CR岡本物語 進化概論 ~その可能性と人類の未来~ | ポップンマッシュルームチキン野郎公式ブログ

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2013.6.22
 CR岡本物語学専門家 加藤慎吾
CR岡本物語考

<はじめに>
CR岡本物語とは、遺伝子学上は明らかにヒト(ホモサピエンス)でありながら、一般の人類とは異なる生態を示す生物であって、突然変異体である、未知の生物に寄生されている、若しくは最初に樹木の葉を食べようとしたキリンと同様、人類を新たなる進化のステージへと誘う存在である、など、その正体については研究者から様々な学説がある。
筆者は現時点で個別の学説に拠ることは避けるが、つい先日、CR岡本物語と余人を排し直接接触する機会を得、つぶさに観察することに成功したため、ここに報告する。

<退化こそがCR岡本物語の進化である>
某日、CR岡本物語より「行きたいところがある。一緒にどうか。」との依頼が極秘に入った。筆者は望外の機会に胸躍り、2つ返事で承諾し都内某所にてその出現を待った。他の研究者へ知らせずなぜ2人きりで会ったのか、との批判は甘んじて受けるが、それが他でもないCR岡本物語自身の希望であったから已むを得まい。しかし、写真の撮影については許可が下りたため、後にその一端を紹介することで広く研究の助けにしてもらえばと願う。

我々はカラオケボックスへ入った。彼がどんな曲を入れるのか、筆者は固唾をのんで見守っていたが、予想に反して彼が入れたのはGARNET CROWであった。この報告を読んでいるものには意外であろう。彼が「ももクロ」、すなわち、もはや“今会えないアイドル”へと昇華した「ももいろクローバーZ」に心酔していることは研究者の間でもつとに有名な話であるからだ。そこで筆者はなぜももくろを入れないのか尋ねた。彼の答えは、「え、喉がちょっとね。まず喉開けないと」というものであった。つまり彼の言わんとすることはこうだ。「現在の自身の喉の状態では高音が出ない。歌いたいからと言ってどんな状態でも歌っていいものではない。歌に真に魂を宿らせるには、コンディションがまず第一に必要だ」―なんと徹底した意識であろう。だから諸君、1曲目からももくろを歌わなかったことで自らの学説が否定されたと落胆してはいけない。次に示す彼の行動が何よりの証左である。

必死である。

必死である。

猛烈に必死である。

実に楽しそうである。

ことさらに必死である。

満足したようだ。

この後も、彼は続けざまにももクロのありとあらゆる楽曲を歌い続け、その鬼気迫るももくろへ注ぐ情熱は筆者の心胆を寒からしめた。

<考察>
この経験から、筆者は次のように考える。彼は今年、年齢にして33を迎えた。通常のヒト、すなわち人間であればすでに家庭を持ち、妻と一人、多ければ2人の子供のために日夜働いているのが一般的である。大学を卒業して10年ほど経てば、部下を持ち、責任あるプロジェクトのリーダーとなっていてもおかしくない。まして彼は天下の慶應義塾大学OBである。平日の深夜2時半に至るまで、自分と15ほども年の離れたアイドルの歌を熱唱し広い額に汗している場合ではないのだ。しかし、どうだろう。それこそが我々がこの生物に惹かれてしまう所以ではないのか。世間の常識に敢然と逆らい、むしろ精神年齢を「退化」させ、それでいて「それこそが自身の正当なる解である」とばかりに堂々としている。引け目などは微塵もない。逆説的ではあるが、筆者はそこに、人類の「進化」を見る。退化こそが進化。少なくとも、CR岡本物語においては―。

<結論>
CR岡本物語は、進化する生物である。それも、精神年齢を退化させるという逆説的手法によって。彼も我々と同じように1年に1歳、年を取る。しかし、10年後、20年後、我々は自身と全く違う進化を遂げた別の生物をそこに見出すであろう。彼は面白くなり続ける。そう考えると、筆者は年を取ることがちっとも億劫でなくなった。彼は一体どんな地平を見せてくれるのであろうか。ぜひ、諸兄らも楽しみにしていただきたい。まずは8月16日~25日、彼が次に我々の前に姿を現す「黄金のコメディフェスティバル」でその雄姿を見届けようではないか。