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< 過去にあった産婦人科の裁判 >
出産後に、
弛緩出血を起こし、
出血量は1000ml超え。
主治医の血液を輸血するが、
出血性ショックで、死亡する。
東京地方裁判所昭和51年3月15日判決
判例時報823号68頁
前回の記事
前回までのまとめ
⬜︎ 妻Aは夫Bがいて、
長男C、長女Dを出産の際に、
特に異常はなかった。
【 昭和46年7月6日 】
3:55 次男Eを出産(4030g)
4:25 胎盤娩出
▶︎ 直後から多量の出血。
半凝固した血が250mlくらい出血、
「弛緩出血」を疑った。
ウテロスパン1cc、
ブドウ糖40cc、ビタミンCなどを静注。
圧迫やマッサージで、
子宮の収縮を図ったが止血出来ず。
5:00 顔面蒼白
アドレナクローム(止血剤)10cc、
ロジノン20cc、
アトニン1ccを注射。
出血量は800mlと考えられる。
Y医師の血液(O型)を100ccを、
10分かけて輸血。
さらに、Y医師の血液100ccを、
ウテロスパン1ccに混入して、
輸血を始めた。
5:15 輸血を血液センターに発注
出血量は1000mlを超えた
5:30 血液が届き、輸血を開始する。
5:45 しゃっくりを呈した呼吸不全。
6:00 死亡
出血量1800ml
23.裁判所認定の医学
裁判所は、
以下の事実を認定した。
※これは、昭和46年時点の医学です。
「弛緩出血」
⬜︎ 「分娩後弛緩性出血」とは、
胎盤が娩出された後、
子宮の筋肉が収縮すべきところ、
収縮が不良で、
胎盤剥離部の断裂血管、
短時間の間に、
500cc以上の大出血を起こすもの。
24.弛緩出血の原因と死亡率
※これは、昭和46年時点の医学です。
⬜︎ 原因は、
多胎妊娠、巨大児などの子宮筋の過度の伸展、
胎盤の付着異常、
子宮収縮剤の濫用(らんよう)など。
⬜︎ 出産時の出血ショックは、
出産総数に比べると、
発症絶対数はごく少ないが、
妊娠中毒症と共に、
妊産婦の死亡二大原因となっている。
25.出血量の平均と異常量
※これは、昭和46年時点の医学です。
※特に下記の出血量については、
現在とは大きく異なります。
⬜︎ 一般に正常出産の出血量は、
200〜300ccくらい。
⬜︎ 出血量が500ccを超えると、
異常として注意が必要で、
個人差はあるものの、
出血量が1000ccを超えると、
ショックで、
死に至る可能性も大きくなる。
⬜︎ 通常出血量が500ccを超えたら、
血管を確保するため補液をすると共に、
血液の手配をし、
出血量が1000ccを超えたら、
直ちに輸血をはじめる必要がある。
26.当時の手順
※これは、昭和46年時点の医学です。
⬜︎ 担当医師としては、
患者の出血状況を見て、
可能な限りに早い時点で、
子宮弛緩症での出血か否かを判定する。
⬜︎ 次に、弛緩出血と考えられる時は、
直ちに子宮収縮剤を注射し、
子宮を圧迫して子宮の収縮を促し、
並行して、
補液として、
リンゲル液等や輸血液を準備する。
⬜︎ 出血量等症状の変化に応じ、
補液、輸血を行い、
さらに最悪の場合には、
子宮剔除手術(子宮全摘出のこと)をも、
考慮すべき義務がある。
27.出血が多量になった頃
⬜︎ 妻Aは、過去2回の出産から、
平均より大きな新生児を生む傾向。
⬜︎ 今回の第三子の出産は、
予定日をかなり過ぎており、
現に子どもは、
体重が4000gを越す巨大児だった。
⬜︎ 担当医としては、
まず子宮弛緩症の発症について、
十分注意を払うべきだった。
⬜︎ Y医師とZ医師は、
午前4時25分の胎盤を娩出直後、
出血状況から弛緩出血と考えたので、
この判断の時点は、
決して遅いというわけではなく、
この時点では過失はない。
28.弛緩出血に対する治療の過失
⬜︎ 次に、弛緩性出血と考えたならば、
Y医師・Z医師が取るべき行動は、
以下となる。
⬜︎ 子宮収縮剤を注射して、
子宮の収縮を促がす処置をとると共に、
直ちに輸血液を手配し、
輸血までのつなぎとしては、
補液を行う。
⬜︎ さらに、その後の出血量や、
患者の容態の変化に注意して、
輸血を開始すべき。
⬜︎ 遅くとも、
顔面蒼白で出血量800mlを超えた、
午前5時前ごろには、
輸血を開始すべき時が到来していた。
29.医師の弁明
⬜︎ 2人の医師は、
「Y医師がO型だから、
万一の場合には、
Y医師の血液を使えば良いので、
血液の確保は心配していなかった」
と弁明した。
⬜︎ しかし、Y医師の採血量は、
200ccが限度で、
輸血をするに当っても、
予め交叉試験等の血液適合検査が必要。
⬜︎ 100ccの輸血に10分位かかるし、
さらに、Y医師らは、
過去に血液銀行から、
保存血を取寄せた経験がないため、
血液を注文してから、
到着するまでの所要時間も知らなかった。
⬜︎ 早目に十分の時間的余裕をもって、
血液を注文すべきだった。
30.医師の輸血が遅れたせい
⬜︎ しかし、実際に血液を手配したのは、
午前5時15分で、
血液到着は午前5時30分を過ぎ、
輸血中に、
妻Aは出血ショックを起こして死亡した。
⬜︎ もし、弛緩出血と考えた時点で、
直ちに血液の手配をしていれば、
遅くとも午前5時前には血液が到着して、
妻Aは生命を失うことはなかった。
⬜︎ 妻Aが死亡した理由は、
血液の手配が遅く、
輸血の時期が手遅れとなったからで、
Y医師らに過失がある。
⬜︎ 尚、Y医院では、
弛緩出血は妻Aが初めてだった。
31.支払い命令
⬜︎ 裁判所は、Y医師らに対して、
以下の金額の支払いを命じた。
(1)逸失利益:1207万3464円
*逸失利益とは、
本来生きていれば得られたはずの収入。
(2)遺族への慰謝料:合計500万円
▶︎夫Bへの慰謝料 200万円
▶︎長男C、次女D、次男E 各100万円
合計 1707万3464円
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