凍結前から融解後で、卵のグレードが上がる事ってある？

nanachan1022様の記事の続きです。

前回の記事はこちら

『５回移植し陰性、ＰＧＴ-Ａすべき？(nanachan1022様)』

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・3回目:3ＢＣ→2BB移植　内膜8ミリ　→　陰性

・4回目:3ＢＣ→4BB移植　内膜11ミリ　→　化学流産

・5回目:2ＢＢ→4AA移植　内膜9ミリ　→　陰性

凍結した卵を融解して、グレードは上がるか？

融解から移植までに、

細胞分裂することがあり、

その過程でグレードが上がることはあります。

ただ、毎回ではないです。

３回連続というのは考えにくいです。

また、ＢＢからＡＡになるのも考えにくいです。

完全胚盤胞から胚盤胞に戻っているように見えることについては、

おそらく、融解してから回復があまり進まなかったか、

融解から移植までの間に収縮してしまい、

再拡張中なのかもしれません。

あまり良い状態ではないと思います。

    

胚盤胞の段階について

胚盤胞は、

一般的に６段階で分けられます。

１、初期胚盤胞

２、胚盤胞

３、完全胚盤胞

４、拡張期胚盤胞

５、孵化中胚盤胞

６、孵化後胚盤胞

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凍結と融解による、
グレードの変化について

今回ご紹介するのは、

凍結２回・融解２回を行った胚盤胞です。

この卵の変化を見ていきましょう。

１回目の融解の後の写真です。

４日目に胚盤胞になった卵で、

融解直後は収縮していて、凍結・融解よるダメージは見られません。

この後すぐに成長がスタートしました。

再凍結する直前の様子。

思ったよりも溶かした卵が胚盤胞にたくさんなった時など、

ごく稀に再凍結する事があります。

再凍結する前の評価はＡＢとなります。

再融解の後の様子です。

融解の直後からまた収縮していて、

凍結・融解で変性している様子はありません。

この時は収縮しているところですので、

評価はまだできません。

移植直前です。

評価はＢＢとなります。

この胚盤胞の移植でご妊娠されました。

※４枚の写真は、全て同じ卵の写真です。

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上記のように、

凍結・融解した後にグレードが変わる場合は、

一般的に下がる事が多いです。

良くなるという事はあまりないです。

解説：院長　岩城雅範

胚培養士　阿部尚弘

文・イラスト：理事　岩城桃子

今日も皆様のお力になれますように

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