「憲法に『誤植』が放置されている理由とは」と題する日刊SPAの記事。倉山満なる怪しい憲政研究家。 | popo♪のブログ

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孔子も孫子も「治世救民」を天命として我欲のカケラもなかったそうです。「季布の一諾」が座右の銘として、孔子、孫子、老子、司馬懿に学んでいます。
ささやかながら幸運をお分けします。

下の記事は、日刊SPAというフジサンケイグループの週刊誌のデイリー版のもの。

フジサンケイというからには、安倍政権を支援する御用色の強いメディアであることは推測できる。

この記事も、原発推進派の論理と同じく、問題のすり替えという手法が使われている。

記事の筆者が、意図的にすり替えているのか、あるいは無知の故なのかはわからない。

以下、倉山記者の主な主張だけを拾い上げておこう。

1.「読みにくい、リズムが悪い、美的センスゼロの前文。だから改正」というナンセンス

リズム・読みやすさ、美的センスゼロは、筆者の主観にすぎない。
仮にそれに同意するとしても、それらは、憲法の内容の適不適とは全く別の次元のもの。
このあたりは、原発推進派の論客たちと同じ間違いをしている。
理想的な内容がほとんどの憲法の前では、揚げ足取りは何の意味もない。
まるで、些細なミスを拠りどころに小保方バッシングを続けたメディア記者らと同じ性癖のように見える。

2.「憲法前文の悪文は、日本政府が後世に残した暗号」という妄想癖

ここまで来ると、筆者の妄想癖を疑うしかない。
そもそも英文和訳と言うのは、意外に難しく、中でも、法文の分野となるとかなり難度が高い。
むしろ、憲法の条文を精読するにつけ先人たちの翻訳能力がいかに高かったかと感心せざるを得ない。
この筆者は、裁判所の判決文を読んだことがあるのだろうか。
おそらくは、法律知識は素人レベルだろう。
それに比べれば、憲法の条文はのいかに分り易く、読みやすいことか。

3.「憲法に誤植有り」という無知による誤解

結論を先に言えば、「誤植」という筆者の指摘は、無知からくる誤りである。

筆者は、天皇の国事行為に関する第7条第4号の「国会議員の総選挙」という言葉を指しているらしい。
衆議院議員選挙に「総選挙」はあるが、参議院議員の場合、「総選挙」ではなく、「通常選挙」であるという。
筆者の頭は、ここでもまた混同を生じている。
その近藤は、憲法と公職選挙法を同列の法だと勘違いをしている点にある。

周知の如く、憲法と公職選挙法は、次元の異なる法である。
後者は、憲法の下位にあることは、小学生でも知っているだろう。

もう少し、分り易くいうと。
憲法は、全国一斉に実施される選挙を「総選挙」と呼んでいる。
衆議院議員、参議院議員を区別せず、同条文に「国会議員」と書いているのがその証し。

これに対し、下位の公職選挙法では、より細かく、「総選挙」と「通常選挙」と呼び、両者を区別している。
このことは、少なくとも、憲法を学んだことのある者なら常識として知っているはずのこと。
とすると、この筆者は、安倍晋三議員と同じく、常識となっている事実すら知らないということになる。

4.「マッカーサーノートは日本国憲法の原案」という認識不足

この点については、以前書いたことがある。
たしかに、日本国憲法は「マッカーサー草案」に基づくものといわれている。
しかし、その「マッカーサー草案」にも原案がある。
それは、日本の民間人有識者・学者たちが、知恵を絞って造り上げた「憲法草案要綱(憲法研究会)」というもの。
マッカーサー原案は、これをもとに起草されたされる。
いくらGHQが優秀でも、わずか1週間で、これだけ周到な憲法全文を書きあげることは、不可能だろう。
(wiki)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%86%B2%E6%B3%95%E8%8D%89%E6%A1%88%E8%A6%81%E7%B6%B1

従って、日本国憲法が、マッカーサーによって押し付けられたものという主張は、「原発神話」と同様、金儲けのための詭弁に過ぎないように見える。

5.結論
この怪しい筆者をはじめとする改憲論者は、憲法改正をいう前に、自己改革を優先すべきだろうね。

※ちなみに、美智子妃殿下が深く感銘を受けられたという人権思想を盛り込んだ「五日市憲法」。前述の「憲法草案」は、この人権思想を受け継ぎ、お手本として起草されたものであるという。


日本国憲法に「誤植」が放置されている理由とは?- 日刊SPA!(2014年5月3日09時09分)
(2014年5月3日09時09分)

 本日、5月3日は「憲法記念日」。言うまでもなく、1947年に日本国憲法が施行された日である。
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「ためしに音読してみてください。読みにくいことこのうえなく、リズムも絶望的に悪い。美的センス皆無です。
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 このへたくそな文章は、当時の日本政府が後世に残した“暗号”だ――と倉山氏は見立てる。
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マッカーサーはオリジナルの憲法草案をたったの1週間で作成するのです。この『マッカーサーノート』と呼ばれるラクガキこそが、今日の日本国憲法の原案。
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だが、そんな日本国憲法に「誤植」があることは、あまり知られていないだろう。
「天皇の国事行為について規定した〈第七条第四号〉に、次のようなくだりがあります。『議員の総選挙の施行を公示すること』。ですが、参議院選挙のときに衆議院総選挙が重なっても、参議院の半分は非改選ですから『国会議員の総選挙』はあり得ません。『総』の一文字は誤植なのです」
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【倉山満氏】
憲政史研究者。・・・・・・・・・・・・・』(infoseek news)
http://news.infoseek.co.jp/article/spa_20140503_00635661