妊婦健診当日に臨月での死産。裁判での判定は?【不妊治療分野の弁護士解説】 | 岩城産婦人科妊活ブログ

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匿名」様

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以外で、

お名前をつけてくださると幸いです。 

 

 

匿名・匿名希望が多く、

過去にご質問頂いた内容が、

わからなくなってしまいます。

 

 

お手数おかけ致しますが、

なんでも良いので、

お名前をつけてくださるよう、

ご協力して頂けると助かります。

 

 

 
 

 


 

 

 

妊娠中起こった異変

 

子宮頸管無力症と、

子宮内胎児発育遅延


 

妊婦健診の日に、

胎児死亡してしまい、

女性が裁判を起こす。

 

 

  

 
サムネイル

スーツ 解説を担当致します。


ぽってり苺 不妊治療分野/離婚分野の、
弁護士の、
甲野 裕大(こうの ゆうだい)
です。


   

前回までのまとめ

 

 

⬜︎ 第二子を妊娠した

 

 

⬜︎ クリニックに通院していたが、

子宮頸管無力症

(子宮が開いて子宮頸管が短くなる)

の診断で、

早産・流産のリスクが高く

名古屋市のY病院の産婦人科に、

紹介を受ける。

 

 

⬜︎ 早産・流産予防の為に、

子宮頸管を縛る手術を受ける。

 

→ シロッカー術や、

マクドナルド術がある。

 

→ 詳しくはこちら

 

 

⬜︎ 妊娠37週3日目の妊婦健診で、

異常なしと言われた。

 

 

⬜︎ その日の帰宅後、

お腹の張り・違和感があり、

病院に電話した

→ ウテメリン1錠追加となる。



⬜︎ 胎盤早期剥離により、

当日中に、

子宮内で胎児が死亡

 

 

 

  

 裁判所採用の医学的知見

 

 

⬜︎ 胎盤早期剥離とは:

 

 正常な胎盤は位置は、

子宮体部に付着している

 

 胎児の分娩前に、

胎盤が子宮壁から、

剥離する(した)状態。

 

 

<症状>

 

内出血を主とする。

 

古典的には、下記を症状とする。

約70%:下腹部痛、背部痛、子宮に限局性圧痛

約80%:性器出血

 

代表的な臨床症状:下腹部痛と性器出血

 

 

腹痛については、

切迫早産や陣痛との見極めが難しい。

しかし、胎盤早期剥離の場合は、

痛みが持続的に継続するとされる。

 

 

胎盤早期剥離の原因は、

外傷や侵襲的な処置以外は、

特定が難しいとされる。

 

 

胎盤早期剥離を起こしやすい要素

 

胎盤早期剥離のリスク因子を、

下記とする文献もある。

「高血圧」

「妊娠高血圧症候群」

「喫煙」

「IUGR(子宮内胎児発育遅延)」

「高年妊娠」等
 

 

⬜︎ IUGR(子宮内胎児発育遅延):

子宮内の胎児の発育が、

遅延している病態
 

 

⬜︎ ウテメリン:

切迫流早産治療薬で、

子宮収縮抑制薬

胎盤早期剥離の場合は禁忌

 

 
 

 女性Aが裁判を起こす

 

 

腹部違和感を訴えていたのに、

内診

分娩監視装置での、

子宮収縮と胎児心拍数の記録

エコー検査などの、

適切な措置を怠った。

 

 

結果として、

胎盤早期剥離の発見が遅れて、

死産に至った

 

 

債務不履行に基づき、

慰謝料300万円を求める裁判を起こした。

 

*弁護士費用30万円も求めた。

 

 
 

 裁判所の判断⑴

 


※名古屋地裁令和3年11月26日判決

(LLI/DB 判例秘書登載)

 

 

(1)死亡した日の健診で、

適切な処置をしなかった

【注意義務違反について】

 

 

*女性Aの主張*

 

妊婦健診時に、

腹部違和感で熟睡できず、

早朝から診察直前まで続き、

ウテメリンを服用するも、

改善しないとも伝えた」ので、

胎盤早期剥離を疑って、

適切な処置をするべきった

と主張しました。

 

 

 

てんびん座 裁判所の判断 てんびん座

 

女性の、 

腹部違和感の主張について。

 

右差し そんな内容の訴えがあったと、

カルテに記載がない。


むしろ、カルテには、

女性には何も訴えはないと書いてある

 

 

 胎児の成長が遅く、

高齢妊娠だった為、

胎盤早期剥離を疑うべきだった。


右差し 確かに、

IUGRや高齢妊娠は、

胎盤早期剥離のリスク因子の1つ

とする文献があり、

胎盤早期剥離を、

念頭には置くべきだった


しかし、胎児の推定体重は、

36週3日で1890g〜2070gで、

37週3日で2090gで、

重症IUGRとは言えないものだった。


さらに、

下腹部の痛みや出血はなかった


 

てんびん座 これらから、

裁判所は、

女性の主張は認めないとした。

 

 
 

 裁判所の判断⑵

 

 

(2)平成20年9月26日

午前11時頃の電話で来院を指示しなかった

【注意義務違反について】

 


*女性Aの主張*


ウテメリンの服用を指示で、

様子見をするのではなく、

来院を指示すべき注意義務があった



てんびん座 裁判所の判断 てんびん座


診察時に、女性Aから、

下腹部痛の訴えがあったと認定できない。

 

電話の時も、

下腹部痛や性器出血

(胎盤早期剥離の代表的な症状)

あったという主張や証明はない。

 


これらから、

看護師や担当医が、

電話を受けた時、

直ちに来院するように、

指示すべき注意義務があったとまでは言えず、

注意義務違反も認められないと判断。

 


 

 弁護士の解説



臨月での死産という、

非常に悲しい出来事でした。



スーツ 病院・医師が、

適切な検査をしなかったのではないか

見落としがあったのではないか

という時の、

法律の観点からポイントを解説します。




てんびん座 その疾患を疑う症状の訴えや、

診察時での兆候が、

法的なポイントの1つになります。



今回については、

胎盤早期剥離の代表的な症状の訴えが

診察時にあったとは認められなかった

という事から、

医師の注意義務違反はない

という判断に繋がりました。


 


解説:弁護士 甲野裕大

 甲(きのえ)リーガル法律事務所
  

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法的解説:弁護士 甲野裕大
医学的解説:院長 岩城雅範

文・イラスト:理事 岩城桃子


 

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