県議会議員1人、市議会議員2人、おばあちゃん35人、そして僕、という忘年会に出た。
ランチ会だった。
彩りも鮮やか、味も上々。
結構なお昼ご飯でした。
デザートの焼きプディングにコーヒーも出て、今年度マイ・モースト・ゴージャス・ランチじゃないかしら。
ただ食べ終わったあとは次の仕事への移動が待っていて、ゆっくりもしていられない。
そろそろ中座しようかと思っていたら、目の前に四角な紙が配られた。
あら珍しや、ビンゴカードである。
司会の鳴海さんがマイクを取って
「皆さん、お楽しみのゲームの時間です!」
と言った。
この方、80歳を過ぎても、小川のせせらぎを思わせる、球を転がすような可愛らしい声の持ち主だ。
教会学校のクリスマス・パーティみたいな気分になる。
鳴海さんが読み上げるボールの番号は、僕のカードには無いものばかりだった。
だいたいビンゴなどそんなもので、ほとんど当たった記憶がない。
6番目の数字でやっと一つ開いた僕のカードは、また暫く放置されている。
その間に周りの人たちは「またあった!」「リーチだわ!」などとゲームを楽しんでいる様子だ。
それでいい。
皆さんが楽しんでくれればそれで。
僕はそろそろ行かなきゃいけないんだ。
「BINGO!暇なし!」
などとくだらない洒落が浮かんだりする。
その途端に僕のカードの数字がコールされた。
次の数字もあった。
おや、と思ううちにもう一つ窓が開いた。
一応、ライン1本だけリーチが掛かった。
小さい声で「リーチです」と言った。
まさかね、と思ったら次が61番だった。
「あ、BINGOです」
呆気ないような幸運で、僕は3番目に賞品を手にした。
これで来年も1年、遊んで暮らせる。
