残ってるみたいな関係性って切なくもあり、とても美しくおもいます。






《椿/立道梨緒奈さん》

登場してしばらくは「やっとまともな人来た…!」とおもったし、ケンとアオイが売れる希望が確かに見えてたのに…のに…
男役やクールな役柄の立道さんしか観たことなかったので、初めてあんなに女性らしい役柄を観られて新鮮でした。
アオイに腕を振り解かれたときの表情の豹変ぶりが凄くて、かと思えばそれまでの普通の椿に戻ってたり、あんなに無邪気に喜ぶ姿とか、椿の家のシーンはすべてが恐かったです。







《カナタ/吉田知央さん》

透明感というか品が凄くて、顔面や所作が貴族そのものでした。
途中から顔面が韓国アイドルにしか見えませんでした。
口数はそこまで多くないものの、リオンが登場するあたりから徐々に感情が見えるようになってきて、うしろで小さくガッツポーズする姿は本当に愛らしかったです。
カナタにとって拓郎の存在や影響ってきっと計り知れないものだろうなと感じました。
カナタは人形で選ばれる側だから聖奈のもとに行ったけど、もし選べる立場だったら…を考えずにはいられませんでした。
聖奈は聖奈で素敵な女性なので、一概に拓郎がいいとは言えないんですけど。
お互いがどんなに思い合っていても、たった一瞬のタイミングが合わないだけで一生一緒になることはなくなる、そんなリアルさを感じました。
カナタはこれからもたくさんの本を読み、いろんな場所に行き、その度に心のどこかでたっくんを思うのだろうと考えると尊すぎて息ができなくなります。







《アオイ/大見拓土さん》

一番共感されやすいというか、よくいるタイプのキャラクターで、いい人止まりとか八方美人とか言われても、まわりがしあわせならそれでいい平和主義タイプ。
人の顔色や空気を読んで合わせるアオイがやっと勇気を出して自分を出したらあんなことになって、結局自分を殺す結果に。
切り落とされるときの表情やハウスに帰ってきたときのアオイの笑顔が苦しすぎて、見ていられないほど痛々しかったです。
あらゆる場面で「どんな状況でもケンがいればそれでいい」っていうケンを大切に思っている感が伝わってきました。
人だけじゃなく自分にまで嘘をついて都合のいい仮面を被って何を守ってるのか、何の為に生きてるんだかわからなくなっちゃいそう。







《支配人/古谷大和さん》

数年前から観てみたい役者ナンバーワンだった古谷さん、この度やっと拝見できました!!!!!
ひっきりなしに活動はされてるんですけど、2.5次元舞台の出演が多くて、個人的にそうじゃない普通の舞台で観たい願望があって、気付いたらこんなに月日が経ってしまってました。
今回主演で出番も多かったのですが、どのシーンでも本当に隙がなくて美しかったです。
表情も所作も声もすべてが麗しさに満ち溢れていました。
楽しむところではしっかり楽しんでいて、アドリブ力もあって、心の中でずっと拍手してました。
感情を剥き出しにする場面や声を荒げる場面では、迫力というか熱量がさすがすぎて圧倒されました。
男性特有の荒感?もあって、普通に怖かったです。
ちゃんと上手く言えないんですけど、純粋に演技に見えないというか全部が自然だし、間の取り方や動作も含めて「本物じゃん…」ってなりました。
カーテンコールやアフタートークでは、共演者や観客への配慮がすごい人っていう印象が強かったです。
2.5次元俳優の方って全体的にそういう配慮が行き届いててしっかりした人が多いイメージだったんですけど、古谷さんもやっぱり言葉は選びつつも伝えたいことはちゃんと伝えてくれてる感じがあって、とても好感が持てました。
すごく期待して楽しみにしていた俳優さんでしたが、その高い期待をも超える演技力や人柄で、また必ず観たいとおもえる素敵な役者さんでした。















今回、


舞台の上に立つ和久井さんを久々に観て


今でも現役で活動してることが本当に奇跡的で有難いことだと改めて感じました。








567の世になってから

自身も明らかに観劇数が減って

役者さんの活動量も減って

見知った劇場が閉館になったりして

きっと役者を続けられなくなった人もいて







そんな中でも

脚本書いて演出して出演までしちゃう和久井さんは、つよい。



いろんな人の助けや支えもあってこそだけど

それでも変わらずにあの独自の世界観を創り出せて

観に来てくれるお客さんがいて



そういうの、ひとつひとつ全部当たり前じゃないのかもしれないって今更感じ始めました。







脚本家だからって自然にホイホイ思い付くわけじゃないし

公演するからって自動的にお客さんが来るわけじゃないし

今仕事があっても明日も仕事がある保証なんてどこにもないし




全部が重なって凄いことだったらしい。



わかってはいるつもりだったけど、実感は重い。











最近の舞台は配信も増えて

さらにアーカイブ期間まで設けてくれるから

いつでもどこでも観られる機会が増えて

配信の需要や有難さを感じる。




その一方で、


劇場の閉館を知ると劇場に足を運ぶことの重要さも感じる。




配信には配信の良さ、DVDにはDVDの良さがあるけど、

どれも劇場に足を運んで生で味わうことには到底敵わないとずっとおもってる。



演劇の良さって「生っぽさ」にあるとおもってて、



もちろん生観劇がすべてではないけど

せっかく関東という盛んな地域に身を置いていて

劇場に行きやすい環境にあるのだから

それは存分に活かしてなるべく生で味わいたいとおもう。

















これからも、舞台を創る人たちにエールを◎