奇天烈!古本漂流記 北原尚彦 | やるせない読書日記

やるせない読書日記

書評を中心に映画・音楽評・散歩などの身辺雑記
礼儀の無いコメントは控えてください。そのようなコメントは
削除します。ご了承ください。

 外は灼熱の白日。外に出て、ぼうっとし

 

てたら死んでしまう。やむ無くカーテンを

 

閉め切り、クーラーの部屋に一日居れば気

 

も滅入ってくる。何もやる気がせず、ネット

 

ばかりしていると、頭が腐ってくる。難し

 

い本は読む気がしない。まあ、肩の凝らない

 

本でもと読んでみた。いつ頃、買ったのかも

 

覚えていない。

 

 活字は読んでいれば頭が活性化する。こん

 

な本でも読んでれば、微かな充実感がある。

 

 作者はSF作家、翻訳家で古本愛好家。稀覯本

 

などより、むしろどうでもいい駄本の収集に熱中

 

している。俺なんか理解できないが、世の中には

 

読書というよりも本自体が好きな人がいる。

 

 普通の小説などではなく、アメリカの古いマ

 

ンガ、明治時代のインチキな健康本、貸本屋

 

から流れた貸本屋専門の小説、中国の革命

 

バレエの台本、昭和初期の婚礼用デパート

 

カタログ、ジューヌ・ベルヌの「十五少年

 

漂流記」を金日成が翻訳したと称する「

 

日本語」で書かれた本、地方ラジオ局の

 

時代ドラマ脚本、清水正二郎のエロ本など

 

を古本市場に狩猟に行くのだ。

 

 すごいと思うのは、「情痴物語」など

 

のトンデモ小説をちゃんと読んで、筋書

 

を著している。これは中々できることで

 

はない。

 

 外は殺人的暑さだ。クーラーかけて寝

 

っ転がって、途中、バカバカしいと思い

 

ながら、割と楽しく読めた。

 

 金日成が翻訳したと称する本を買う

 

くだりで、こんな事を書いている。

 

 もうこのころには、この本を絶対に

 

買うつもりになっていた。値段は幸い

 

にして数百円。タダみたいなものだ。

 

この十倍の値段がついていても、買っ

 

ただろう。

 

 普通の人は数千円だして、こんな本

 

買わんわ。

 

 この本はあとがきの方が面白かった。

 

 古本好きとなったのは、「本好き」

 

 だったからだ。子供のころから本

 

 ばかり読んでいた。親におぶわれ

 

 るような歳で、親のアタマを支えに

 

 して本を読んでいた。また、もっと

 

 小さい時に引っ越しがあったのだが

 

 ナオヒコがいない、親が探し回った

 

 ところ、ダンボール箱の陰で絵本を

 

 読んでいたという。

 

 幸せな人生と言えるだろう。