黄体フィードバック法で、LHが上がってしまう(ebis-sama様) | 岩城産婦人科妊活ブログ

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【北海道の不妊治療専門クリニック】
早発閉経、難治性不妊、男性不妊、着床不全、不育症など得意。
患者様のご意見第一、納得できる治療を心がけてます。
[オンライン処方,PFC-FD,ネオセルフ検査,タイムラプス,TESE/PIEZOICSI可能]

ebis-sama様より
ご質問頂いております。

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2020年04月27日 19:25
いつも拝見させていただいておりますm(_ _ )m
長文になりますが、どうぞよろしくお願い致します。

4月に採卵した結果が、散々でした。。
先生のブログにありました、早発LHサージにあたるのでは?と思い、相談させていただきました。


今回、初めて黄体フィードバック法で刺激

血液検査の結果
D3  FSH8.1 / LH5.6 / E2 67.5 / P0.71 
D8  FSH30.6 / LH10.8 / E2 1321.8 / P0.63 LHを下げるため、セトロタイド注射
D10  FSH33.0 / LH8.2 / E2 2697.1 / P0/83 同じく、セトロタイド注射

D3からD10まで
クロミッド2錠、フェリング300、ゴナピュール75
ルトラール2錠

トリガーは、D11夜に、hcg10000
D13 採卵でした。
採卵結果は4個回収、1個受精(3日目4分割)、凍結なしでした。

Q.1
今回のホルモン値は、早発LHサージでしょうか?受精率が悪く、卵子の質が気になります。
12月、2月に採卵した時は、アンタゴニストで、LHは最高でも7.2でした。
私には、どのような刺激が合っているでしょうか?

Q.2
ICSHIの結果が毎回悪いです。(培養技術には信頼のおけるクリニックです)
今後は、IVFのみにするべきですか?

Q.3
採卵は、しばらくお休みしたほうが良いでしょうか?
クリニックからは、連続(毎月)採卵をおすすめされ、カウフマン療法も否定的です。
私の場合、1ヶ月あけても、どんどん採卵結果が悪くなっているので、どうしたらよいものか、悩んでいます。

Q.4
採卵に伴う卵巣刺激を数か月お休みする場合、その間にできる妊活はありますか?
タイミング法や人工授精にしても、クリニックで薬や注射を出されるのであれば、卵巣を休ませることにはならないのかな、と思っています。


以下、ご参考までに、体外受精からの治療歴を載せます。
主人の精液所見はいつも、調整後運動率99%です。

2019年(39歳)
7月 不妊治療クリニック(丸の内) AMH3.15
✳︎採卵1回目中刺激 IVF→採卵4個、正常受精3個、凍結1個《3日目9分割G3》
9月 同クリニック
✳︎採卵2回目中刺激 IVF→採卵3個(うち変性1個)、受精0個

10月 子宮鏡下手術(子宮粘膜下筋腫) 37歳の時にも、腹腔鏡手術を受けています。

12月 不妊治療クリニック(汐留)
✳︎採卵3回目アンタゴニストsplit 8個回収(うち未熟3個)
cIVF 2個→凍結2個《4AB・3日目8分割G2》
ICSI 3個→正常受精1個、凍結できず

2020年
1月 不妊治療クリニック(丸の内)
✳︎移植1回目 自然周期《3日目9分割G3》→陰性

2月 不妊治療クリニック(汐留)
✳︎採卵4回目アンタゴニスト IVF 7個回収(うち変性1個、未熟1個)
cIVF 5個→正常受精1個、凍結1個《3日目6分割G3》

4月 同クリニック
✳︎採卵5回目黄体フィードバック法 4個回収(うち未熟1個)
cIVF 2個→正常受精1個(3日目4分割)
ICSI 1個→受精せず

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ebis-sama様
メッセージありがとうございます。
お返事が遅くなり申し訳ございません。
以下が院長の回答となります。

流れ星院長の回答流れ星

はい、LHが高いです。

day8に10を超えてしまってます。
当院であれば、
ここでキャンセルを検討します。
仕切り直しが良いでしょう。

なぜなら、
day3から、day8までの間に、
卵子の質は悪くなってしまっている
と推測されます。

通常セトロタイドを、
焦って打っても、
効果はないでしょう。

セトロタイドは、
LHが上がらないように打つ薬で、
上がってから対処として打つ薬ではありません。
普通の使い方ではありません。

早発LHサージは、
この情報だけだと判断はできませんが、
もうすでにその前に高いです。

卵子の質に影響します。

また、E2もすごく高いですね。

卵子が、10個以上
育っていたんだと思いますよ。

ただ、成熟の方法に問題があり、
(LHが先に上がってしまった)
成熟せず、
採れた卵子が少なかったと思われます。

また、卵子の質も悪いと、
受精や分割に問題もでます。

この数字の時であれば、
むりやり押し進めない事も考えます。
お金も時間も、心身の負担もかかりますから。

貴方に合っている刺激は、
ごく普通の刺激です。
つまり、
黄体フィードバック法ではありません。

アンタゴニスト法ならば、
きちんとLHをセトロタイドではじめから抑えます。
点鼻薬で成熟させます。
アンタゴニスト法の方が、成績良かったので、
戻した方が良いと思います。

FSHとAMHをみると、
標準的な治療がよいと思います。

HMG製剤を、
375単位も使う必要はないと思われます。

通院先のクリニックが、
生理3日目の卵巣の状態を診て決めたのかもしれませんので一概に言えませんが、
量が少し多い気がします。

卵子の個数と、早くのLHの値、成熟の方法によって、
卵子の質は、
ガラッと変わります。
胚盤胞到達率も
ガラッと変わります。

ご質問②
ICSIの結果が毎回悪いです。
次回は、全てふりかけにした方が良いか。
下矢印
必ずしも、悪いとは言えません。

クローバー理由1、卵子の質にも問題がありそうなこと
(育て方による)
今回は黄体フィードバック法のスケジュール・値のみお聞きしましたが、他
の採卵周期も、
もしかしたら成熟のさせ方など合わない事があったのかもしれないです。

クローバー理由2、ICSIが良いか悪いか見るには、もっと情報が必要なこと
・ICSIとふりかけを無作為に分けたのか、
顆粒膜細胞の状態を見て
未熟そうなものにICSIにしたのか。
・それぞれの受精の時の精液所見が良かったか、悪かったか

次回については、
その時の精液所見によると思います。

同じ人間であっても、
例えば、今回は濃度が低い(精子調整前)からICSIが適している場合があります。

精子調整後は、参考程度です。
その前の運動率や奇形率が重要となってきます。

カルシウムイノオフォアを使う場合もあるので、
使った事もお教え頂けると良いです。
受精率が悪いとか、FSHが高い時は、
卵子活性化を行う事があります。
今回、このようなことをしたかどうか、
また、
正常受精じゃなかったものの状態についてもお教え頂ければ、
もう少し詳しくお答え出来るかもしれません。
・前核が多かったのか
・第二極体の放出の有無


質問③
あくまで当院では、
連続した刺激で採卵はしません。
お休みはした方がよいと思います。

ご通院中のクリニックでカウフマンが無理そうであれば、
"休みたいです。休む間、低用量ピルを使って生理を起こしておきたいです。
次回コロナ落ち着いたら、
アンタゴニストをやりたいです。"
と言うのはどうでしょうか。


質問④
自然排卵周期で、
タイミング合わせるのは、
あくまで排卵誘発剤を使わないという意味では、
卵巣へのダメージはありません。

上記にも書きましたが、コロナの事もあるので、
一度、ピルを使って休んでからやってみたいです
と言ってみるのはどうでしょう?

2周期くらい休んだ方が良いと思います。
今回上がってしまったLHやE2が、
全て落ち着くはずです。
良い卵子をとれるベースを作るのです。

2周期ピルを使って、
できれば、次は
アンタゴニスト法に戻して、採卵
というのがおすすめです。

黄体フィードバック法は、
やめた方が良いと思います。
これは、本来高反応の方、
多嚢胞性卵巣のような方にやる方法です。

以上が院長の回答となります。

またご質問があれば、
お気軽にお申し付けください。

クローバー今日も皆様のお力になれますようにクローバー


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