体外受精の刺激量と死亡例(匿名様) | 岩城産婦人科妊活ブログ

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【北海道の不妊治療専門クリニック】
早発閉経、難治性不妊、男性不妊、着床不全、不育症など得意。
患者様のご意見第一、納得できる治療を心がけてます。
[オンライン処方,PFC-FD,ネオセルフ検査,タイムラプス,TESE/PIEZOICSI可能]

匿名様よりご質問頂いております。
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こんにちは。

お忙しい中、ブログにて回答いただきありがとうございます。
(9/21更新のブログタイトル『高刺激か低刺激か悩んでます。(匿名希望)』)

先生からのご質問がありましたので、返信いたします。
私の説明不足でお手間をとらせてしまい、申し訳ありません。

①毎月、生理はあったのでしょうか。
→生理周期30〜40日で毎月ありました。

②子宮内膜症はいつからわかっていましたか?
→31歳(不妊治療開始時点)で判明

③それと、PCOはいつから指摘されていましたか?
→31歳(不妊治療開始時点)で判明

④子宮内膜症で卵巣の手術という事は、
チョコレート嚢胞と見立てていたと思うのですが、とってみたら違ったという事でしょうか?
チョコとは違う、嚢腫だったのですか?
→チョコレート嚢胞でした

⑤子宮内膜症の状態はどのようなものでしたか?
右側の卵巣7.5cmのチョコレート嚢胞があり、術中の通水検査では右側の卵管閉塞が認められました。
また、両卵巣が子宮に癒着しており、腸管、膀胱、ダグラス窩にも発症していたようです。

⑥なぜ手術をしたのでしょうか?
何か理由は言われてますか?
というのは、通常は先に採卵をする為です。
→⑴定期的に超音波でみていましたが、3cmだった卵巣が、短期間で7cm以上になった
⑵年々生理痛が酷くなってしまい、日常生活に支障が出てしまう痛みが毎月1週間近く続く
⑶手術の2ヶ月前にいつも以上に月経痛が酷く、救急搬送されました。
その際、チョコレート嚢胞が破裂しかかっているかもしれないと言われました。
1週間の入院で症状は落ち着きましたが、次周期での発症が心配される

以上の事から、採卵よりも手術優先となりました。
私も、手術より先に採卵が良いのでは?と思いましたので、その時の担当Drに質問しました。
左卵巣は綺麗な状態なので、
劇的に卵巣機能が落ちる事はないし、
採卵にさほど影響ないと言われました。

以上、先生からのご質問の回答です。

どうぞよろしくお願いいたします。

【追記】:当院からとったものの結果と、テストステロンの数値の質問

とったものは実際にチョコレート嚢胞でした。(病理検査では悪性を疑われる所見はなかったです)

テストステロンは、測定したことがございませんので分かりかねます。
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流れ星院長の回答流れ星

早速のお返事ありがとうございます。

チョコレート嚢胞が破裂しかけていたのですね。
手術の理由について、
丁寧に教えて頂きありがとうございます。
悪性でもなかったという事で良かったです。
診断、見立ては良いと思います。

あとは、刺激についてだけですね。
高刺激は避けましょう。
1番気をつける事が、
卵巣過剰刺激症候群(OHSS)
です。

多嚢胞性卵巣の方は、
OHSSに非常になりやすく、
重症化しやすいです。

それは、元々の卵胞数が多いためです。

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カギOHSSとは?・・・
排卵誘発剤により、
卵が沢山育ちすぎてしまい、
卵巣が腫れ、お腹が苦しくなる副作用の事です。

重症化すると、
ひどく腹水がたまってしまい、
血栓が出来て、脳梗塞で半身不随になってしまったり、心筋梗塞など起こしてしまいます。
日本、世界で死亡例があります。

不妊治療で1番気をつけなければいけない副作用です。

注意ショート法、ロング法は、ほぼ必発です。
それはHCGを使う為です。

注意また、多嚢胞性卵巣の方は、
元々小さい卵胞が沢山あるので、
通常の方よりも卵子が沢山大きくなりやすく、
OHSSになりやすいと言われてます。

■+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+■

HMGは、最大でも150単位です。

アンタゴニスト法でも、
トリガーに、
HCGは絶対に使いません。
スプレキュア・ブセレリン(点鼻薬)にします。

あまりに卵が多く育ち、
40個以上になればキャンセルした方が良いでしょう。

6個〜10個を目指して採卵しますが、
どうしても卵が多めに育ってしまったら、
ダブルトリガーを検討します。
(2種類のトリガーを検討)

多嚢胞性卵巣の刺激法について、
またご質問がございましたら、
いつでもご連絡ください。

以上、院長の回答となります。

回答:院長 岩城雅範
文・イラスト:理事 岩城桃子

クローバー今日も皆様のお力になれますようにクローバー


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