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< 過去にあった産婦人科の裁判 >
出産後に、
急激で多量の出血。
前回の記事
前回までのまとめ
⬜︎ 妻Aは夫Bがいて、
長男C、長女Dを出産の際に、
特に異常はなかった。
【 昭和46年7月6日 】
3:55 次男Eを出産(4030g)
4:25 胎盤娩出
▶︎ 直後から多量の出血
11.血の塊を含んだ出血
⬜︎ 午前4時25分ごろには、
胎盤の娩出も完了したが、
通常の場合よりかなり多い量の出血だった。
⬜︎ その後も腹部を上から押さえると、
半凝固状の血塊を含んだ血が、
多量に出た。
⬜︎ また、押えた手を離しても、
ポタポタと持続的に出血が止まらなかった。
⬜︎ 子宮も柔軟な状態である上、
内診の結果、
子宮頸管裂傷等の異常は、
生じていないことが確かめられた。
12.弛緩出血と推測した
⬜︎ 妻Aの出産には、
産婦人科のY医師の妻である、
Z医師(内科と小児科を担当)も、
出産に立ち会っていた。
*Y病院は、夫婦で経営するクリニック。
⬜︎ Y医師とZ医師は、
弛緩性出血と推断した。
13.医師夫婦で治療にあたる
⬜︎ 直ちにZ医師が、
子宮収縮剤のウテロスパン1ccを、
ロジノン(ぶどう糖)40cc、ビタカンフル1cc、ビタミンC200ccと混ぜて、
静脈に注射した。
⬜︎ また、Z医師は、
子宮収縮剤(脳下垂体ホルモン)の、
アトニン1ccを大腿部に注射すると共に、
氷のうで子宮底部を冷やして、
子宮の収縮をはかった。
⬜︎ Y医師は、
子宮を圧迫して出血を止めるため、
産道内に片手を入れて、
子宮を下方から押し上げ、
片手で腹部を上から圧迫して、
子宮の収縮を促すことに努めたりした。
14.血は止まらず
⬜︎ 一時的には、
出血が少なくなったように見える時もあったが、
依然として断続的に出血が続き、
一向に止血効果が表れなかった。
⬜︎ そのため、午前5時前頃には、
さらに止血剤のアドレナクローム10ccを、
ロジノン20cc、アトニン1cc等と混ぜたものと、
ビタカンフルをそれぞれ注射した。
15.限界量の出血・顔面蒼白
⬜︎ ところが、
そのころすでに、
妻Aの顔色は蒼白となってきていた。
⬜︎ 医師Yと医師Zは、
出血の時間的経過や、
出血状況を考えて、
もはや出血量が限界をこえていると考えた。
16.Y医師の血液を輸血する
⬜︎ 輸血をすることにして、
取り敢えずO型の医師Yの血を、
まず100cc採血して、
妻Aに10分間位かけて輸血した。
⬜︎ 次いで、
さらにY医師から100ccを採血し、
ウテロスパン1ccを混入して、
輸血をはじめた。
⬜︎ 同時に、午前5時15分ごろ、
血液センターに、
保存血(AB型)1000ccを注文した。
17.妻Aの状態
⬜︎ そのころの妻Aの状態は、
顔は蒼白であり、
口喝を訴え、
心音も少し弱っていたが、
呼吸は未だ乱れておらず、
意識は割合はっきりしていた。
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医療法人社団 岩城産婦人科
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