皆様へのお願い
ご質問など頂く際に、
「匿名」様
「匿名希望」様
以外で、
お名前をつけてくださると幸いです。
nwij-6819様よりご質問頂いております。
※前回の続きです。
前回の記事
状況まとめ
☑︎ ご年齢:44歳
☑︎ AMH:0.311
*以下、薬の使用が1ヶ月以上なしの、
生理2日目の血液検査
☑︎ FSH:33.0
☑︎ E2:13.5
☑︎ 月経:自然にくる
☑︎ お悩み:一人目不妊。
この状態で、
明日から採卵周期に入って良いか
☑︎ 予定の卵巣刺激の内容:
クロミッド50mgをD3から10日間服用
次回受診予定は、
11日後の10月31日(火曜)
☑︎ 移植:6回?
→ 全てhcg10前後。
卵巣刺激の内容
当院ならば、
同じ排卵誘発剤の飲み薬でも、
クロミッドよりも、
質の良い卵が育ちやすい、
レトロゾール(フェマーラ)
を選びます。
クロミッドの特徴①
特徴の1つ目は、
クロミッドの方が、
刺激としては少し強いです。
ただ、いずれにせよ、
飲み薬の排卵誘発剤のみの場合は、
「低刺激」に分類されます。
中刺激、高刺激は、
HMG(FSH)注射を、
使う事になります。
クロミッドの特徴②
2つ目の特徴は、
クロミッド特有の副作用です。
その中でも、
妊娠・出産に、
悪影響になる副作用があります。
① 排卵しにくい、
黄体化未破裂卵胞(LUF)
② 遺残卵胞
③ 子宮内膜が薄くなる
子宮内膜が薄くなりやすいので、
移植周期には、
クロミッドは適さないです。
*新鮮胚移植を含む。
④ 子宮頸管粘液の減少
人工授精・体外受精には、
関係しませんが、
タイミング法では、
子宮頸管粘液の減少は、
妊娠率が低下します。
何度も使うと副作用が起こりやすい
クロミッドは、
回数を重ねて、使えば使うほど、
体に蓄積されて、
副作用が起こりやすいです。
その為、
クロミッドを使うとしても、
最大でも3周期まで、
とする病院も多いかと思います。
また、クロミッドに限りませんが、
副作用が起こりやすいクロミッドは特に、
服用し終えたら、
1周期休みを挟みましょう。
当院では
当院では、
クロミッドはあまり使いません。
クロミッドを優先して使う事に、
メリットがない為です。
以前は、
クロミッドだけ、
保険で処方が可能でしたが、
(体外受精ではできない)
今は、レトロゾールも、
保険で処方できます。
レトロゾールの特徴①
レトロゾールは、
クロミッドで起こるような、
下記の副作用は起きません。
「未破裂卵胞」
「遺残卵胞」
「子宮内膜が薄くなる」
「子宮頸管粘液の減少」
理由は、
クロミッドとは、
薬の作用機序(薬の効く仕組み)
が異なる為です。
欧米ではレトロゾール
日本よりも圧倒的に、
妊娠率・出産率の高い欧米では、
レトロゾールの方が、
とても多く使われています。
クロミッドが、
ここまで多く使われているのは、
日本くらいだと言われています。
日本が、
先進国の中で、
妊娠率がとても低い原因として、
クロミッドばかりをよく使う事も、
1つの原因だろうと、
問題視されています。
レトロゾールの方が、
世界的なシェアは、
圧倒的に高いです。
文・イラスト:理事 岩城桃子
今日も皆様のお力になれますように
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医療法人社団 岩城産婦人科
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