毎日の診察で思う事があります。
大学生になっても社会人になっても、
親離れ、子離れ出来ない親子関係。
社会人の息子と母親が来院。
診察室の中にまで、
親が付いて来ます。(^_^;)
診察は息子さんの方なのに、
問診中、横から親がすべて答えてる・・・。
本人の意見は、どうなのよ？！
と、心の声。笑。
なんだか、問診もスムーズに
行かないような気がします。
きっと、病院やクリニックで
働くナースの皆さん、思っているはず。
こういう場面、
ナースあるある！です。笑。
そういう親を持つ子供は、
決まって無口。
おとなしい子が多いです。
診察前に軽く症状を聞くのですが、
この問診中、息子さんの方は、
一言も話しませんでした。
そして、ドクターが来て診察。
この毒親がいるので、
スムーズに診察も進めません。
ドクターのひとつひとつの言葉に、
いちいち横から、口を出して来ます。
あ～もう少し、
黙っていてくれないかな・・・
と思っていたところ、
ドクターもちょっと切れたのか、
「お母さんは、待合室で待っていて下さい。」
と、ドクターが喝！(^_^;)
それでも、あ～だこ～だと良いながら、
渋っていたお母さん。
その間、ドクターはパソコンを見ながら、
一言も話さない。
無視ですね・・・。
・・・気まずい雰囲気。(^_^;)
まずい、この状況から脱出せねば・・・
「お母さん、待合室へ。」
と、何度か促すと、
息子さんに向かって、
「ちゃんと言える？はっきり言いなさいよ！」
と、言い放って出て行きました。
嵐が去った後のように
静かになった診察室。笑。
これで、ゆっくり診察が出来ます。
親が出て行ったすぐに、
息子さんから、
「すみません。」とぽつり。
え？え？
気にしなくてもいいのに・・・
子供って、親の事をよく見ている。
こういう毒親を持つ子供は、
世間体などもよく分かっていて、
なぜ、母親が診察室から出されたのか、
ドクターと私の表情から、
しっかり察していましたね。
子供というより、
もう社会人なので大人です。
当たり前ですが。(^_^;)
母親が出て行ってから
自分の口で症状も話せます。
話してみると、
とても素直で良い青年です。
自分の親の事も、
よく分かっているのでしょう。
そんな親でも、自分の親。
子供にとっては、大事な親。
そんな良い子を、
親がつぶしてしまっているような
そんな一場面でした。(^_^;)
まあ高校生くらいまでは、
親が診察室へも付いて来ても
いいでしょう。
だけど、社会人になってまで、
一緒に行動は、どうでしょうか。
世間で言う、
友達みたいな関係の親子。
これは、娘さんと母親の関係が
多いようです。
学校の先生をしている患者さんから、
ちらっと聞いた話ですけど、
部活などでも、
休憩時間は、顧問の先生達や部活仲間といるより、
親の方へ走って行くとか。(^_^;)
この頃（思春期頃）って、
どちらかというと、
親を毛嫌いする子供が多いと思いますが、
今時は違うのですかね・・・。
先生や友達といるより、
親の方へ。
親子の絆は、もちろん大事。
だけど、それ以上に大事なものも
学ばなくてはいけない時期だと思います。
嫌な事もたくさん経験して、
人生を学んで行く。
子供は親の所有物ではありません。
子供が助けを求めた時に
手を差し伸べる。
この程度がちょうど良いのです。
親は出来るだけ手元に子供を置きたい。
それは、誰だって思うでしょう。
だけど、子供と親は、
人生も違うし、生きる道も違う。
手元に置きたいがために、
人生（進路）を遮るのは、どうかと思います。
獅子は我が子を崖から落とす、
ようなことわざ？もありますが、
全くその通り。
本当に強い子に育てるには、
親から離して生活させてみることも
必要だと思います。
特に今の時代は、甘い。
甘すぎる。
毒親が多いため、
自立できない子供が多い。
いつまでもお互いに依存し合い、
何かトラブルに遭っても、
一人で解決出来ない。
そして、また依存。
の繰り返し。
病院くらい一人で行けるでしょう、
と思いますが、
それすら出来ない子供も多いのです。
成人したのなら、
親はもう出る幕はありません。
これが普通だと思いますが、
皆さん、どうでしょうか。
