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なんでも良いので、
お名前をつけてくださるよう、
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前回の記事
院長の回答 
前回の続きですね。情報のまとめ
☑︎ ご年齢
女性：41歳
男性：不明
イギリスで不妊治療中
☑︎ 治療・出産歴：2020年から顕微授精
5AA胚盤胞を新鮮胚移植
→ 妊娠(38歳)
2021年 7月 出産
2023年 1月 授乳終了
2023年 8月
5BB胚盤胞移植
(38歳の凍結胚)
→ 自然周期
トリガー薬はオビドレル
Lutigest 3回/日
→ hcg 17 化学流産
【女性】
☑︎ ホルモン値
AMH：9.8pmol/l【2020年】
→ 日本の単位で 1.4
0.3pmol/l【2023年】
→ 日本の単位で 0.04
＊以下、生理2日目の検査
10月11日
FSH4.5 LH 6.2
10月27日
FSH 10.5 LH 4.2
(E2は不明)
→ いずれも無排卵？
☑︎ 月経異常：あり。
☑︎ 月経周期：短くなった。
25〜28日で安定していたが、
化学流産後から17日,18日に。
☑︎ 排卵障害：有る可能性。
→ 生理周期が変わり、
LHサージが起きなくなった
☑︎ 胞状卵胞：今年6月、7月は7個
今年9月には2個
【男性】
ご年齢：不明
精液検査：項目・数値とも不明
男性不妊あり。
→ 顕微授精の選択に。
MTHFRと論文
ホモシステイン、ビタミン D、反復流産、メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素、NK 細胞、細胞毒性
「 MTHFR 677TT (ホモ接合体突然変異、TT)遺伝子型を有する女性は、
MTHFR 677CC (ワイルドタイ プ、CC)および677CT (ヘテロ接合体突然変異、CT)遺伝子型の女性よりも
ビタミンDレベルは有意に低く、
ホモシステインおよびナチュラルキラー (NK)細胞の細胞毒性は
高値を示す。」
Effects of MTHFR C677T polymorphism on vitamin D, homocysteine and natural killer cell cytotoxicity in women with recur- rent pregnancy losses
Kuniaki Ota, Toshifumi Takahashi, Aera Han, Svetlana Damvaeba, Hideki Mizunuma, Joanne Kwak-Kim
Hum Reprod. 2020 Jun;35 (6): 1276-1287
【文献番号】r09300(反復流産、流産、抗リン脂質抗体、着床障害、栓友病、血栓形成傾向、染色体異常)
反復流産のリスク因子として、
ビタミンD欠乏症、
MTHFR C677T多型
および
高ホモシステイン血症が報告されている。
しかしながら、
これらのリスク因子間の関係はよくわかっていない。
反復流産の女性におけるビタミンD[25(OH) ビタミンD]、
総血漿ホモシステインおよびメチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素(MTHFR)C677T多型の間に関連性があるか否か調査した。
本試験は、2012年から2017年にシカゴ大学医学部の生殖医学および免疫学に登録された反復流産の女性 837名を含む後方視的横断面的研究である。
妊娠20週以前の2回以上の反復流産を有する女性を含めた。
反復流産の女性において、
MTHFR C677T 多型がホモシステインおよび
ビタミンDのレベルに影響するか否か、
および免疫のパラメータに影響するか否かを検討するために、
血漿総ホモシステインおよび血清ビタミン D レベルなどの生化学的データ、
およびNK細胞の細胞毒性を含む免疫パラメータを、
MTHFR C677T遺伝子型(CC、CTおよびTT)によって分析した。
TTにおけるビタミンDの血清レベルは、
CTおよびCCと比較して有意に低値を示したが、TTにおけるホモシステインレベルは、
CT および CC より有意に高い値を示した。
TT における NK 細胞毒性は、
CC より有意に高かったが、
CTではそのような関係は認められなかった。
TTにおけるビタミンDレベルと ホモシステインレベルの間に有意な負の相関が認められた。
多変量解析では、
ビタミン D 欠乏症 (30ng/ mL 未満 ) が
高ホモシステイン血症の独立したリスク因子となり
その補正オッズ比は 1.89 という結果が得られた。
葉酸とホモシステインの関係
☑︎「葉酸」と「ホモシステイン」は、
深く関係しています。
☑︎ 葉酸が十分にあれば、
ホモシステインは低いです。
☑︎ 葉酸が低いと、
ホモシステインは高くなります。
ホモシステインとは
必須アミノ酸である“メチオニン”が、
代謝される時に、
生産されるアミノ酸の１つが、
ホモシステインです。
人間の体の中で、
必須アミノ酸である“メチオニン”が、
代謝される為にも、
再生成(再メチル化)される為にも、
葉酸が必要になります。
＊その他、メチオニンの代謝には、
ビタミンB12,ビタミンB6が必要です。
ホモシステインの高値
上記の、
必須アミノ酸である“メチオニン”が、
再生成されるために必要な、
葉酸が減ってしまうと、
再生成できず、
ホモシステインが停滞します。
このため、
葉酸が欠乏すると、
ホモシステインが停滞して、
ホモシステインの数値が高くなる事は、
医学的には、
よく知られています。
「葉酸が低いと、
ホモシステインが高い」
という、
構図になります。
葉酸を含めたビタミンB群が、
ホモシステインの生産、
ホモシステインからメチオニンの再生成の、
かなめになります。
＊図式参照
ホモシステインの高値の悪影響
ホモシステインが高くなると、
葉酸が低くなる事がわかりますが、
葉酸が低いと、
妊娠を望むすべての女性にとって、
よくない事です。
葉酸は、
胎児の一部先天性疾患の予防の為に、
必須です。
＊神経管閉鎖障害の予防。
また、ホモシステインの数値が高いと、
動脈硬化の原因になり、
心筋梗塞などの要因になる事も、
医学的には、
よく知られています。
MTHFRと流産
以前から、
「MTHFR」
「葉酸」
「ホモシステイン」
「ビタミンD」
この4つは、
何らかの関係性を、
持っているだろうという事は、
言われていました。
上記の論文では、
流産との関係性を報告しています。
簡単に言うと・・・
① 遺伝子 MTHFR 677TTを持った女性は、
高血圧、動脈硬化になりやすく、
NK細胞も高くなりやすい特徴があり、
また、流産しやすいと報告されています。
② 詳しい遺伝子は、
簡単に調べられないので、
MTHFR 677TTを持った女性の特徴を、
見てみましょう。
③ MTHFR 677TTを持った女性の、
血液検査の特徴としては、
葉酸とビタミンＤが低い、
ホモシステインとNK細胞が高い、
という状態になりやすい。
＊ホモシステイン：葉酸と相反する働きをする
④ 特に、ビタミンＤが低い女性は、
血液検査を行い、
葉酸とホモシステインを、
調べた方が良いでしょう。
当院では、
葉酸とホモシステインを、
血液検査で調べています。
④ もしも、妊活中の女性は、
血液検査で、
ビタミンＤと葉酸が低ければ、
「ビタミンＤと葉酸を両方摂る事により、
ホモシステインは改善していく」
と報告しています。
＊ 葉酸だけを調べても、
10未満の場合は、
葉酸を摂取しましょう。
✖️NK細胞＝タクロリムス✖️
「NK細胞が高いから」
という理由で、
タクロリムス(免疫抑制剤)や、
アスピリンを使うのでなく、
ビタミンＤと葉酸を飲めば、
NK細胞が、
低くなる可能性があります。
免疫抑制剤や、
アスピリン・ヘパリンは、
どうしてもリスクを伴い、
気軽に使える薬では全くないです。
しかし、
ビタミンＤと葉酸であれば、
安全性は高いです。
つまり、MTHFR検査は、
難しい話になってしまいますが、 わかりにくいところがあれば、
続きます。文・イラスト：理事 岩城桃子
今日も皆様のお力になれますように
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