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双子を出産した女性。
会陰切開をして縫合したが、
退院後、大便が漏れる。
前回の記事
20.肛門括約筋の手術
⬜︎ そこで、妻Aは、
同年8月25日、S病院に入院した。
⬜︎ 同年8月27日、
I医師らの執刀で、
肛門括約筋断裂について、
肛門括約筋瘢痕を切除し、
内外括約筋断裂部分の縫合する手術を受けて、
治癒した。
21.裁判を起こす
⬜︎ 妻Aは裁判を起こした。
⬜︎ 肛門括約筋断裂が、
会陰切開後の創部感染が原因として、
慰謝料など、
合計約930万円の損害賠償を求めた。
22.裁判所判断:発症時期
京都地方裁判所平成3年12月5日判決
判例タイムズ788号252頁
裁判所が認定したこと【 1 】
「肛門括約筋断裂が生じた時期」
⬜︎ まず、裁判所は、
肛門括約筋断裂の原因として、
一般に、3つがあると指摘。
(1) 以前の痔ろうの手術
(2) 暴力的に肛門が裂けた場合
(3) 会陰切開の場合
⬜︎ 妻Aは、痔ろうの手術の経験はなく、
暴行を受けたこともなく、
Y病院での分娩後から、
大便漏れが始まったので、
「Y病院入院中に生じた」
と認定した。
23.裁判所判断:会陰切開での過失
裁判所が認定したこと【 2 】
「会陰切開時の医師の過失」
⬜︎ 裁判所は、
裁判での証人の医師らの意見などを参考に、
下記を指摘。
⬜︎ 会陰切開では、
肛門括約筋を人為的に傷つけないことは、
医師の鉄則であり、
肛門括約筋が自然に断裂することはあるが、
医師が肛門括約筋まで、
誤って切開してしまうことは、
通常あり得ない。
⬜︎ 実際、Y医師は、
肛門括約筋の損傷を避けるために、
肛門側に手をあてて、
会陰部のみを肛門方向に向かって、
1cm強切っているので、
会陰を正中切開する際、
「誤って肛門括約筋まで切開したとは、
認定できない」
と判断した。
24.裁判所判断:縫合の過失
裁判所が認定したこと【 3 】
「縫合方法に関する医師の過失」
⬜︎ Y医師は、
出産・胎盤娩出後に、
創部を視診で、
程度、範囲、深さを調ベて、
同時に触診で、
止血をしながら、
手で傷口の表面から深さまでを調べている。
⬜︎ 会陰切開部分の先端から、
ほぼ垂直に、
肛門近くまで自然裂傷していると判明したが、
肛門括約筋そのものには、
損傷が見当たらなかった。
⬜︎ Y医師は、
会陰裂傷の程度を「第2度」と診断し、
会陰の裂傷部の筋層と、
皮下組織をカットグットで修復、
最終的に表皮部分をクレンメで固定した。
⬜︎ さらに、縫合の直後に、
直腸内触診をして、
縫合が的確にできたことを確認した。
⬜︎ その上で、事実関係では、
「Y医師の縫合に過失はない」
と認定した。
25.裁判所判断:経過観察の過失
裁判所が認定したこと【 4 】
「経過観察での過失の有無」
⬜︎ 裁判所は、
妻Aに生じた肛門括約筋断裂は、
分娩後の創部の感染が原因と認定。
⬜︎ 肛門括約筋が離断した時期は、
入院期間中の創部の感染時(4月30日頃)から、
一定の期間経過後と判断した。
⬜︎ Y病院の別の医師が、
4月30日夜に診察して、
肛門痛・肛門括約筋痛があって、
硬く、痛みがあること、
会陰創部にびらんが認められることを、
カルテに記載している。
⬜︎ Y医師は、5月1日にカルテの記載を見て、
クレンメ2本で留めただけで、
他に創部感染検査について、
何ら適切な処置をしていないことが認められる。
⬜︎ Y医師は、遅くとも5月1日の診察時に、
注意深く観察すれば、
創部感染で、
肛門括約筋の離断発生の可能性を、
知りうる状況にあった。
⬜︎ しかし、その兆候を見過ごし、
深部までの感染の可能性を全く考慮せず、
その場合に必要とされる、
傷口を切り開いて縫合する措置をとらなかった。
⬜︎ 単に膣の表皮をクレンメで止めただけで、
放置していたので、
Y医師には過失があると判断した。
26.裁判所認定:支払い額①
⬜︎ 裁判所は、上記のY医師の過失で、
下記の損害が妻Aに生じたと認定した。
(1)治療費:8万5180円
(2)入院雑費:1万2000円
(3)休業損害:8万7238円
⬜︎ 専業主婦として、
家事労働に従事していたことを認めた上で、
妻Aが、病院に12日間入院したため、
その間、主婦として家事を行うことができなかった。
⬜︎ 入院当時32歳の女性であったことから、
昭和62年当時の賃金センサス(厚労省の賃金統計調査)から、
年収265万3500円と想定して、
12日間分の休業損害として、
8万7238円を認定。
27.裁判所認定:支払い額②
(4)逸失利益:53万700円
*元気でいれば本来得られたはずの収入・利益。
⬜︎ 肛門括約筋断裂で、
労働能力の一部を喪失していると認定。
⬜︎ 一方で、妻Aが、
Y病院への入院時や、その後の通院時に、
大便漏れの症状を告げたことがなく、
昭和62年6月に、
W医院で診察を受けるまで、
大便漏れの症状の診察を受けなかったことから、
3年4か月も悩むことになったと指摘。
⬜︎ そのため、
逸失利益については、
完治までの3年4か月ではなく、
1年の限度で認定した。
(5)慰謝料:160万円
⬜︎ 妻Aは、肛門括約筋断裂のため、
入通院を余儀なくされたうえ、
約3年4か月にわたって、
精神的・肉体的苦痛を被ったことが認められる。
⬜︎ 他方、妻Aは、上記のとおり、
早期にY病院か、
他院で大便漏れを告げていれば、
適切な処置が採られ、
約3年4か月も苦しむこともなかった。
(6)弁護士費用:30万円
合計額:261万5118円
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