昨晩遅くからの激しい雨は、明け方迄続いていた。
朝、お客さんが帰った後に掃除をしてから、またデザートの試作をした。
実は昨日、女将さんが注文したタロイモが届いたのだが、それがまた非常に大きく、
そんなのがナント、3個も届いたのだ。
タロイモだけで$85(日本円で7000円ちょっと)・・・・。
「今日はメルボルンに出掛けないといけないんだけど、私が留守の間、
タロイモのレシピを考えておいて欲しいの。宜しくね。」
そう言うと、女将さんは出掛けて行った。
今日は時間があったので、最初にほうじ茶のアイスクリームを作り直した。
前回作った物は少しジェラートっぽくなり、私としてはほうじ茶の味がしっかり
していていたし、後味もすっきりしていたので、満足のいく仕上がりだったのだが、
最初は「オイシイ」と言っていた女将さんから、もっと濃厚な方が良いと言われたのだった。
そんなことで、前回のアイスクリームのレシピを練り直して作り直してみた。
ベースを作った後にアイスクリームメーカーを使うのだが、これがちょっと曲者。
長い時間攪拌してしまうと、アイスクリームがもったりし過ぎて容器に移し辛くなるので
ジェラート位の硬さで容器に移さねばならない。
タイマーを使って、また目でも確認する必要があるので、あちこち動き回らないといけない
仕事中には困難な作業だ。
本日は、もったりとしたほうじ茶アイスになったが、濃厚なミルクしかなかったのと、
その上に濃厚な生クリームを使った事、黄身を2つ使ったことが原因なのか、
もったりとし過ぎてしまって、トルコアイスのようになってしまった。
明日まで冷凍庫に入れておいても固まらないかも知れない…。
ほうじ茶の味はしっかりしていて少し渋みもあり、美味しく出来ているし、
前回よりもクリーミーで濃厚ではあるのだが、果たして女将さんから
GOサイン(お客さんに出せるという意)が出るかどうか。。。
まぁ、駄目ならまた作り直せばいいのだが。
それから、本題のタロイモ。
良く分からなかったからいつものように、まずはどのような特徴があって、どのような料理に
使われるのか、という所から調べた。
タロイモは、タンパク質、カリウム、ビタミンB1・B2、食物繊維を含んでいて、栄養価の
高い食物だそうだ。そのため、離乳食としても良いらしい。また、非アレルギー性らしく、
牛乳アレルギーの乳児に、牛乳の代わりとして食べさせる事もあるようだ。
残念な事に本日は、デザートの試作に十分な量のミルクが無かったので、ミルクを使わない
茶巾絞りのみを作った。
タロイモを煮て、柔らかくなったのを潰して砂糖を加えてそれを濾して内、1/3量に抹茶の粉を
入れて色を着け、ラップで形を作るというシンプルな方法だ。
素朴なタロイモの味が分かるようにと作った。
最初、タロイモをフォークで潰した時にはパサパサしたように思ったのだが、
これを濾して混ぜると、メタメタして形が作りやすく、しかも滑らかに出来た。
これだと色々と工夫がしやすく、作れるものが沢山ありそうだ。
既に幾つか候補がある。
女将さんの居ない間に来ていたMargieに茶巾絞りを試食して貰った。
「美味しいわね」
と言われたがその後で、後味に粉っぽさが残るから、コンデンスミルクで甘さを
出してみたらどうかと言われた。
確かに、タロイモを切った包丁が白くなる位だからデンプンはすごい。
甘みにコンデンスミルクか・・・タロイモが柔らかくなり過ぎないかな、、と思われるが、
それもありかも知れない。一度、試してみようと思う。
ここでは、私しかお菓子作りの出来る人が居ない。
試食してもらうと色々な意見が出るので、作る側としては大変な時もあるが、
しかしながら、いつも試食しては、アドバイスをくれる人が居ると言うのは非常に
有難い事だと感謝しながらお菓子作りをさせて貰っている。