ジェイン・オースティンの読書会 | 今日もこむらがえり - 本と映画とお楽しみの記録 -

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備忘録としての読書日記。主に小説がメインです。その他、見た映画や美術展に関するメモなど。

 

2007年 アメリカ

ロビン・スウィコード 監督

原題:  The Jane Austen Book Club

 

 

高慢と偏見とゾンビ」に続き、こちらも以前から気になっていた映画。ジェイン・オースティン祭りにつきレンタルしました^^。原作はカレン・ジョイ・ファウラーによる同名のベストセラー小説。そういえば最近海外文学は古典ばかりな傾向。たまには原題小説も読みたくなってきます、原作アリの映画を多く観ていると(´ω`*)。

 

愛犬を亡くして落ち込んだ友人を励まそうと発足したジェイン・オースティンの読書会。オースティンの長編6作を1人1冊づつ担当して毎月一回、各自の自宅を持ち回り会場にしてその月の作品についてみんなで語り合うという趣旨。集まったのは母娘を含む個性豊かな女性5人と、若い男性1人。それぞれに抱える悩みや人生の帰路に立つ面々がオースティン文学の主人公たちと自分達の人生をなぞらえながら、自己の内面と向き合い答えを模索していく群像劇。監督が敢えて広く名前の知れたスター俳優ではなく、キャラクターをしっかり演じられるリアリティーのある俳優を集めたというキャスティングが実際、抜群でした。

 

 

読書会の発起人バーナデット(キャシー・ベイカー)は、フレッド・アステアの主演映画も手掛けたハリウッドのプロデューサーを含み6度の離婚歴があり、さらに7度目の結婚的にも意欲的な皆のまとめ役的女性。担当は『高慢と偏見』。「シザーハンズ」や「アデライン、100年目の恋」他映画、ドラマ共に出演作は数知れず、なのであれっ観たことあるよね、なベテラン・バイプレイヤーな女優さん。

 

 

元々のきっかけは犬のブリーダーの ジョスリン(マリア・ベロ)が愛犬を亡くして落ち込んでいたから。担当書は『エマ』。ジョスリンはホテルのバーで出会ったSFの熱烈ファンのグリッグ(ヒュー・ダンシー)を読書会に誘います。グリッグの担当は『ノーサンガー・アビー』。エマ同様、犬も(笑)人間も縁組したがるジョスリンは、傷心の親友シルヴィアのお相手にイイカモ♡と目星をつけたのですが、グリッグのお目当てはどう見てもジョスリン。他人のことばかりで自分自身の恋愛には鈍感なのも、エマとそっくりのジョスリン。美男美女だし息もピッタリ、お似合いの2人なのにねぇ(´ω`*)。

 

マリア・ベロは「コヨーテ・アグリー」の支配人リルや「ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝」のエヴリン役など。大ヒット医療ドラマの「ER 緊急救命室」の第4シーズンではメインキャストとして出演。イギリスはオックスフォード大学出身のヒュー・ダンシーは何気に好きな「お買い物中毒な私!」で主演。あ~だから、見覚えあったんだ!(*‘ω‘ *)

 

 

ジョスリンがグリッグを紹介しようと思った相手はこちら↑の親友シルヴィア(エイミー・ブレネマン)。なんと20年以上連れ添った旦那がまさかの「好きな人が出来てもう別れられないので結婚関係リセットしよう」宣言の青天の霹靂。担当は『マンスフィールド・パーク』。ショックで不安定状態なので序盤はボロボロですが物語が進むにつれてヘアメイクもファッションもどんどん綺麗になり自分を取り戻していく様子が気持ちよかです^^。映画出演も多数ありますが、個人的にはドラマ「グレイズ・アナトミー」のスピン・オフドラマ「プライベート・プラクティス 迷えるオトナたち」のヴァイオレットとしてお馴染^^。

 

 

シルヴィアの娘アレグラ(マギー・グレイス)は『分別と多感』担当。活発で情熱的なレズビアン。スカイダイビングなどのスリル満点のエクストリーム・スポーツに挑戦しては怪我をして、その度に新しい恋人をゲットする恋の狩人。正反対のタイプのプルーディー(次に登場)とは水と油。ヴァンパイア・ブームを巻き起こした「トライライト・サーガ」シリーズでは、エドワード達カレン族の親戚筋の菜食ヴァンパイア(人間の血を食さない)ターニャ族のヴァンパイア、イリーナを演じていたのが彼女。

 

 

高校のフランス語講師、ノーブルなファッションが好みの文学乙女プルーディー(エミリー・ブラント)。彼女はもはやビッグ・ネームに片足つっこんでいるのではないかと思うのですが、エミリー好きなので嬉しい^^。改めてフィロモグラフィー確認したら「プラダを着た悪魔」の翌年の作品らしいので、まさにブレイク前夜のタイミングでのキャスティングだったんですね~。「プラダを・・・」の大ヒットの後、次々と映画出演が続く彼女ですが私は2009年の「ヴィクトリア女王 世紀の愛」でファンになりました( *´艸`)。

 

そんなエミリー演じるプルーディーは、生涯ヒッピー現役の母親もコミューンで生まれた自分の過去も嫌って真反対の方向にまっしぐら。夫との関係もごく平穏に見えますが、文学や芸術に疎くスポーツ馬鹿で全く趣味の合わない夫に内心幻滅しっぱなしで、色気ムンムンの高校生男子に心奪われている今日この頃。

 

 

ちなみに何人もの同級生女子とイチャイチャしながら教師であるプルーディーまで誘惑しちゃう魔性男子高校生トレイ(ケヴィン・ゼガーズ)がこちら↑。ただのヤング色男かと思いきや、バイト先は本屋さんだし演劇にも参加したりで、プルーディーのツボをくすぐりまくり。そりゃ、プルーディーさんもついウットリ、フラフラしちゃう心理はわかります^^;。

 

 

まさに6人6様、それぞれが語るオースティン文学の登場人物評や物語の解釈や討論が面白いです。なるほどねー、そういう解釈もあるものか、と感心したり。誰かと映画や小説について色々語り合うってやっぱり楽しいですよね(*‘ω‘ *)。映像作品でジェイン・オースティン祭り開催中ですが、書籍も6作品全部読みたくなりました。まだ読んだことないものもあるし。

 

ジェイン・オースティンを知っている人は勿論楽しめること請け合いですが、知らなくても、質のいい群像劇として十分楽しめると思います。そして、ジェイン・オースティンの作品を読んでみたくなるかも^^。ずーっと気になっていた作品、観られてよかったです(*^-^*)。