3200円もする本で最近、新潮社で出版された。図書館で借りた本。とてもじゃないが
自腹切って買う気はしない。横尾が編集者に手配されて日本全国の温泉に出かけた本。
文章はそこらのブログと同じ程度の内容しかない。どうつうことも書いていない。昔は超常現象
や怪奇現象に襲われたのだが、仙台で伊達政宗の夢を見たくらいで後はどうでもいいことが書いてある
だけだ。だが各温泉がテーマの横尾の絵が掲載されていてこれが3200円の価値になっている。
中々新潮社で本を出せる人なんていないのにこの文章で本になるのだから大家はすごい。
絵は相変わらず人に安寧の気分をあたえない。グロテスクで悪趣味で面白い。
横尾はもう70歳を超えているが製作意欲は旺盛で絵から発露する情感は若い頃と変わらない。
まったく「創造するものは常に若い」である。でも僕はそんなに好きではないですが。
写真を見ると横尾は70歳には見えない、髪の毛が黒々としている。であるが誰にでも均等に老い
はやってきて若作りをしているので奇妙な年のとりかたをしている。精神は若くても物忘れが激しく
なったり体調がおかしくなったりと芸術家にも肉体的な衰えが訪れることがこの本で分る。
つくづく横尾忠則は幸せな画家だと思う。
でもこの人、こういいう絵を描いていて本当に楽しいのかとちらっと思った。
温泉は病気の治療などに効果があるといのが良くわかりました。