ジェイソン・ボーン | 今日もこむらがえり - 本と映画とお楽しみの記録 -

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備忘録としての読書日記。主に小説がメインです。その他、見た映画や美術展に関するメモなど。




2016年 アメリカ
ポール・グリーングラス 監督

なんと9年ぶりのジェイソン・ボーン!
封切りを待ちわびてたので早速観てきました。
一作目の『ボーン・アイデンティティー』は、
たまたま成り行きで他に選択肢がない状況で
劇場で観ました。当時マット・デイモンの良さが
まったくわからず出演作にも興味なかったので
気が進まないまましかたなく観たのですが、
始まってみたらすっかり夢中に。なにこのおにーちゃん、
こんな格好良かったんだ!と遅ればせながらの開眼
で、それ以来ジェイソン・ボーンもマット・デイモン
も大好きに。単純(笑)。


正直、ジェイソン・ボーンの物語は完結したと
思っていたし、もう後は心穏やかに平和な日々を
過ごさせてあげたい、と思うので、またしても
過酷な戦いに、、、と思うと哀しい気持ち半分、
とはいえまたボーンに会える嬉しさ半分。
どちらにせよ観ないわけにいきません。

前作までで、ようやく呪縛から自由になって
ささやかな平和を手に入れたと思っていたのに、
何だかまたすっかりやさぐれて、アンダーグラウンド
な格闘ギャンブルで自分自身の肉体と魂を
わざと痛みつけて粗末にするような生活をして
いるボーン(T_T)。
そこに、過去作でも登場した元CIAエージェント
のニッキー(ジュリア・スタイルズ)が接触
してきます。ボーンの物語は全て解決している
ので、新しいネタは、彼の父親にまつわる秘密。
なる程、そうきましたか。

今まで以上に激しいカーチェイス(きゃー高級車

が山ほど潰されてるぅ)、派手なアクションシーン
盛りだくさんで、息もつく暇がありません。
ロケーションや設定も、ギリシャの財政危機に
対する国民のデモとか、世界規模のユーザー数を
誇るSNSのプラットフォームとか、個人情報の
問題やITネットワークを利用した国民の監視疑惑
など、時代を反映した事象をふんだんに取り入れ
られてます。

ボーンといえば、毎回彼の手助けをする女性が
いますが、今回そのポジションになるらしき
存在が、新しいCIAの部長に就任したヘザー・リー
(アリシア・ヴィキャンデル)ですが、彼女の
立ち位置というか来歴がずっと謎。何か曰くが
あって目的をもってCIAに潜り込んだのか、
CIA長官デューイ(トミー・リー・ジョーンズ)
に利用されそうになるIT長者のカルーア(リズ・
アーメッド)とスタンプラリーの同窓生らしい
ので、彼と実は繋がっているのかしらん?とか
色々想像しながら真相が語られるのを待って
いましたがその機会は最後までなく、あれ、
もしかして因縁とか曰くとかのバックボーン
は何にもなくて、単にボーンの存在を上手く
活用しようとした野心家なの?な感じで終わります。

ポスターにも「新章 始動」とあるし、本作から
新しいシーズン開始で続編ありきな雰囲気です。
でも、ボーンの秘密は完結したし、今回新しく
ぶち込んだ父親に関わるネタも集結したし、
さてこの後はどうなるんでしょう?
まさかのボーンのCIA復職なんて可能性も今回
追加されて、わざとらしくボーンの真は愛国者で
あり、組織から離脱したのは本意ではなく
飛び出した外の世界にも馴染めず転換期を迎えて
いて、きっかけがあれば復職を望むだろうなんて
いう分析医の診断なんかもチラチラ見せてましたしねぇ。

今度はCIAに戻ったジェイソン・ボーン?
やっぱりリーはただの野心家ではなくて、
某の曰くが次回作で明らかにされていくのか?
今後はボーン対リーの対決になっていくのか?
とりあえず、マット・デイモンの体力が十分ある
うちに続編観たいので、今作の興業成績が良くて
続編製作の予算がつけばいいな、と思います。

あ、最後になりましたがいぶし銀のトミー・
リー・ジョンの、ひとくせもふたくせもある
ザ悪玉なデューイ長官役と、ボーンの宿敵役として
の執念の工作員アセットを演じたヴァンサン・カッセル

の存在感は流石!でした。