前回の記事
院長の回答 
前回の続きですね。状況まとめ
☑︎ ご年齢
妻：31歳
夫：33歳
【女性について】
☑︎ AMH：3.1
☑︎ 卵管造影検査：通過性あり
☑︎ 子宮鏡検査：実施なし
☑︎ フーナーテスト：問題なし
【男性について】
直近の精液検査(採卵の時)
☑︎ 精液量：4.5ml
☑︎ 濃度：1300万/ml
☑︎ 運動率：58％
☑︎直進率：46％
【治療について】
☑︎ タイミング法：8回
→ 全て陰性
☑︎ 人工授精：5回
→ 全て陰性
☑︎ 体外受精
採卵：1回目が終了
移植：0回
☑︎ 採卵結果
採卵数：19個
受精：12個
胚盤胞到達：8個
凍結：5個【胚盤胞】
破棄：3個【胚盤胞】
顕微授精：12個
→ 8個受精
→ 2個 胚盤胞凍結
体外受精(cIVF)：7個
→ 4個受精
→ 3個 胚盤胞凍結
☑︎ 破棄についての説明：事前になし。
説明・同意なく破棄。
事後報告で破棄したと伝えられた。
☑︎ 医師の発言：以下をテキトーに。
「凍結したのは全部AA。」
「BとかCとか破棄したから。」
「この5個でダメなら、
もう1回採卵した方が良いから。」
「保険が6回だから、ね？」
あわせて確認する事
精液検査の結果が悪い時に、
検査ともに、
確認すべき事があります。
また、これは、
男性不妊がなくても、
気にした方が良い事です。
【1】男性のBMI数値
肥満と男性不妊は、
密接に関係する事がわかっています。
肥満が、
生殖機能に悪影響を与える事は、
女性よりも大きいことが、
医学的にわかっています。
【2】喫煙の有無
喫煙は、
酸化ストレスの原因の1つであり、
精子のDNA断片化が
起こりやすくなる要素の1つです。
【3】AGAなど他の薬・サプリ
思わぬ薬やサプリで、
男性不妊を起こしたり、
精子の状態を、
悪化させている事もあります。
【4】普段の生活スタイル
女性にも言えますが、
あまりにも、
栄養バランスが偏っていたり、
食べ過ぎ・食べなさ過ぎ、
飲酒、
ストレスがあまりにも強い、
重労働で過労、
などは生殖機能に良くない事です。
また、ご年齢を重ねる事で、
精子の妊娠率は低下する
とわかっています。
実施の検査結果
“量4.5ml、
濃度1300万/ml、
運動率58%、
直進率46%でした。”
ご年齢は33歳ですね。
濃度はちょっと低いですが、
染色体異常を疑うほどではなく、
精子DNA断片化も、
ただちに調べるべき、
という結果ではないですね。
ご年齢も良いです。
普段はもっと良く、
胚盤胞に8個なっているので、
なおさら、
今のところは、
体外受精・顕微授精ならば、
ひとまず心配なさそうです。
検査結果が良いけど受精しない
ただし、
精液検査の結果が悪くないから、
「染色体異常がない」
「精子のDNA断片化がない」
とは限りません。
精液検査の結果が悪くなくて、
ご年齢も低いのに、
受精しない・分割しない場合は、
1つの原因として、
精子DNA断片化が疑われるので、
検査を検討しましょう。
また、すべてふりかけ法で、
50％以上が受精しない時は、
顕微授精にしましょう。
胚盤胞に育つ事
精液検査の結果が、
普段より悪くても、
「受精する事」
「胚盤胞に育つ事」
これらに成功している場合は、
この時点で、
ある程度の精子の質の良さが、
保証されます。
同じく、
卵子もある程度以上の、
質の良さが保証されます。
基本的には、
まずは大きな要素として、
「受精」「細胞分裂」「胚盤胞到達」
です。
評価に関わらず、
『胚盤胞に育つ』
というのは、
それほどすごい事です。
卵子の質が良くて、
精子の質が良くないと、
胚盤胞にはなりません。
そして、評価に関わらず、
『胚盤胞になった』
という事は、
その時点で、
ある程度の妊娠率が保証されます。
ご参考になりましたら幸いです。 他にも何かわからない事がございましたら、
文・イラスト：理事 岩城桃子
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