疾風ロンド | 今日もこむらがえり - 本と映画とお楽しみの記録 -

今日もこむらがえり - 本と映画とお楽しみの記録 -

備忘録としての読書日記。主に小説がメインです。その他、見た映画や美術展に関するメモなど。

2016年 日本
監督: 吉田照幸
原作: 東野圭吾 『疾風ロンド』

 
WOWOWにて録画鑑賞。スキー場が舞台。まだギリ、シーズンでよかった^^。ちなみに私、寒いのが苦手なのでウィンター・スポーツは観るだけで十分満足です(笑)。



ある大学の医科学研究所で偶然的にC-5レベルの殺傷能力をもつ新型病原菌「K-55」が開発されてしまいました。研究員の葛原克也(戸次重幸)は、自分を解雇した研究所への恨みから「K-55」を盗み出して三億円の支払いを求める脅迫メールを所長(柄本明)宛に送りつけましたが、なんとその直後に交通事故で死亡。戸次さん、早々に退場で残念(苦笑)。もはや「K-55」の隠し場所を知る人間はいなくなり、ヒントは強迫メールに添付されていた写真-埋められた場所の目印である、発信機が埋め込まれたテディベアと、その受信機のみ。

偶然とはいえ恐ろしい威力を持つ生物兵器が開発され、しかも盗難に遭ってしまったためその責任を負いたくない所長命令により、中間管理職の研究員である栗林和幸(阿部寛)はたった一人で、しかも4日間以内に「K-55」の隠し場所を見つけ出し秘密裏に無事持ち帰らなければならないことに。現場写真からひとつのスキー場に絞り込んだ和幸は、2人暮らしの中学生の息子(濱田龍臣)をひとりで留守番させるわけにもいかず一緒にスキー場へ向かいます。



男やもめに、難しい年頃の息子。スノーボードにハマっている息子は何やら大変そうな父親を尻目に地元の女の子と仲良くなってレジャーを楽しみます。息子にどう接したらいいのか加減が解からない父親と、父親をいまひとつ尊敬できず冷たい態度の息子。微妙な親子関係の修復も、隠れたテーマ。



東野圭吾原作で、阿部寛さん主演となると加賀恭一郎が主人公の新参者シリーズと雰囲気カブるかもなぁ、という懸念は無用でした。クールな加賀刑事とは全然違う阿部寛さんがそこにはいました。サラリーマン科学者らしく日和見でちょっと情けない父親。スキーもドヘタで格好悪いドジばかり連発。阿部寛さんの見事な演じ分け。途中なんどもプププっと笑ってしまいます( *´艸`)。

和幸はスキードヘタで埋まったりズッコケたりするばかりで挙句に足を怪我して思うように動けなくなっちゃうし、頼みの綱のトランシーバーは現場とは全然関係ないはずのところで急に反応したりして壊れてるんじゃないかという不安ももたげるし、土地勘ないし、こんな状態でとても見つかるとは思えません。



捨てる神あれば拾う神あり。強力な助っ人を得ることが出来ます。スキー場のレスキューとして働く昇平(大倉忠義)と、昇平の後輩でスノーボード競技のオリンピック候補選手の千晶(大島優子)は、本当のことを言えず「盗まれてしまった大切なワクチン」という和幸の嘘を信じて役立たずの和幸の代わりに捜索してくれることに。土地勘も技術も若さもある彼らの強力があればもう鬼に金棒、とホクホクの和幸。でも、魔法のように簡単にはやっぱり見つからない。しかも、ドドメ色のニット帽を被った怪しい男(ムロツヨシ)が何故か彼らの後をついてまわり探りを入れています。「K-55」のことは、死んだ犯人と所長と和幸以外に漏れていないはずなのに、何故?



ドドメ色の変態風ムロツヨシさん、さすがの濃ゆい演技で相変わらず笑かしてくれます( *´艸`)。千晶とのスキーvsスノボのカーチェイスならぬハイスピードの疾風鬼ごっこ&アクションは見応えアリ。たまたま近くにいたスキーヤーがおっかけて動画に収めるのはいいにしても、音声があそこまではっきり入ることに違和感ながら(笑)、オリンピックを目指すことに疑問を持ちモヤモヤしていた千晶も、ストック片手のスキーチャンバラでスッキリ☆解決。

最後のオチもニヤリと笑って爽快。後味よければ全てよし。正直、これを映画で観る必然は感じず、普通に2時間ドラマでいいよね、という感じでしたが映画館でなく自宅テレビで観てる分には文句なし。それなりによく出来たドラマでした。コメディ要素がライトなエンタメ風味を醸し出していてよかったです。ちょっとした気分転換にはお勧めです^^。

 

 

疾風ロンド [DVD] 疾風ロンド [DVD]
3,256円
Amazon