その道を通る度に思い出す、私の後悔。

祖父が「ここで蕎麦を食べたいよ」と言った時、「今日は帰ろうよ」と言ってしまったこと。




昨年他界した私の祖父。

その道を通るのが、その時が最後になるなんて、思いもしなかったからです。




小さな後悔、です。

口から時々文句は出ても、一生懸命お世話を手伝いました。

毎晩寝る時には「今日もありがとう」と言ってもらいました。

まわりからも、孫という立場で、よくお世話したね、と労いの言葉も沢山いただきました。




だけど、残された人間て、何かしらの後悔があります。




私にとっては、お蕎麦の後悔…。

この気持ち、祖父が知ったら「何をそんなこと!」て笑うでしょうね。

それとも…そんなこと、すっかり忘れてるかもしれません。




今日は一日、祖父の事を想う日でした。




その日は、受験生には付き物の、定期的な塾の面談でした。

塾の先生方、本当に熱心です。

私は何事においてもプロの意見に耳を傾けたいところがあります。

プロ意識を持った先生の、熱意ある言葉は、私を受験生の母親にしてくれます。

再来年ですよ、来年です、いよいよ今年です、と、受験という実感を与えてくれました。




 ご家庭ではどのくらい勉強されてますか。

 勉強量をあげていかないと。

 みんなやってる事です。




 はい。伝えます。

 ありがとうございます。




勉強出来なかった私です。

その私が今母親なので、母親として、こう言われたよ、と伝えなければならない立場になりました。



机に向かって勉強している長男の横で、洗濯物をしまいながら話しかけました。

話し続けました。

長男からは返事もなく、頷くこともなく。




 ねぇ、聞いてる?

 ねぇ、何考えてるの?

 思ってることあるなら口に出して言ってよ。




 思ってるんだけどさ…

 口に出して言うのが

 出来なくなってきちゃったんだよ。




いつもと違う、私の身長をすっかり超えた、

大きくなった長男のはじめて見る姿。




『心がグチャグチャなんだよ』というのは、

『心の葛藤』でした。




『心がグチャグチャ』だと感じはじめたのは、小学生の時、5年生の時だった、と言われました。



おとなしく物静かなタイプのうちの長男。

まわりのママ達からは「反抗期とかないでしょ」「羨ましいわ」と言われます。




学校からの色々な連絡が絶えない、やんちゃな三男とは、まるで違う世界で生きている感じさえしてしまう。

意志が強く(本人曰く…正義感も強いらしい…ニヤリ)、行動も大きい三男は、学校からの連絡が絶えません。

日々悩みも尽きないのですが、その子をよく知る事が出来たり、向かい合う時間も多いので、三男の『取扱説明書』はほぼ完璧です。




何故だかいつも気になるのは…長男です。

私自身が、はじめまして、の子育てをした子供。

私自身が、今も続いている手探りの子育て中だからですね。

なので、長男の『取扱説明書』は、まだ、ないのです。




以前、友人から送られてきた『子供の成長期の脳の中では何が起きているのか』という内容の動画。

反抗期は脳の成長、脳の変化で、当たり前に起こる事だそうです。

登場していた中学生は、本当に反抗期だなぁ、という子供達でした。

ウチは…大丈夫なのだろうか。




そんな心配をしていた矢先。

大声を出すとか、叫ぶとか、暴れるとか、そんなではなく。

『僕の心がグチャグチャなんだよ』と泣き出した長男は…泣き続けました。

私は、しっかり向き合わなければ、と必死でした。

長男の指の震えが止まり、涙が止まった時、もう夜中でした。1時間半経っていたことに、私は驚くばかり。

心のグチャグチャ…には意味があったのです。