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なんでも良いので、
お名前をつけてくださるよう、
ご協力して頂けると助かります。
26歳の女性を襲った、
激しい腹痛は、
子宮外妊娠の卵管破裂。
医師が診断を間違えて、
数時間後に死亡。
※東京地裁平成20年1月31日判決
(LLB/DB 判例秘書登載)
前回の記事
前回までのまとめ
21:30
妻(26歳)が、
夫の経営するレストランで勤務中、
激しい腹痛を訴える。
夫が救急車を呼ぶ。
22:25
Y病院に到着、Z医師が診察
胸部・腹部レントゲンで、
「急性腹症」と診断。
*エコー、妊娠判定、血液検査は行わず。
<4月15日>
2:00
ナースコールで息苦しさを訴える
3:30
ナースコールで息苦しさを訴える
6:45
看護師が病室に行くと、
意識消失・心肺停止で、
蘇生を試みるが、死亡が確認された。
死因は、
子宮外妊娠での右卵管破裂で、
腹腔内の多量出血。
12.遺族が病院を訴える
⬜︎ 妻が激しい腹痛を訴えて、
Y病院に救急搬送されたが、
翌日、子宮外妊娠で、
右卵管破裂に基づく腹膜腔多量出血で死亡。
⬜︎ 遺族が裁判を起こした。
⬜︎ 裁判を起こしたのは、
夫・父・母。
⬜︎ 「診療を担当したZ医師は、
疾患の鑑別の為に検査を行うべきだった」
と主張して、
約9900万円の、
損害賠償を請求する裁判を起こした。
13.裁判所の判断
⬜︎ 診察時か、
または、
急性腹症と診断した時、
ショック状態が疑われた妻に、
血液検査・妊娠反応検査・腹部超音波検査・CTなどの検査で、
原因疾患の鑑別を行うべき義務があった。
⬜︎ しかし、Z医師はこれらの検査を、
いずれも実施しなかったので、
「過失(注意義務違反)がある」
と認定。
⬜︎ つまり、裁判所は、
死亡の原因はZ医師の過失である
と認定。
14.裁判所の指摘と認定①
⬜︎ 妻は死亡当時26歳と若かった。
⬜︎ 平成16年5月4日に、
夫Bと結婚し、
死亡日は、
平成17年4月14日で、
結婚して1年も経たず亡くなった。
⬜︎ 妻は、
2人でレストランを営みつつ、
将来を夢見ていた。
14.裁判所の指摘と認定②
⬜︎ 14日午後11時30分頃に、
Y病院に入院した後、
妻は、15日午前2時・午前3時半と、
息苦しさを訴えて、
ナースコールをするなどしていた。
⬜︎ しかし、午前6時45分には、
心停止状態で発見された。
⬜︎ 豊かな将来を夢見ながら、
一人病室で意識喪失、心肺停止に陥り、
不安と心細さの内に、
その生涯を終えた無念さは、
察するに余りある。
15.裁判所の指摘と認定③
⬜︎ 子宮外妊娠は、
妊娠適齢期の女性の、
急性腹症の代表的な鑑別疾患である。
⬜︎ 妻は急激な腹痛を訴えて、
Y病院に搬送され、
診察時には全身状態が悪化しており、
ショック状態が疑われた。
⬜︎ その為、仮に本人が、
「生理は約30日前にあった」
と答えたとしても、
不正出血を、
生理と誤解した可能性も考慮すべき。
⬜︎ そして、
子宮外妊娠、卵管破裂の可能性を、
念頭におきつつ、
慎重に妊娠反応検査、超音波検査等で、
緊急開腹手術を要する疾患を、
除外することが不可欠であった。
⬜︎ それにもかかわらず、
必要な検査を行わないまま、
緊急性がないものと速断し、
検査義務を怠ったものであって、
注意義務違反の程度は重い。
16.裁判所の指摘と認定④
⬜︎ ただ一方で、Y病院やZ医師は、
自らの責任を認め、
謝罪の意思を示している。
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