元婚活カウンセラーが語る幸せな結婚の為の秘訣とは?

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25Nov
- 恵比寿ガーデンプレイス
  現在、ライトアップされてものすごく綺麗な恵比寿のガーデンプレイス。夜の光の中　癒されてます。婚活業界で仕事をするようになってまだ間もない、まだ「パワハラ」などという言葉も一般的でなかった頃の話。その相談所はバブル景気に便乗し、アッパーミドル層の経済的ゆとりのある方々だけをターゲットにしていて、例えばお見合い一つにしても当時流行りのフレンチのコース料理と決められている気取った相談所でした。(初対面で気まずくてもコースが終わるまで帰れません)女性が憧れるおしゃれで美しいパッケージに釣られると、男女数のバランスが悪くなり差別意識の強い結婚相談所ではお金をドブに捨てるような活動になります。さて、裏側では社内の隠しマイクなどは当たり前、朝礼で男性社員がヒステリックに怒鳴られる光景は日常茶飯事で社員は常に"ピリピリ'"異様な雰囲気です。明るく華やかで幸せの象徴のような美しいサロンとの落差が激し過ぎて当時の私には衝撃でした。ある時私達の部署にもとうとう社長の火の粉が降りかかり吐き気をもよおすような不愉快な場面に遭遇したのです。ミーティングは比較的機嫌良くスタートしたのですが、本題に入るとまるでスイッチが入ったかのように様子がおかしくなります。(この豹変が怖い😱)ついには感情の高ぶりを抑えきれなくなったのか机を叩いて怒鳴りまくる様は常軌を逸していて心の準備もないまま受ける一方的な怒り💢に唖然とした私は一刻も早く縁を切りたいと逃げるようにして辞めました。それ以来鬼の形相と怒鳴り声のトラウマでテナントビルのある最寄りの駅にすら気分が悪くなって降りられないことが十数年も続いたのです。のちに知ったことですが、業界内では既に有名な話しで被害者も多いと聞かされた時は少し溜飲が下がる思いをしたものです。感情の抑制が効かない社長　お歳を重ねた現在はどうでしょう？結婚相談所も千差万別、外からは何も見えません。
28Sep
- 結婚を阻む者
  東京近郊で歯科医院の院長として働く34歳のＫ氏は、少々肉付きが良いせいか年齢にしては貫禄があります。予想に反して中々お見合いが成立しないのは、顎が上がって見える写真の印象が良くないのではと、思い切って撮り直しを勧めました。威圧感を与えていたお見合い写真は顎の代わりに口角をほんの少し上げただけでガラッと雰囲気が変わり、次々とお見合いから交際に進展していったことは言うまでもありません。信頼関係が結ばれると実際はとても人懐っこい人物で、いつも嬉しそうに声を弾ませマメに交際状況を知らせてきます。ところがそろそろプロポーズの時期かと思うあたりで不思議といつも破局してしまうという現象がおこり、それが2〜3回続きました。ある時、神妙な面持ちで今お付き合いしているA子さん（30歳　会社員）とはすでに結婚の意思は確認し合っているんだが、親への紹介が難問なのだと言います。暗い口調の内容はというと、「実は僕の母親に問題があって、僕には兄がいるのですが、その結婚相手が気に入らないと大反対して大騒ぎになった。兄はそれでも押し通したので現在は全くの没交渉になっている。」「ぼくが過去に交際していた女性を紹介するたびに反対され、喧嘩になって挙句に相談所の方に匿名で電話をしたようで、恥ずかしながらあれは僕の母親です」そういえば名乗らない人物から電話がかかり、会員の母だと言ってだれかれ構わず罵詈雑言を浴びせかける人がいて　「あんな人を息子に紹介して！」とか「結婚させたら承知しない」とか、「訴える」とか・・。（実際ありました。そう、あなたのお母様だったのですね・・・。）「とに角どんなお嫁さんでも気に入らないと思う。ましてや国立大学を卒業してバリバリ働く現代風の考えのA子さんを気に入るとは到底思えない。」「でも何としてでも今回はA子さんと結婚までもっていきたい」と思い詰めた顔。私自身も息子を持つ母親でもあり、また嫁いだばかりの娘の経験談を踏まえて、A子さんには下記のような内容でメールを送りました。一般的な親へのご挨拶は心得ていると思うので。① まず笑顔。（基本中の基本です）② 聞き上手に徹する。（趣味や関心ごとを事前に彼に聞いておく）③ ほめる。（この歳になると人に褒められることも少なくなり、気を悪くする人はいないはず。）④ 料理好き。（健康面が心配なので家庭的な面は大いにアピール）⑤ 息子が離れていく寂しさも理解してあげて、決して焦らない。⑥「愛する息子のお嫁さんに会うのだから内心は緊張と感謝と期待を込めて心待ちにしているはず。」と思い込むこと結果はというと、ただの紹介のつもりが予想に反してお母様が上機嫌という驚きの反応を示し、「式はいつごろ何処で？住まいはどうする？」の話にまで進展したそう。その後盛大な結婚式も無事に挙げたお二人このこともいつしか忘れかけたころ、あのお母様から再びお電話が・・。「あんな料理のできない女を紹介して、おたくの相談所は×▼＃％＆＊・・」文句たらたら、よくそんなに怒りが持続するものだと感心するほどでした。こんな事に惑わされず幸せに暮らして欲しいと心から願っていた所、ある日Ｋ氏から素晴らしい知らせが「子供が産まれました！！今本当に幸せです」送られてきた幸せそうな家族写真を見て心の底から嬉しさが込み上げ胸を撫で下ろしたものです。お母様も歳を重ね、孫が生まれたのならその無条件の可愛さに自然と軟化していくに違いありません。
30Aug
- 婚活はプライドとの戦い
  驚くほど早く結婚が決まる人もいれば努力はしているもののなかなかチャンスに巡り合えず、いくつもの相談所を渡り歩いている人など婚活男性医師も様々です。またハードな仕事の傍ら頑なに結婚の理想を追い求め、思うようにならないジレンマに陥っている医師なども例外ではありません。2年間の海外留学を終えた直後に活動をスタートさせた45歳の外科医Ｔ氏は「結婚の醍醐味は家族を持つことで、子供を育てる喜びを味わいたい。」と当初気持ちはかなり前向き全開でした。・医師の家庭に育った、あまり忙しくない一般の仕事をしている人。・20代後半から31〜2歳までの根はしっかり者だが、優しく癒し系で姉のようなタイプ。・誰がみても美しい人（本人は違うと言うが選ぶ人は皆若くて美しい）・仕事を充分に理解してくれて、同じレベルで会話が出来る賢くて魅力的な人。若さに固執するのは、どんなに医学が進んでも高齢出産は母子共に生命に危険が生じるからと力説します。ただ順調なお付き合いもそろそろ次の段階かと楽しみにしている頃になると、どちらからともなく別れてしまうという現象が続きます。Ｔ氏とのメールのやり取りで分かってきたことは高度な専門医療に携わるが故の性格の緻密さ生死にかかわる厳しい環境が影響するのか、自分を厳しく律する分、相手に対してもそれを求めてしまっているようでした。ある時気合いを入れてスタートした30代前半の方とのお付き合いの最中に、冷静さは装っているもののかなり立腹された様子のメールが届きました。メールの返信が常識外れな程遅い、深夜の電話等基本的な礼儀がなってない。それは「若い」が理由ではないと思う。基本的な礼儀というのは、30歳を過ぎた大人の女性なら持ち合わせているはず。相手の立場になって考えるという当たり前のことができていない。口にこそ出しませんが、お話を聞いているとご自分の経歴、条件ならばどんな希望でも受け入れられて当然と言った傲慢さが見え隠れしてしまいます。失礼ながら、当会の女性が全員医師との結婚を望んでいるわけではないのです。T氏が理想とする若くて美しい魅力的な女性は、30代のスペックの高い男子からの申し込みが多く、なかなか45歳の男性は厳しいというのが実状です。何を最優先に考えたいのか、そしてお互いに歩み寄らない限りその先は無いわけですから現実を知っていただくために条件通りのご紹介を継続し、ご自身が気付くのを待つしかありませんでした。ハイスペック婚活男子でも釣り合いを無視すると苦戦します。
06Aug
- 僕が結婚を諦めたわけ
  入会のきっかけは、女っ気のない一人暮らしの息子を心配した母親の強い勧めでした。彼女がいて当然のようなルックスと長身に恵まれたN氏は33歳、都内で派遣社員として働いています。上の兄二人は既に家庭を持ち自分もそのうち結婚は自然にするものと軽く考えていたようでした。ただそうは言っても過去に一度も恋愛の経験がないＮ氏には女性とのお付き合いすら難題です。真面目で誠実でとても優しい性格な半面、理解しがたいと思ったことは物おじせず言葉にする頑固な一面もありました。ある時、厳しい口調で「もうお金が無駄だから婚活を辞めたい」といきなり退会の申し出があり「少ない給料でやりくりしているのに、なぜデート代を全て男性が払わなければならないのかまだ恋人でもないし相手の給料の方が明らかに多いのに！母親が援助してくれると言うけれど申訳ない。自分の給料内でできないなら意味がない」と続けます。（極めてごもっともな意見）会のルールが納得できない様子なので、ここは母親の助けを借り期限を決めて活動するという約束でひとまず落ち着きました。それから程なくして、清楚で可愛らしい28歳の会社員S子さんとのお付き合いがはじまりました。一目惚れしたS子さんの積極的なリードにより、よちよち歩きでスタートした超奥手のN氏も、交際が軌道に乗るにつれ自信もついてきたのか、よく相談に訪れ人懐っこい笑顔も増えてゆきました。プロポーズのころにはN氏もすっかり幸せの境地に陥ったようで、そこからはとんとん拍子に結婚式まで突き進んでゆくはずでした。歯車が狂いだしたのは、S子さんの母親の度を越した干渉です。もともと病弱で精神的に不安定なところへ持ってきて、結婚が具体的になってくると娘が離れていく不安と寂しさの感情をうまくコントロールできなくなり、常軌を逸するような言動が頻繁におこりました。結婚式のことも住まいのことも、その他諸々決めなければならないことが山ほどあるのに、ことごとく母親にお伺いを立て言いなり状態のS子さん。些細なことにまで口出しをしてくる母親の態度に疑問を呈しても、「母は病気だから仕方ない」とあくまでも母親側に立ちます。明るい未来を想像していたN氏は、純粋であるが故に深く傷つき、結婚に対して絶望感を抱くようになっていきました。ここまで来てしまっては誰かに相談する勇気も失せ、一人悩み苦しみ考え抜いた末に出した結論は、「引き返すなら今しかない」これが限界かと悟った時には挙式まであと一カ月もありませんでした。結婚式場のキャンセル、招待客へのお詫び、新居マンションにかかる諸々の費用。当然頭をよぎったことは言うまでもありません。けれど迷うことなくN氏は『結婚を白紙に戻すと彼女に伝えました。』「あれから息子はあまり実家に帰ってきません、電話で少し話す程度です。先方の女性からは詫びたいと何度も連絡があったようですが、頑なに拒んでいたので一度も会ってはいないと思います。これも人生勉強、高い授業料だと思って何かを学んでくれればいいと思っています。一時は声もかけられないくらい落ち込んで痩せていました。結婚という言葉を口にするのも嫌だ、一生独身でいると言っています、今は。相談所を勧めたのは私ですが、たとえ「独身」でいようと、気が変わって「結婚」しても今はどちらでも良いと思っています。もういい大人ですから自分の人生は自分で決めるでしょう」あれから3年ほど過ぎた母の話は、吹っ切れたように淡々としていました。生涯を共に過ごすたった一人のひとを見つけるのは簡単ではありません。何十年も一緒にいられて、大切にしたいと思える人を見極めるための、貴重な時間と捉えて欲しいと思います。
19Jul
- 女子アナＵ子さんの場合
  地方のテレビ局で働く29歳のU子さんに初めてお会いした時は、何か悩みでも抱えているように顔色が悪く、ひどく疲れているように見えました。とはいえ、アナウンサーという職業柄かタレントの様な小顔と可愛らしさには、やはりその世界の人が放つ独特のオーラがあります。華やかに見えても、仕事を離れると案外地味な日常を過ごしている様子で「学生時代の友人から結婚式の招待状が届くたびに言い知れぬ焦りを感じている」とか。将来を見据えるような出会いなどまるでなく、心配した家族に進められて入会を決めたと言います。活動がスタートすると案の定申し込みをしてくる男性が桁違いに多く次々とお見合いは成立していくものの、結果についてはお相手の意向に反してU子さんから良いお返事が戻ることはありませんでした。気持ちは焦っているという割にはいつまでたっても受け身の姿勢を崩さず、白馬に乗った王子様が目の前に現れてくれるとでも思っているかのようです。そんな足踏み状態が3カ月ほど続いたころ、初めて自ら申し込んだ33歳の医師とのお見合いが成立いたしました。お相手にはビジュアルの可愛さに加え天然なところも“面白い魅力”に映ったのでしょう、Ｕ子さんの望み通りここで初めての連絡先交換です。順調な交際報告を楽しみにしていたある日、気落ちした面持ちで相談に見えました。「お見合いのあとニ度ほどデートをしたのですが、その後急に連絡が途絶えてしまって・・。理由もよくわからないし、しばらく待ってみたけれど気になって仕方がない。こちらから連絡しても良いものでしょうか」と。その時は、多忙な人に送るメールやLINEの書き方、どれくらいの頻度が適切かをアドバイスいたしました。特に相手が医師の場合はある程度こちらが積極的に動かないと自然消滅してしまうケースが非常に多いです。一般論ですが、プライベートで出会った相手ですと連絡は絶やさず、デートの間隔も開けないよう気を配りその関係をとても大切にします、とにかく一人しかいないわけですから。一方結婚相談所では、正式交際に入るまでは次々にチャンスが訪れるためどうしても一人の人との関係が希薄になってしまうのは否定できないのです。連絡が来ないのは気持ちがないのか、他の人とのお見合いのせいなのかそれともただ単にスルーされているのか、・・(はっきりさせて傷付くのも嫌だ。)そのようにお互いが思い込んでいて悶々とするケースも多く、『効率よくたくさんの出会を提供されることのデメリット』でもあります。相談所からも連絡を試みましたが応答がなく、結局その男性とはそのまま進展せずに終了してしまったようです。(実はあの東日本大震災の医療支援として現地に赴き不眠不休で治療に当たっていたことがかなり後になって判明いたしました。)その後しばらくして、41歳の包容力のある落ち着いた医師W氏との交際がスタートし、今回はとんとん拍子に3カ月後にはめでたくプロポーズとなりました。結婚を機に仕事も退職する決心がついたというU子さん。能力が試されるシビアな仕事は、自分には向いてないことを悟り深く傷つき悩んでいた入会のころが嘘のように健康的な顔色を取り戻していました。結婚の決め手を伺ったところ・優柔不断な私をしっかりリードし　くれたところ・忙しい中でも小まめに連絡をして　くれたところ・いつも私を気遣ってくれて優しい　ところ「結婚相談所は出会いを提供してくれますが、そこから先は結局自分で動くしかないのだと思います。」(その通りです！)”何でもしてくれる人”が大好きな受け身のU子さん、優しい包容力で居心地よくさせてくれる一回り年上のW氏を選んだのは大正解だと思いました。若くて可愛いだけでは切磋琢磨している同世代の医師の心を掴むのは至難の業でしょう。「男性が積極的じゃないんですもの」と嘆いている縁遠い受け身の女性。相手は自分に何を期待しているだろう、自分は何をしてあげられるだろう。考えれば結婚への近道が見えてくるはず。
07Jul
- 私の結婚　私が愛した人
  山あり谷ありの結婚生活を幸せに乗り越えていくには“自分が愛した人”という意識を強く持つことがとても重要です。誰に言われたわけでもなく自分自身が選び、その愛した責任は自分にあるのですから。都内の大学を卒業後、一般企業に勤める31歳のM子さん。服装もメイクもあか抜けしない地味な雰囲気ですが人柄の良さだけは初対面から際立っていました。邪心がなく裏表のない明るい性格は、恵まれた環境で大切に育てられたに違いないことが十分に想像できます。M子さんの悩みはかなり深刻でした。父親が開業医のため、"跡を継いでくれる医師でないと結婚は許さない。たとえそれが無理でも職業は医師以外認めない"と、かなり強固な姿勢だとか。「もう随分前から婚活をしているけれど、全くといっていいほど成果が得られず、傷つくことばかりでした」と。「一生懸命働いて築いた努力の賜物ですから、父親の想いは理解できるし、感謝の気持ちは十分あるのにそれに応えられない。一人っ子の上、美人でもない私には厳しすぎる現状で・・私の本心は、職業でなく価値観や生き方が一緒の人がいいのです。」と涙ぐむ。はっきり言ってなかなかの難題ですまず婿入り可能な医師は極めて稀ですし、それを外してもハードルの高さはかなりです。活動中、職業以外の希望条件は全て外し、髪型、メイク、服装のセンスも事細かくアドバイスをし、写真を撮りなおすこと数回、プロフィールのメッセージも練り、必ず推薦文を付けて取り次ぎをしてもそれでもお見合いが成立することはありませんでした。愚痴も弱音も一切吐くことはなく、かなり踏み込んだアドバイスにも、きらきらした眼で「はいわかりました、やってみます」と嬉しそうに実行に移します。素直でとにかく一生懸命に取り組むひたむきな姿勢にこちらも何とかしてあげたいと胸に迫るものがありました。結果的に2年間頑張ったけれどこれといった成果をあげることができず退会されました。それから1年くらいたったころでしょうか、思いがけないことに晴れ晴れとした笑顔で再び訪ねて来られたのです。婚活に苦戦している娘を案じた父親がもう職業にはこだわらないと考えを変えたのでまた頑張りたいと・・・(なんと! 嬉しい再会でしょう)それならとペースを上げて何人かとお見合いを重ねた結果、仕事は実力派、誠実な人柄と優しさがにじみ出ている38歳の会社員との結婚が見事に決まったのです。真剣に愛を育んでいったプロセスにも純粋であるが故に目が離せない時期もありましたが、心の底から人を好きになった強さと、間違いなく愛されているという自信で難なく乗り越えてゆきました。「しっかりした家庭で大切に育てられた良さをたくさん感じられる人です。ゆったりした大らかさや、情緒が安定しているところ　一緒にいて癒されます。この人とならたとえ苦労があっても乗り越えられると思えました」彼は少し照れながら言います。きちんとM子さんの魅力を理解した上でプロポーズしてくれたことに感謝しまるで母親の様な気持ちで自然に嬉し涙が込み上げてきたものです。心配していたご両親の賛成も得られ、苦難の末やっとスタートラインに立つことができました。結婚相手に望む条件があるとすれば、信頼に値する人かどうかあと外見だのなんだのは付け足しに過ぎない。
18Jun
- 結婚　急いでます
  昔のイメージを覆すような華やかで痛快な成婚カップル誕生のお話しです。ある時期までの結婚相談所に比べると現在はかなり印象も変わりましたが、矢張りまだまだもてない男と女の吹き溜まりといった古いイメージは根深く残っているようです。たとえ見た目や条件が良かったとしても何かしら難があるといった疑いを持っている方は少なくありません。確かに完全否定はできませんが異性の目に触れない場所でひたすら誠実に真面目に生きていて、真剣に結婚したがっている魅力的な人達は確実にいるのです。S氏は長身でルックスのいい44歳の専門職、お相手のE子さんもまた34歳の超がつく美人歯科医師。まるでモデルのような美男美女のおふたりです。「結婚相談所のイメージからすると確かに抵抗がありました。でもマンションを一軒一軒訪ねてここ空き部屋ありますかと聞いて廻らないですよね不動産屋に行けば希望の物件を紹介してくれますから結婚相談所も共通するものがあって色んな事情で見つからない人には大いに利用価値はあると思います」スパッと割り切る入会時のS氏の考え。(なるほど、一理あります)お二人とも仕事がら一般の若い方との接触がまるでないと嘆き、世の中から隔離されているようなこの状態を変えない限り、結婚は絶望的との考えに到達したとか。E子さんは、とにかく早く結婚がしたい、どのようにしたらこういったシステムを効率よく活用できるかをかなり熱心に質問されていました。偏見はあったけれどやるからには努力は惜しまないと気合いを入れてのスタートたちまちお見合いが成立していきます。Ｓ氏と出会った直後に正式交際を希望された時には、正直結婚への焦りとそのルックスに惑わされているのではと失礼ながら案じたものでした。話を聞けば子供時代を同じ地域で過ごしていた事がわかった安心感と嬉しさ、その上ご兄弟の勤務先がS氏の以前の職場と同じだったことで一気に身近に感じ特別な人に思えたそう。この早い決断は見事だと思うと同時におよそ結婚相談所とは無縁のようなお二人が、柔軟で合理的な考えのもと理想通りの人と結ばれたことにブラボー！です。出会いがないなら結婚したい人がたくさん集まっている所に自ら出向いていかないと何も起こらない。
04Jun
- 土俵に上がれたのは。
  今では当たり前になった写真の何割増し、当時は撮り直しを勧めるのも気を使いました。入会後3カ月が経過してもお見合いが成立しない28歳の保育士A子さん。今後の改善策を相談しにみえた時は「私はもう一生結婚できないのでしょうか？」と涙を流されるほど思い詰めた様子でした。まず地味な印象がどうしても気になるので季節が変わったことを理由に服装のアドバイスと写真の撮り直しを勧めました。(お顔立ちが良いだけにこれはもったいない)紺地に小さな花柄のワンピースは、それだけで損をしています。「清楚とか可憐とか真面目そう」は親御様には好印象を与えても、婚活男子から見て色気を感じない写真はほとんど無意識にスルーされているのが実状です。(かと言って厚化粧、過度な肌の露出は論外)数日後には目にも鮮やかなレモンイエローのワンピース、ヘアメイクもプロの手にかかれば別人のようにあか抜けし、腕の良いカメラマンのお蔭で予想以上にインパクトのある写真を手に入れることができたのです。『よし！！！』お見合いが成立しなければ話が始まらないので、幅広く出会えるようここは希望条件もぎりぎりまで広げました。ご自身も気に入った写真が撮れたことで自信がついたのでしょう、以前よりずっと笑顔が増え成立するお見合いも良い結果が続くようになりました。土俵に上がることも厳しかったＡ子さん、その数ヶ月後にはなんとほぼ希望通りの誰もが太鼓判を押せる方とめでたく結婚が決まったのです成婚退会で来社されたお相手に結婚の決め手を伺うと「確かに写真と実物は少し違うかなと思いましたが、話をしてみるとお互いが自然体でいられ少しも疲れないことに気づきました。それに二人でいる時間が楽しくて最初のお見合いから僕は決めていました」と。写真に限らず、好印象を持たれるプロフィールの記載方法など、「バランス感覚」と「センス」が求められる難しいポイントだと再認識いたしました。
23May
- 自分のステイタスに相応しい女性とは
  都内の大学病院で医師として多忙な日々を送る38歳のＫ氏。コンスタントにお見合いはするものの自らお断りしてしまうケースが殆どで、本当に結婚する気があるのだろうかと訝しく思うこともありました。申し分のない女性に見えても何か譲れないご自身なりのポリシーがあったのでしょう。入会して3年ほど過ぎたある日、K氏から一本の丁重な電話が掛かります。「2年間の留学が決まったため、無理を承知の上でのお願いですが、一時帰国の時のお見合いは可能でしょうか？」との依頼でした。退会でなく前向きな結婚への強いお気持ちは大変嬉しく感じたものです。できる限りのことはしたいと一時帰国のタイミングに合わせ、“海外赴任中でも交際OK”の方を数名PDFで送った結果、3名の方とのお見合いが成立いたしました。プライベートな日にちが取れるのは2日間だけ、それもわずかな時間に限られています。効率よくお会いしていただく為のラウンジの確保やスピーディーな対応など諸々配慮が必要でした。3名のうちの一人29歳のN子さんから候補日が送られてきた際に『お相手がそのような状況でしたら可能な日にちをいくつか早めに送ります』との文言が添えられていたため、直観でK氏にはそれごと伝えました。こちらも助かりますしK氏の性格からも良い印象を持ったに違いありません。一歩リードです。因みに他の方は「お相手に任せます、合わせます」とどこまでも受け身。普通のサラリーマン家庭に育ったN子さん、容姿は言うまでもなく知性も兼ね備え、しっかりしているけれど謙虚、何よりもさりげない気働きのできるハイスペック男子好みの女性だったのです。2日間に渡り3名の女性と滞りなくお見合いを終えたK氏は、ここで誰よりも先に良いお返事をしてきたN子さんと初めて連絡先の交換をすることになり、約1年3カ月の遠距離交際の後、本帰国になったのを機に成婚退会となりました。交際状況の的確な報告から重要書類の返却を含む退会の手続きに至るまで全てＮ子さんが任されていることから難易度の高いＫ氏の厚い信頼を得ていることが窺えます。その控えめな賢さゆえに将来は間違いなく強力なパートナーになることを確信いたしました。海外生活での孤独が彼の背中を押したかも知れませんが、長年本当に根気よく求めていたK氏の理想の女性は正にN子さんだったようです。余談：当時相談所にはN子さんのような女性は比較的少なく、待ちの姿勢を美徳とする方が本当に多かったです。
14May
- ある医師の誤謬
  結婚相談所では多くの人との出会いがあり、今振り返れば一つ一つのエピソードが貴重な体験として心に刻まれています。そんな中には、結婚相手に対してかなりきついこだわりを持つ人物もいて今回はその事について書いてみようと思います。入会の意思を確認すると、今後担当する者が希望などを伺いながら初期カウンセリングを行うのが決まりです。話が終盤に差し掛かった時、30代半ばの医師は普通のことのようにこう言い放ちました。「相手への希望は絶対に"純潔"であること。経験のある方はどんな人でも不可です」と。そしてこう付け加えたのです。「時間の無駄になるので、お見合いはそういう方だけ紹介してほしい。これだけは譲れない条件なので満たしていれば外見は殆ど気にせずどなたでもお会いします。」と食い下がります。こういう事を平然と口にする医師の顔をマジマジと見つめながら当会ではそのような極めてプライベートなことは伺っておりません。ご希望に添えません事ご理解くださいと、そのようなことを冷静さを装って伝えたと記憶しています。ただ後日、思ってもみなかった事件？が起きてしまいました。なんとお見合いの席で直接お相手に「あなたは〇女ですか？」とダイレクトに聞いてしまい、女性が泣きながら訴えてきたのです。女性にとっても医師とのお見合いは思い入れがあり楽しみにしていたはず、ほぼ開口一番だったそうで相当ショックだったと思います。男性上司に報告し、今後のことも踏まえ担当も上司に代わりましたが、結果はどうなったかわかりません。その後お見合いをすることもなくいつの間にか忘れ去られていったようでした。その医師を数十年振りに見かけたのはコロナ騒動のときのテレビです。風貌は変わっておらず元気そうでしたが、コロナについての注意喚起もあの頃のことを思うと空虚に感じて余り心に届きませんでした。今では考えられない強烈なハラスメントです。
23Apr
- 帝国ホテルのランデブーラウンジ
  先日久しぶりに元勤務先のあった場所、銀座へ行ってきました。数年前に倒産した結婚相談所です。よくお見合いに利用した帝国ホテルのランデブーラウンジに立ち寄り、懐かしいあの頃を思い出して感慨深いひとときを過ごしました。あの日、東日本大震災のあった翌日3月12日は土曜日でお見合いもたくさん組んでおりました。キャンセルの対応に追われて、どのホテルも半ばパニック状態で"営業できるわけないでしょう"ぐらいの乱暴な対応をするホテルもありました。しかしながら、ただ1カ所【帝国ホテル】だけは別格でした。「お見合いの予約をした〇〇ですが」と藁をもすがる思いで問いかけると、いつもと変わらぬ落ち着いた男性の声が返ってきて、「私どもは通常通り営業しております。ぜひお越し下さい、お気をつけて」と・・・この大惨事の中、何事もなかったかのように礼儀正しく静かで丁寧な声を聞いた時、（ここは大丈夫、本物のホテル）だとホッとしたのと同時に感激して少し涙ぐんでしまったほどでした。年配の落ち着いたそれでいてシャキッとした話し方のあの紳士は今はもう引退してしまったでしょうね。あの震災から数年後、お見合いの到着確認のためと称して夜のラウンジに行ってみました。入り口に電話が一台置かれています。多分この方ではという男性に声をかけました。お客様の予約名と私の声で気づいたのでしょう、少し微笑みながら「はい、その方ならお二人ともお揃いですよ、あちらにお座りです」と。そう！確かにこの声です！想像していた通りの誇り高きプロフェッショナルの紳士でした。私も少し微笑んで軽く会釈をして立ち去りました。久しぶりの銀座。一杯のコーヒーがなくなるまでの心温まる懐かしい思い出。今日は素敵な時間を過ごしました。
01Apr
- 桜の森の満開の下
  桜の季節になると　何故か胸がざわついて落ち着かなくなります。数えきれないほどの花びらが音も無く静かに地面を埋めてゆく。美しいピンク色は儚げで官能的そこには正体不明の怖さもあります。周囲の喧騒も一歩桜の森の下に入ると不思議とそこはしんとした音のない世界。ほの白い夜の桜は一層妖しく人を不安定な気持ちにさせます。坂口安吾の【桜の森の満開の下】この季節になると読みたくなる1冊です。
28Mar
- ものすごい映画を観ました！
  韓国映画は【パラサイト】をきっかけに見たいものはほぼ制覇したのですが、息苦しい程の衝撃を受けた映画は今回が初めてです。【シークレット・サンシャイン】主演女優チョン・ドヨンのレベルの高い凄まじい演技力は、なまじのホラー映画なんかより格段に怖かったです。相手役のソン・ガンホが霞むほどの熱演でした。　愛息を殺されたシングルマザーが宗教によって絶望の苦しみから癒され、苦悶のすえ犯人を許そうと刑務所に会いに行く。でもその男はすでに同じ宗教によって神から許され穏やかな幸福感に浸っていたここから彼女の精神が壊れていく過程が一番怖い😱　　シークレット・サンシャイン(一筋の密かな陽光)そうか、なるほど・・このタイトル、ラストシーンでぐっときます。宗教の映画でなく心の映画です。体調の良い元気な時にぜひ。
04Mar
- 別れた理由って・・
  ドジャース大谷翔平の映像がテレビで流れない日は有りません。実力はさることながら大変な努力を積み重ねての現在でしょうが、いつの間にか恋愛結婚し、近々2世誕生のニュースを聞くと少なくともプライベートでは順風満帆、幸せ家族をイメージできます。　皮肉なことに同い年の羽生結弦氏はと言うと、謎の結婚発表から急転直下の不可思議な離婚報道、才能豊かなアスリートに明と暗を感じずにはいられません。国民栄誉賞の彼はマスコミの反応をどの様に感じていたでしょうか。まだ大谷氏の知名度も今ほどでなく二刀流にも賛否両論があった時代のある夜、めくるめく青春時代を過ごした親友との気まずい別れがありました。それはお酒の席とは言え良くないことでしたが、いつも感じていた羽生氏のことを軽い気持ちで否定したのです。演技は素晴らしいけれどインタビューや立ち居振る舞いに何ともいえない不快感を感じて最近はチャンネルを変えてしまうといった内容だったと思います。その途端彼女は烈火の如く怒り出し、そんな見方をするなんてどうかしてる信じられないと非難ごうごうです。真顔で怒る姿をみて少々引きましたが、それ程熱い思いとはつゆ知らず、悪かったと詫びてもなかなか許してはくれませんでした。当時は羽生氏や体操の内村氏がマスコミでもてはやされていたころです、後に今のような存在になることなど想像もしてなかったけれど、食ってかかるように聞かれたので「私は大谷が良いと思う」と応えたのを鮮明に覚えています。その日は、微妙な空気の中早々にお開きにし、残念ながらそれがきっかけで私達の長い友人関係は終わりました。事件の数ヶ月後に一度年賀状が届きましたが、結局それっきりで大人気ないとは思いますが今日に至っています。⭐️有名人を迂闊にけなすと地雷を踏んでしまう。ふと思い出したどうでもいい昔話です。お付き合い下さってありがとうございました。
08Jan
- 大吉のおみくじ
  今年の初詣で氏神様の熊野神社⛩️は道路まで参拝客がはみ出す大行列‼️😰いつ頃からこんなに並ぶようになったんだろう　昔はガラガラだったのに。駅前は再開発で大工事中、完成したらまた人が増えてこの街の様子も激変するでしょう。3時間並ぶ覚悟はないので、その足で九品仏へ。こちらも並んだけれど30分くらいで本堂まで行き着けました。元旦の夕方でも並ぶのね、外国の方も。お陰でおみくじは✨大吉🧧🎊🪅✨⚡️が引けました。矢張り嬉しい😂😃今年も良い年になりそうです🙆皆さまにとっても素敵な一年になりますように💫
28Apr
- 私を選んでくれた6つ年下の彼
  仕事を再開したことでいつの間にか前回の投稿からかなり月日が経過してしまいました。また少しずつでも書いていこうと思います。さて、今回は成婚カップルの中でも特に印象深く記憶に残る「逆年の差婚」のお話です。都内のクリニックに勤務する36歳の医師A子さんは、父親が弁護士という家庭に育ちました。側から見れば順風満帆な人生、日の当たる道ばかりを歩んできたようなＡ子さんですが、実際お会いした時はこれといった出会いのない日常、一生独身なのではという恐怖や様々な葛藤から自信喪失の状態でした。ハイスペック女子"あるある"の強気な非現実的条件もなく、自分の立ち位置も理解している頭の良さに加え年齢よりずっと若く見える可愛らしいお顔立ちとなんと言っても謙虚で優しいお人柄はこの職業においては稀有な存在のように思えました。結婚や出産はこの分だと絶望的と思い詰めていたA子さん、思い切って婚活を始めたもののお見合いのチャンスすら巡って来ず土俵にも立てないまま期間が終わろうとしていました。一方都内の大学病院に勤務する30才の医師T氏は、外見こそ地味ですが腰が低く誠実で使命感に燃えた清々しい好青年です。目まぐるしいほどのハードな仕事の合間を縫うように当直明けのお見合いなども律儀にこなしてきましたが、なかなか彼のイメージする女性に会えないでいました。ある日のお見合いのあとT氏から、「同業者なら年が少し上の方でも構いません、どなたか推薦してもらえませんか」と。すぐさまA子さんに白羽の矢がたちましたが矢張り6歳の差は躊躇します....少し緊張しながら聞いてみたところ「〇〇さん(私)の推薦だったら是非お会いしたい、セッティングお願いします！」と、迷うことなく即答です片やA子さんは「かなり歳下ですが、本当に私で大丈夫でしょうか」とお見合い成立の嬉しさより不安の気持ちの方が大きかったようです。真剣な面持ちでアドバイスを求められた際には、「ご自身が楽しいと思える時間はきっとお相手も同じはず....自信を持って笑顔でね。年齢など意識しないでありのままのA子さんで大丈夫です。確かそのような事を言った記憶があります。2人とも私が担当していて信頼関係が出来ていたからこそ実現したお見合いですが、会ってみなければわかりません。無事にお見合いの日を迎え、そろそろ終わる頃だと気にしていると、いつもはメールで結果を知らせてくるＴ氏から電話がはいります。それは今までに聞いたことのないほどの明るく弾んだ嬉しそうな声でした。「素敵な方をご紹介してくださりありがとうございました！ぼくはまたぜひお会いしたいです。」そして自らA子さんの良かった点を交えて感想を聞かせてくれたのです。私はその時A子さんが年の差など気にせずYESのお返事なら、この二人は間違いなく結婚する事になるという予感がありました。果たしてA子さんは、本当に嬉しそうに「世の中でたった一人私のことを気に入ってくださった方です、もちろん私も同じ気持ちです、よろしくお願いします」手をたたき飛び上がって喜んだのも束の間、それは悲鳴に変わりました。限界を超えた嬉しさで動揺していたのでしょう、あろうことかメールの件名【A子さん　連絡先交換です！】と打ったつもりがこうかんの「う」が抜けたまま変換して【A子さん　連絡先股間です】と送信してしまったのです。よりにもよって何という失礼な間違い！すぐさまお詫びをし、事なきを得ましたがこれは後々まで'おまけの笑い話'としてついて回りました。その後の交際は順調に進展してゆき、危惧していた双方のご両親共々、本人が選んだかけがえのない人ならと大賛成してくれたそうです。成婚退会時に結婚の決め手を伺うお二人のアンケートには次のような言葉が記してありました。「同業者ということで言わなくても理解してもらえる安心感。」「お互いに高め合え尊敬に値する人だと思える」「気持ちが休まり一緒にいるだけで癒されます。」「年齢など意識したことは一度もありませんでした」この成婚エピソードについては稀なケースとして全体会議で発表し、全社員で共有いたしました。
12Jun
- 時には気分を変えて。
  今回は結婚のテーマから少し離れたことを書いてみたいと思います。特に大きな理由はないけれど好きな場所ってありませんか。気持ちがすっと穏やかになって、いつもと違う空気を感じ何だか体調も良くなるような癒される場所。地下鉄日比谷線の広尾駅から商店街をひと回りして有栖川公園を散策し、園内にある都立中央図書館で休憩して帰るコースが好きです。　私は天現寺にある慶應幼稚舎の正門前にある広尾病院で産まれました。ドイツ大使館の隣に今も実在する南部坂幼稚園に通い、有栖川公園で泥んこになって遊んだノスタルジーのせいかも知れません。公園の前には麻布ナショナルスーパーマーケットがあり、当時の子供があまり目にしないような珍しい外国の食材やお菓子が買えました。南部坂の登り口に木の標識が立っていますが、あの忠臣蔵の南部坂ではないと書いてあります。（ずっと四十七士が雪の中この坂を登ったと思っていました）フランス大使館の前を通って少し行くと私が通った本村小学校があります。今では外観も設備も格段に上がり立派な校舎になっていました。当時国家公務員の官舎が複数近くにあり、親が東京大学出身者も多かったせいかその子供達はみな優秀だった記憶があります。「そうだったのか」と納得したのはずっと後になってのことですが。小学校の近くには、お屋敷跡をそのまま生かした木造建築の麻布プリンスホテルがありました。登校時にその塀の脇を通ると、いつも美味しそうなスープとパンケーキの香りが漂っていてそれだけで豊かで幸せな気分に浸れたものです。今でもどんな匂いだったか鮮明に思いだせます。その麻布プリンスホテルで、十数年後に自分が結婚式を挙げるなんて思ってもいませんでしたが。緑に囲まれた芝生の庭では泊り客が木陰で本を読むくらいで、傍らの可愛いプールで泳ぐ人はあまりみかけませんでした。都会の真ん中とは思えない不思議な静寂があり、知る人ぞ知る隠れ家的ホテルです。数十年前に取り壊され現在はフィンランド大使館になっていました。思い出をたどりながら辺りを散歩していると、タイムスリップしたように楽しく時間のたつのを忘れてしまいます。同級生のお屋敷があったところなどは、みなマンションに変っていてどの建物も警備が厳重、懐かしくて立ち止まろうものならすっと出てきて睨まれてしまいます。フランス大使館の敷地内には、お父さんがコック長をしている仲良しが住んでいて、よく森の中を探検ごっこして暗くなるまで遊んだものです。近所の古い酒屋さんの店先の狭いスペースで大使館員が大声で楽しそうに立ち飲みし、口々に「オルヴォワー」と言って満足げに帰ってゆく様はおよそ不釣り合いな光景で今では考えられないのどかな日常でした。広尾商店街も好きで今でも良く散歩します。私がまだこの辺に住んでいたころは、普通の庶民的な商店街でしたがいつの間にかフレンチやらイタリアンのお洒落なレストランに変り、一時は隣の六本木と競うようにお店が増えてゆきました。（現在はまた様変わりしています）何といっても同級生の家が地主だった場所に高級マンションが建ったのをきっかけに、明治屋ができたあたりからお洒落な人が目立つようになってきました。道行く人々も昔から暮らしている庶民派と億ションに住むセレブ派それに大使館関係の外国の方が混じり合って（中華人民共和国、イスラム圏の大使館もありますがヨーロッパ系が多い！）それが得も言われぬ魅力的な雰囲気を醸し出しているのです。とりとめのない話に最後までお付き合いくださってありがとうございました。
21May
- 「断られる」という試練
  大手のキャラクター商品販売会社で企画のお仕事をする31歳のＳ子さんは、まだあどけなさの残る可愛らしい雰囲気の方でした。勉強もスポーツも得意だったせいか、ずっとクラスで一番、大学のサークルでも一番、会社の部署でも一番とモテモテ人生をまっしぐらに歩んできたS子さん。いつも彼女の周囲にはボーイフレンドがいたため、結婚はいつか自然にできるものと漠然と考えていても不思議ではありません。そろそろ真剣に結婚を考える時期になってもいざとなるとこれといった出会いがないことに気付き、家族に勧められて実は半信半疑で入会を決めたとか。「結婚相談所は費用もかかるため、何か特別な事情のある方が利用するところで自分とは無縁の場所だと思っていました」と・・・。活動がスタートしてほどなく、まず自分のレベルと同じ程度の女性は実はゴロゴロいることを実感し、また「断られる」という経験がなかったためそれに慣れなければやっていけないことに、かなりショックを受けたようでした。もちろんお相手はスペックが高く、申し込みが殺到するような方ばかりですが、それにしても申し込めども断られ続け、「真剣に結婚のお相手を見つける男性の目の厳しさを否が応でも思い知らされました」と。もう更新はせず、一年で退会しようと決めた直後に成立したお相手が32歳の医師M氏でした。入会したばかりのほやほやで、彼にとってはこれが全く初めてのお見合いです。いざ結婚となると納得のいくお相手を自力で見つけることに限界を感じたため、居ながらにして紹介してもらえる合理的なシステムに魅かれた　と真面目でルックスも良いM氏は言います。一年間得るものがなかったと失意で臨んだ最後のお見合い、片や入会したばかりの期待感いっぱいで臨んだ初めてのお見合い。向き合った二人は、まさしくお互いに求めていた理想の人だったようです。「もうこれ以上の人とは今後いくら待っても出会えないと思う」というM氏は一目ぼれ状態でお見合い直後にさっさと交際休会に入りました。活動を通して色々学んだS子さんからは、マメに的確な交際状況の報告が届き優しい癒し系だけでなく、芯もしっかりしているといった印象に変わりました。もう少しですれ違っていたお二人、目隠しをはずしたら最高のお相手が目の前で待っていたという感じでしょうか。
13May
- 下衆な男
  入会当初から何事にも積極的でマイペースなS氏は34歳の医師。ちょっとしたルールを守らない腕白な感じのする人でした。お見合いをしたその場で連絡先の交換をしてしまったり、来社した帰りのエレベーター内で女性に名刺を渡したあたりから、腕白な人から要注意の人に変わりました。ある時、2回ほどデートしたお相手から交際終了の意思表示をされたにもかかわらず、諦めきれないのか何度も電話をしてきては「もう一度直接話したい、理由を知りたい」の一点張り。取り次げないルールを納得されるまでにかなりの時間を要しました。が、その後パーティーで出会った可愛い28歳のM子さんと交際に入ることになり、今度こそはうまくいくようにと陰ながら応援していました。ところが進展状況を伺う定期の連絡にあらゆる方法を試みても一切反応がありません。何かしらのわだかまりがあることは承知していましたが、矢張り嫌な予感は的中してしまったのか・・。6カ月、1年、2年がまたたくまに過ぎ、打つ手は全て使い果たして記憶も薄れかけてきたある日、突然視界を明るく照らす女性が目の前に現れました。話を聴いてみると何とその女性は4年前に消えたあのS氏の同僚だったのです婚活で悩んでいた私に、「妻と出会えて今とても幸せだからお勧めだよ」とここを教えられたとか。念のため結婚した時期やその他諸々の情報をさりげなく確認した結果、S氏に間違いないことが判明したのです。直ちに連絡を取ってみたものの案の定、何度試みても以前と同じように反応がないため、最終的には顧問弁護士からの強い働きかけで渋々成婚料なるものが振り込まれ、後味の悪い成婚退会となりました。結婚相談所では少数派に入る肉食系男子のS氏、その積極的な活動によって”黙っていられない程の幸せ”を手に入れ、本来ならたくさんの拍手と花束で祝福されるところです。何か思い通りにならないことが過去にあったとしても正当な料金を支払わずに無視し続ける夫の下衆な人間性を、妻のM子さんはどのような想いでみていたのでしょうか。
11May
- 自然に受け取ったプロポーズ。
  都内の大学病院に勤務する36歳のW氏は、一年前に入会しました。一方28歳のN子さんは、医師の家庭に育ったため、将来の夫は「医師」と漠然と考えているだけで出会いなどまるでなく、母親の勧めですぐに入会を決めたといいます。そしてN子さんのところに初めて届いたのがW氏のプロフィールでした。「メッセージとお写真をみて、何かほのぼのとした印象を受けました。まずはお会いしてみてから」と申し込むとすぐに返事が届き、お見合いが決まりました。W氏の初対面の印象は「可愛い人だな」、N子さんは「医師のオーラがあって緊張しました」。それでも二時間近く話したあと、帰り際にW氏が突然コースターの裏に休めそうな日をいくつか書いてN子さんに渡しました。「”またお会いしましょう”が社交辞令と取られたくなかったので・・」と。「誠実な人柄が伝わり、緊張が温かい気持ちに変わったのを覚えています」とN子さん。とはいうものの重篤な患者さんを抱える多忙な医師のＷ氏です、二人の交際はしばらく電話とメールでのやり取りが続き、時には半分眠りながら喋っていたとか。「疲れていても声は聞きたかったんです。僕の仕事を理解してしっかり支えてくれました。嬉しかったですね。」次のデートはＮ子さんの自宅に招かれ、お付き合いのご挨拶です。心のこもった手料理と明るい家族に癒されたW氏の気持ちは既に固まっていました。順調な交際が続いていたある日のデートで、二人は夜景の美しいレストランへ。ロマンティックな雰囲気に浸るＮ子さんにさりげなくトルコ石のペンダントを渡しました。「去年、仕事でアメリカへ行ったとき、結婚したい人ができたら渡そうと思って買っておいたんだ」と。N子さんはごく自然に受け取りました。「本当に素直に受け取ってしまったんですよ。考えてみたらプロポーズだったんですね。後でトルコ石の意味を知って感激しました。」　顔を見合わせたお二人から輝く笑顔がこぼれます。新居と結婚式の準備に慌ただしくも心躍る日々、お揃いで来社された時のお話しです。

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