あの奇妙な鉄球を撮りたくて、デジカメをバックに入れて常磐線。南千住の駅前の風景の様変わりに驚く。
以前は東京の場末、NO.1だったが、開発されてつまらん街になりつつある。北千住で降りて綾瀬とまりの
電車に乗ってしまい綾瀬で乗り継いで亀有、金町。電車からあの鉄球が見える写真を撮ろうとするが、動か
ない。また操作を誤りバッテリー切れ。金町の駅についたのが確か1時15分くらいか。仕方がないので携帯の
写りの悪いカメラで撮ることに。北口の商店街を抜けて工場跡地へ。巨大な鉄球を撮影。こんな非生産的なも
のあともう少しで廃棄されてしまう。これを撮っておくのは同じように世間の無駄者である俺だ。そう意気込むほ
どのことでもないが、金網越しに何枚か撮る。でもこれ昔はなんだったのだろう。
この前と同じ道を歩いて中川の出て、川を下り京成立石までの行程をたてる。常磐線のガード沿いに歩き中川
に出て河川沿いの道を河口に向かって歩く。人が少ない。もっともこんな殺風景なところでしかも冬、散歩なんか
している暇人は俺くらいか。中川大橋を過ぎて反対側の岸辺に渡り歩く。中川のどぶのような匂いを孕んだ湿気
を感じる。入っちゃいけないのに金網を越して川面に近いところで釣をしている大人が何人かいる。そのうち中川
は大きく大腸のように蛇行するのだがまだ川筋は真っ直ぐである。高砂橋に近づく頃になると空が曇り風が強く
なってくる。高砂橋に着く、ここを渡らずに真っ直ぐが正しかったのだがこの橋を渡ってしまう、道を真っ直ぐ歩き
京成高砂に着く。3時近くにはなっていた。ま、いいやと思い。駅の近くの白十字という昔風の喫茶店に入り、疲れ
たのであんみつ。向こうの席に四歳くらいの孫娘とおばあちゃん。二人でカルピスとサンドウィッチ。おばあちゃん
のはホットカルピスだった。京成高砂から京王線、車中が暖かく町屋まで寝込んでしまった。