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風が吹くとき

1982年、レイモンド  ブリッグズが発表した漫画。
レイモンド  ブリッグズは、スノーマンの絵本などでよく知られている。
ポップアップする絵本と、ぬいぐるみは、私のお気に入りで大切なものだ。

アニメーション映画として1986年に公開された。
日本では、1987年に公開されている
大島渚監修で、森繁久弥と加藤治子が声優を担当している。
主題歌は、デビッド  ボウイ。

大学生の時にこの映画の存在を知り、関心はあったのだけれど、観ることは無かった。
可愛らしい温もりのある絵とは裏腹に、内容の持つ恐ろしさを前に避けてしまったのかもしれない。
当時、少しだけ反原発の運動をしている社会人のグループと、活動を共にした時期があり、その時どこかで映画のポスターを目にしたのだと思う。
もっと、真剣に活動するべきだったかもしれない。
チェルノブイリの原発事故が取り沙汰されていた当時、私には日本でも同じ事が起きるかもしれないという想像力が、決定的に欠如していた。

風が吹くときの登場人物は、たったの2人。
イギリスの田舎に住む、老夫婦ジムとヒルダのお話。
物語は彼らの住む家の中で展開する。
また、殆どが彼らの会話によって構成されている。
戦争が起き、世界情勢が刻々と悪化していく中で事態は急変する。

ラジオで核兵器が3分後に飛来する事を知った2人は、政府から配布されていた手引き書を頼りに必死に身を守ろうとする。
この、手引き書は実際にあった「防護と生存」をもとにしているらしい。
今の常識的な知識と比べると、かなりお粗末としかいえない。
直撃は免れたものの、被爆した2人は放射線の影響で次第に身体を蝕まれていく。

最近、映画と漫画の両方を観たのだが、非常に辛く、重いお話だった。
夫婦2人の会話は、助け合いお互いに思いやる微笑ましいものなのだが、次第に弱っていく様は、見ていて耐え難い。

とはいえ、逆境の時に結果はともかくとして信頼したい人と共にいるのは幸せだと思った。
そして、正しい知識は与えられたもの以上に獲得されるべきものかもしれない。

全体として起きている事、個人的な場で起きている事。この2つを目の当たりにして、いろいろ考えさせられた。