下衆な男
入会当初から何事にも積極的でマイペースなS氏は34歳の医師。ちょっとしたルールを守らない腕白な感じのする人でした。お見合いをしたその場で連絡先の交換をしてしまったり、来社した帰りのエレベーター内で女性に名刺を渡したあたりから、腕白な人から要注意の人に変わりました。ある時、2回ほどデートしたお相手から交際終了の意思表示をされたにもかかわらず、諦めきれないのか何度も電話をしてきては「もう一度直接話したい、理由を知りたい」の一点張り。取り次げないルールを納得されるまでにかなりの時間を要しました。が、その後パーティーで出会った可愛い28歳のM子さんと交際に入ることになり、今度こそはうまくいくようにと陰ながら応援していました。ところが進展状況を伺う定期の連絡にあらゆる方法を試みても一切反応がありません。何かしらのわだかまりがあることは承知していましたが、矢張り嫌な予感は的中してしまったのか・・。6カ月、1年、2年がまたたくまに過ぎ、打つ手は全て使い果たして記憶も薄れかけてきたある日、突然視界を明るく照らす女性が目の前に現れました。話を聴いてみると何とその女性は4年前に消えたあのS氏の同僚だったのです婚活で悩んでいた私に、「妻と出会えて今とても幸せだからお勧めだよ」とここを教えられたとか。念のため結婚した時期やその他諸々の情報をさりげなく確認した結果、S氏に間違いないことが判明したのです。直ちに連絡を取ってみたものの案の定、何度試みても以前と同じように反応がないため、最終的には顧問弁護士からの強い働きかけで渋々成婚料なるものが振り込まれ、後味の悪い成婚退会となりました。結婚相談所では少数派に入る肉食系男子のS氏、その積極的な活動によって”黙っていられない程の幸せ”を手に入れ、本来ならたくさんの拍手と花束で祝福されるところです。何か思い通りにならないことが過去にあったとしても正当な料金を支払わずに無視し続ける夫の下衆な人間性を、妻のM子さんはどのような想いでみていたのでしょうか。