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なんでも良いので、
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ご協力して頂けると助かります。
前回の記事
妊娠後に悪阻がひどくなり、
重症になるも、
適切な治療が、
行われなかった女性。
情報まとめ
⬜︎ 女性Xは、
当時30歳(昭和51年生まれ)
⬜︎ 女性Xは妊娠し、
平成18年11月28日、
産婦人科を受診。
Y1病院のY2医師の診察。
⬜︎ 平成18年12月16日に、
重症妊娠悪阻を発症するが、
外来での治療が続く。
→ 本来、すぐに入院すべき症状。
⬜︎ 平成18年12月26日〜30日と、
平成19年1月3日〜17日に、
入院する。
⬜︎ 外来受診の際と、
入院期間の際に、
1日10mgビタミンB1を投与。
⬜︎ 1月12日:めまいが起こる。
⬜︎ 1月13日:めまい、ものが二重に見える。
食事が取れない。
⬜︎ 1月14日:めまい、ものが二重に見えて、
目が開けられない。
看護師に言うも、
医師が経過観察と指示。
⬜︎ 1月16日:食事が取れない。
歩行困難。トイレに行くことも困難。
「右手に痺れと、ぼーっとする」
と看護師に伝えていた。
9.平成19年1月17日(入院中)
⬜︎ 1月17日12時30分頃、
女性Xの姉は、
本人の右手がしびれており、
何を食べたか覚えていないなど、
記憶力が低下している事に気づいた。
⬜︎ 姉は看護師に上記の症状を伝えた。
⬜︎ 13時ころには、
患者Xは、会話の中で、
繰り返し同じことを聞いてくるなど、
健忘の症状が見られ、
めまいがあり、
やや目が開きにくそうで、
焦点が合わない状態であった。
⬜︎ 女性Xは、
15時頃、他院である、
Aセンターに搬送された。
11.ウェルニッケ症候群
裁判の中で、
医学的知見として認められ、
用いられた情報です。
ウェルニッケ症候群とは。
⬜︎ 重症妊娠悪阻に伴う、
重篤な合併症の一つとして、
ビタミンB1の不足を原因として、
代謝性脳症である、
「ウェルニッケ脳症」が、
発症する事がある。
⬜︎ 眼球運動障害、
運動失調、
意識障害、
などが起こると、
「ウェルニッケ脳症」
の発症疑いの兆候となる。
医学的解説:ウェルニッケ症候群
ウェルニッケ症候群についてです。
裁判所が医学的知見として、
用いた情報に、
もう少し解説を付け足します。
ビタミンB1不足が原因で、
引き起こされる脳の疾患の1つです。
タミンB1が不足すると、
脳の奥(脳幹部)に、
わずかな出血が起こって、
細かい眼の振るえ(眼振)、
目の動きに制限(眼球運動障害)、
などの症状が起こります。
意識障害、
精神状態の変化、
めまい、
ふらつきなど、
急激に色々な症状が出る、
とても恐ろしい疾患です。
ビタミンB1不足の原因
ウェルニッケ症候群の原因は、
アルコール依存症が半分を占める
と言われており、
アルコール依存症での発症が、
知られています。
しかし、ウェルニッケ症候群は、
ビタミンB1不足で起こるので、
重症の悪阻(つわり)や、
消化器官の手術後などでも、
ウェルニッケ脳症が、
起こる事があります。
どのような原因でも、
ビタミンB1が不足すれば、
ウェルニッケ症候群が、
起こる可能性はあります。
医学的解説:治療と予後
発症直後に、
早急にビタミンB1を大量に点滴すれば、
回復が望まれます。
しかし、厚生労働省によれば、
死亡率も10~17%
と推計されています。
コルサコフ症候群
ウェルニッケ症候群は、
死亡例以外でも、
56~84%が、
コルサコフ症候群へ移行していきます。
ウェルニッケ症候群の後遺症として、
コルサコフ症候群があります。
ロシアの精神科医、
セルゲイ・コルサコフが発見した疾患です。
コルサコフ症候群の症状は、
記憶障害、失見当識、作話などが、
代表的です。
コルサコフ症候群を発症してしまうと、
回復は困難とされ、
一旦発症すると治らない
とされています。
悪阻の治療で大切なこと
ウェルニッケ脳症にならないように、
重症悪阻の時点で、
入院して適切な治療を行います。
さらに、
ウェルニッケ脳症を発症したら、
後遺症が残らないように、
早期に発見し、
早期に治療する事が、
何より重要となります。
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