タイ ~仏の国の輝き~ (東京国立博物館) | 今日もこむらがえり - 本と映画とお楽しみの記録 -

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備忘録としての読書日記。主に小説がメインです。その他、見た映画や美術展に関するメモなど。

日タイ修好130周年記念 特別展「タイ〜仏の国の輝き〜」
会期: 2017/7/4(火)~2017/8/27(日)
会場: 東京国立博物館 平成館
公式サイト: http://www.nikkei-events.jp/art/thailand/index.html

 


洋の東西問わず美術品工芸品博物学など何でもかんでも浅く広くミーハーな私ですが、仏教と仏教美術に関しては本当にチンプンカンプンで、鑑賞のツボが全く分からない・・・でも、タイとの修好130周年という節目に普段は門外不出のお宝が公開される貴重な機会なので知識がないからこそこういうチャンスに観ておくべぇかと、それに楽しげなイベント(最後に登場)に惹かれて行ってきました。結果、仏教のいろはもよくわからない私でもそれなりに楽しく見応えのある展示でした。行ってよかったです^^。

まずは、日本で主に信仰されている「大乗仏教」とタイで主流の「上座部仏教」の違いも、昔どこかで学んだことはあってもすっかり忘れて、普段意識することもなくボンヤリ受け止めていたのでまずはその違いを再確認しただけでも学習ポイントアップ←本当にレベル低くてすみません^^;。

「上部座仏教」では個人それぞれが修行をして悟りを開くことが第一の目標とされているのに対して「大乗仏教」では、仏さまに救ってもらうことが目的。浅黄色の袈裟を来た修行僧の皆さんは「上部座仏教」の修行を積んでいる人たち。でも、全員が修行するというわけにもいかないので、一般の人たちは修行僧たちの食事や生活のお世話をすることで「得を積む」ことで、極楽浄土への切符を手に入れられることができる仕組み。タイ仏教のお寺には信者が常に大勢出入りしていて食べ物など沢山持ち込んでいる様子などをテレビ番組や記事でよく目にしますね。


《法輪》  ドヴァーラヴァティー時代/7世紀 ウートーン国立博物館

小さいのからかなり大きいものまで、意味が分からなくてもその存在感や時代を超えて保存されてきた造形、細工の美しさに圧倒されるお宝が沢山。お釈迦さまの教えが車輪が転がるようにあまねく広がりますように、という願いを込めて、寺院の象徴的オブジェとして、タイでは特に沢山作られたという《法輪》と、何かのオベリスク?と思うような背の高い円柱は、その法輪を掲げる為の支柱。その構造(ブロックのように凹凸をはめてセットする仕組み)と、これだけの重量のものをどうやって持ち上げて固定したのか・・・悠久の人々の情熱と時間と労力と知識と技術に、ここでも驚愕。昔の人間って本当にすごい。


《仏陀遊行像》  スコータイ時代/14-15世紀 サワンウォーラナーヨック国立博物館

仏像も、日本の寺院仏閣で目にする仏像と顔立ちや体型も全然違っています。そして、時代、王朝の違い、民族の違い、流行の違いによっても特徴が色々あるのが体系的に分りやすく展示されていました。全体的に、スっとした顔立ちと体型の仏像が多く、日本ではあまり見かけない、一歩足を前に出して歩む姿の「ウォーキング・ブッダ」こと「遊行像」はスコータイ朝の時代に流行して沢山作られたそうです。優雅で隆線的なその立ち姿も特徴的ですが、「微笑みの国」のキャッチフレーズを思い出させるような微笑んだ表情も印象的でした。

 

《ラーマ2世王作の大扉》  ラタナコーシン時代/19世紀 バンコク国立博物館

もう一つの見どころで写真撮影スポットは、5メートルを超える美しい彫刻を施されたチーク材の大扉。鹿などの動物からオッサンが顔を覗かせているようにしか見えない「人面鳥」なんていう架空の生き物まで、天界に住むと言われている様々な動物がギッシリと精緻に彫刻されていて、どの角度から眺めても美しくて圧倒されてしまいます。ラーマ2世は、この扉が最高傑作であるという事実を固持するために、模倣されたりこれを超えるものが制作されないように使用した道具類を全てチャオプラヤー側に捨てさせた・・・って、そういえばむかーし教科書で習った気がする!Σ(・ω・ノ)ノ!そして、いつか見てみたい・・・と思った記憶も・・・まさか、すっかり忘れたン十年後に実現(´ω`*)。

《金象》 15世紀 チャオサームプラヤー国立博物館

そして煩悩の塊のわたくし。ひときわ息を呑み目を見張ったのは、金銀細工の展示エリア(笑)。すんばらしい細工の数々にウットリ。そして、お釈迦さまの台座、履物(名称あったのだけれど忘れました・・・)、神器の数々や扇、背もたれなど美しい銀細工の一式フルセットもありまして、こんなキラキラの調度の中に座らされたらとてもじゃないけれど悟り何て開けない(笑)って思いました(;^ω^)。

もう一つ、面白かった展示は「曜日仏」の解説でした。タイでは、自分が倦まれた日が何曜日かというのが重要らしく、曜日によってポーズの違う「守護仏」とラッキーカラーがあり、自分の産まれ曜日の日に寺院にお参りに行く人も多いのだとか。ちゃんと生年月日を入力したら曜日が算出される装置も設置してあったので勿論早速調べました( *´艸`)。
結果は土曜日、蛇の化身ナーガに守られて瞑想している仏像が守護仏でラッキーカラーは紫。おぉ。今回の特別展示の目玉のひとつの、あれ↓ですやんっ( *´艸`)。

《ナーガ上の仏陀坐像》 12世紀末~13世紀 バンコク国立博物館

別に自分が偉いわけでもなんでもないのに何だか変に嬉しいミーハー心ですが、一緒に行った友人は火曜日の涅槃仏で微かにジェラシーという、くだらなくて意味不明にきゃいきゃいできるお楽しみコーナーでした。星座占い動物占い、、、キャラクター性のある占いの類ってなんだか楽しいですね( *´艸`)。ちなみに、曜日ごとの説明をなんと外務省のホームページで発見しましたので一部転載します(´_ゝ`)。

Q:
日曜日: 曜日の色は赤です。仏像は現地語でプラプッタループ・パーンタワーイネートと呼ばれます。その姿は右手を上にして両手をお腹の上で組み、菩提樹を見つめている立像です。

月曜日: 曜日の色は黄色です。仏像の読み方には諸説あるようですが、一般的なのはプラプッタループ・ハーム・サムトーンです。その姿は、左手を垂直に降ろし右手のひらを胸の高さで外に向けて飢餓と日照りを制止している立像です。

火曜日: 曜日の色は桃色です。仏像はプラプッタループ・パーンサイヤートと呼ばれます。その姿は右手を枕に乗せて腕を耳に当て手のひらを開いて頭を抱え、左手は腰のほうへ伸ばして目を閉じ両足を揃えて横になった寝釈迦像です。

水曜日: 曜日の色は緑色です。仏像は現地語でプラプッタループ・パーンウムバートと呼ばれます。その姿は(右手を側面に左手を底に添えて)両手でお布施の鉢を前に抱え、足を揃えた立像です。

木曜日: 曜日の色はオレンジ色です。仏像は現地語でプラ・プッタループ・パーンサマーティと呼ばれます。その姿は左手を下にして手のひらを組み、右足を上に胡坐をかいて瞑想している坐像です。

金曜日: 曜日の色は青です。仏像は現地語でプラプッタループ・パーンラムプンと呼ばれます。その姿は右手を上にして両手を胸の上で交差し、仏法と伝道について瞑想する立像です。

土曜日: 曜日の色は紫色です。仏像は現地語でプラプッタループ・パンナークプロットと呼ばれます。その姿は右手のひらを上に体の前で手を重ね、背後にいる7本頭の蛇・ナーガに保護されて瞑想している坐像です。
:UQ

今回の企画展のアンバサダーにみうらじゅんさんといとうせいこうさんを起用というのは興味深い目の付け所だと思いましたが、個人的にお二人に対する興味も知見もなく、オリジナルグッズも心惹かれず珍しくも特設ショップではお買い物ゼロで脱出できました(苦笑)。そして、ウキウキと向かったのは・・・7月と8月の最終週の金・土限定、4日間限りの特設ビアガーデン♪
 

シンハービール柄のパラソルが可愛くてお気に入り( *´艸`)。タイビールとタイフード、のはずで公式サイトにもタイフード含めて複数のキッチンカーが出店とあったのに、何故かタイフードのキッチンカーだけ見当たらず・・・でしたが、アンチョビバターポテトとペッパーチキンも美味しかったし蔵出しのシンハービール、抜群に美味しかったです( *´艸`)。雰囲気も味もしっかり満喫して楽しかったのでタイフードに出会えなかった残念も、まぁ良しとなりました♪