猛暑が一休み。梅雨の涼しさが戻る。一体いつからか日本は
こんな熱帯みたいな国になってしまったんだろうか。暑さに
情緒がないよね。冷房機の熱風で句を詠む人いないよね。
とは言うもの俺も冷房にある涼しい所が好きだからなんとも
いえないか。今日は真っ直ぐ帰ろうかと思ったけれど職場の
上司に誘われてちょっと飲む。ブログやるから帰りますとは
言えませんですね。ベルイマン自伝をのろのろ読んでいる。
ベルイマンも評論家に若い頃、ボロクソに言われたそうで
ある評論家のことについて書いてある。
「・・当時、私をいつも新聞で酷評する批評家をこらしめようと
したことがあった。私がまさに殴りかかかる寸前、その男はつ
まずいて床に倒れてしまった。私は過料として五千クローチを
払うことになったが、それも無駄ではなかったと自分をなぐさめた
その新聞社は、彼には私の劇評を二度と書かせないと約束した
からである。(中略、それでも二三年経ってまたボロクソに言われた
らしい。) ある春の夜、マキシミリアン通りで彼の姿を目にしたことが
あった。彼は泥酔し、白っぽいTシャツに細いビロードのズボンという
格好で、剃りあげた頭をうなだれていた。(以下この評論家の惨めな
姿の描写が続き、一瞬哀れに思い和解しようとするが、)次の瞬間、
私は感傷的な気分を後悔した。ここにいるのは不倶戴天の敵では
ないか。そんなやつはくたばってしまうがいい。今やこいつは書き
ちらかしてきた駄文の報いを受けているのだ。こいつの墓の上で
踊ってやろう。未来永劫、地獄で自分の劇評でも読んでいるが
いい。」
という具合だ。自分では何もせずに人をボロクソに言っていると
相手にこれだけ恨まれるのだ。
ま、ボロクソに言う前に自分でやって見ることだとは思うけどね。
俺もそうだけど。
「書評でたどる浪漫紀行」というブログをこの頃、見ているが素晴ら
しい。ちゃんとした本を数多く読んでいて的確に批評している。
やっぱり数が多くなると優れた資質を持っている人も参入して
くるのだなあ。ほんとに「文学・書評」だっけ、このジャンルに相応し
い。ま、俺なんか駄文ばっかなんだけどさ。