子育て中の思い出
というのは、
なぜこうも
笑えるものばかり
なのでしょう。
当時、私は
アパート暮らし。
夕方になると
子ども達が集まり、
元気いっぱいに
遊び回っていました。
親達も自然と
集まり、
世間話をしながら
子ども達を見守ります。
今思えば、
とても平和な時間でした。
ただし、
その日は平和では
終わりませんでした。
お隣のママさんが
優しく声を
かけてくれたのです。
「どうぞ座って下さい。」
差し出されたのは、
小さな折りたたみ椅子。
育児中の私は
疲れていました。
抱っこ、洗濯、
掃除、買い物・・・。
座れるならどこでも
座りたい年頃です。
ありがたく
腰を下ろしました。
その瞬間。
バキッ。
ズルッ。
ガタン。
「わ~!」
私は見事に
地面へ着地。
まるで
ドリフです。
吉本新喜劇です。
周囲の空気が
一瞬止まりました。
そして
次の瞬間。
子ども達、
大爆笑~。
「壊れたー!」
「ママ落ちたー!」
「ギャハハハ!」
子どもは
残酷なくらい正直です。
特に私の子供は、
指をさしながら、
お腹をかかえて
大声で笑っています。
親子でも
遠慮がありません。
一方、大人達は、
「だ、大丈夫ですか?」
と心配しながらも、
顔が微妙に
引きつっています。
笑いたい。
でも
笑ってはいけない。
そんな複雑な
空気でした。
私も恥ずかしながら、
壊れた椅子を
ひっくり返してみました。
すると裏側に
小さな文字。
「耐荷重50kg」
・・・。
犯人発見。
私でした。
いや、私だけでは
ありません。
正確には
産後の私です。
妊娠前の私は、
それなりに普通だったはず。
ところが出産後。
体重計とは少し
距離を置くように
なりました。
出産したら痩せる
と思っていたのです。
ドラマでは
そうです。
雑誌でも
そうです。
しかし
現実は違いました。
赤ちゃんは生まれた。
胎盤も出た。
羊水もなくなった。
なのに私は残った。
むしろしっかり残った。
妊娠中に
蓄えた脂肪は、
「赤ちゃんを守るための備蓄です」
と言わんばかりに
居座り続けました。
しかも育児中は
お腹が空きます。
夜中の授乳。
寝不足。
ストレス。
自分へのご褒美。
気がつけば
冷蔵庫の前で
立ったまま
プリンやアイス、
お菓子を食べていました。
今なら分かります。
あれは食事ではなく、
生きるための補給でした。
さらに追い打ちを
かけたのが洋服です。
久しぶりに
妊娠前のズボンを
出してみる。
入るかな。
入らないかな。
結果。
太ももで終了~。
ウエストまで
到達しません。
挑戦権すら
与えられませんでした。
そんな状態で
耐荷重50kgの椅子に
挑んだのです。
今思えば、
椅子の方も
災難だったでしょう。
「聞いてないよ~。」
と叫びたかったに
違いありません。
とはいえ、
今だから笑える話です。
あの時大笑いしていた
子ども達も大きくなり、
親達もそれぞれ
年齢を重ねました。
もし今同じ場所に
集まったらどうでしょう。
今度は誰かが
立ち上がる時に、
「よいしょ。」
「どっこいしょ。」
と、膝を押さえながら
言うかもしれません。
そして私は
真っ先に確認します。
椅子の耐荷重を。
人生の教訓とは、
案外そんなものなのかも
しれません。
笑われた思い出は、
いつまでも心に
残るのです。
・・・・
何十年も経ってから
笑える話って、
実は宝物
なんですよね。(^_^)