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現在の情報まとめ
☑︎ ご年齢:40歳
☑︎ AMH:1.44【2023年4月】
☑︎ 現在の治療:二人目不妊で、
体外受精を始める予定
☑︎ 持病:カルマン症候群
→ 原発性無月経と、嗅覚がほぼなく、
18歳で1度診断。
結婚を機に36歳で再度診断、
不妊治療を開始する。
【第一子の治療内容】
しばらくカウフマン療法で、
生理を起こした
(エストラーナテープ22日間
+
ヒスロン12日間)
↓
大学病院でカルマン症候群の診断。
↓
タイミング法を開始
ゴナールエフ150単位を週2回
+
hcg注射を週1回
+
カウフマン療法
↓
妊娠・出産
☑︎ お悩み:①現在、HMG注射に、
反応しなくなってきた事。
②hcg注射が品薄。
ゴナールエフ(FSH)のみで育つか。
ご質問②
“凍結胚移植であれば
黄体形成が不十分でも
膣剤などで補充するので、
大丈夫でしょうか?
それともLHは
黄体形成以外にも
卵胞を育てるには必要な成分でしょうか?
もしそうであれば、
他にLHとしての補充するすべは
ないのでしょうか?
もし、なにかほかに方法としてあれば
教えていただけますでしょうか?“
採卵と移植で分けて考える
ゴナドトロピン分泌不全の方は、
排卵が起こりません。
卵巣機能の低下など、
理由がどのようなものであっても、
排卵がない方は、
移植では、
凍結胚移植で、
ホルモン補充周期
を選択すべきです。
ホルモン補充周期と排卵
ホルモン補充周期であれば、
そもそも、
卵の発育は関係ないです。
黄体ホルモン(P4)だけではなく、
E2(エストラジオール)も、
完全に薬に頼る治療です。
着床では、
E2とP4のバランスが、
非常に重要です。
E2もP4も、
どちらのホルモンも、
自然の生理では、
卵の発育・排卵で上がるものです。
しかし、
順調な排卵がなくても、
移植できる治療法が、
ホルモン補充周期です。
採卵・他の移植法
しかし、
下記の治療は全て、
FSHとLHが強く関係し、
必要不可欠です。
☑︎ タイミング法
☑︎ 人工授精
☑︎ 採卵
☑︎ 新鮮胚移植
☑︎ 凍結胚移植の自然周期
☑︎ 凍結胚移植のレトロゾール周期
上記の治療は、
ゴナドトロピンの、
体内での分泌、
もしくは、
体外からの補充が、
必須です。
体内での分泌がない、
ご質問者様の場合は、
移植周期は、
HMG,hcg注射が品薄ではなくても、
移植はホルモン補充周期一択です。
黄体ホルモンの補充
“凍結胚移植であれば黄体形成が不十分でも膣剤などで補充するので、
大丈夫でしょうか?“
凍結胚移植の方法によります。
凍結胚移植の方法は、
3つあります。
① 自然周期
② レトロゾール周期
③ ホルモン補充周期
ポイント
自然周期とレトロゾール周期
排卵を利用した移植周期
ホルモン補充周期
排卵を利用しない移植周期
*ホルモン剤で、
体内のホルモン値を、
完全にコントロールします。
排卵が起こってはいけません。
自然周期・レトロゾール周期
凍結胚移植の、
自然周期とレトロゾール周期は、
卵胞が発育して、
排卵する事で上昇するホルモンを、
利用して移植します。
つまり、
基本的には、
卵胞が育ってE2が上昇して、
LHサージ、もしくは、hcg注射で、
排卵が起こって、
黄体形成が起こって、
P4が上昇する必要があります。
しかし、
ゴナドトロピン分泌不全によって、
ご質問者様は、
卵は育ちませんし、
成熟・排卵に必要な、
LHサージも起こりませんので、
hcg注射がなければ、
この治療はできません。
ゴナドトロピンが不要
そこで、
卵の発育・排卵で上昇するホルモン値を、
ホルモン剤で再現する、
「ホルモン補充周期」
が適切になります。
むしろ、
自然に排卵がある方は、
排卵が起こらないように、
卵の発育と、
排卵を止める必要があります。
FSH・LHの分泌を止め、
卵が育たないようにします。
ホルモン補充周期では、
排卵が起きる事を再現して、
E2製剤を使うのに、
実際の排卵も起こってしまったら、
E2が高くなりすぎてしまいます。
黄体ホルモンの補充
ホルモン補充周期は、
排卵が起きないので、
黄体の形成は起きません。
つまり、
誰しもが黄体ホルモンの薬で、
しっかり補充する必要があります。
ご質問者様はよりしっかりと行う、
という事ではなく、
みんなしっかりと補充します。
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文・イラスト:理事 岩城桃子
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