体操協会、レスリング協会、ボクシング協会、日大アメフト部、バスケ売春問題などなど、ここ最近スポーツ組織のガバナンス問題が浮き彫りになって来た。


僕は、どちらかと言うとそれらに関わる方々との関係もあるので、少し甘い味方をしていると思われるかもしれないが、これらについての意見を求められたのでここでも書くことにする。



"問題が世の中に出て良かった"


まず感想としては、これらが次から次へと表沙汰になって良かったと言う事。


前々から、この様な話はよく耳にする事であった。と言うより、こんなのは氷山の一角であり、まだまだ現在進行形の問題も山積みである。


東京でオリンピックが行われることを契機に、税金を大きく投与してもらっているスポーツ界は、このように注目され、また非難の的になる事と思う。


現場レベルでは、かなり危機感を持つ人が増えてきた印象である。


明日は我が身という意識も芽生えてきて、皆さんやっと重たい腰をあげるようになった。


"国民全員が監視している"という意識


SNSなどでの情報発信が当たり前になり、どんな地方の小さな大会も、常に監視の的になりうるという事を意識しなければならない。


まぁパワハラやセクハラなどは、監視されなくても絶対にしてはいけない問題だが、これらが抑止力になってきたのは言うまでもないだろう。


"指導法の見直し"


抜本的に、これら各競技団体の指導法の見直しが必要だと思う。


よく海外なんかの指導法と比較されるが、日本では水とスポーツはタダと言う感覚が依然多く、俺はボランティアで教えてやってるんだ!とか、教員は忙しいのに部活動までやってやってるなどの指導者側の意識がある。


プロスポーツ界なんかであれば、この様な事はスポンサーやファンが許さないのだが、アマチュアスポーツだと旧体制の指導者が過去の栄光にすがりながら指導をしていたり、あまりプロほど人目に触れる機会が少ないため、この様な事が表沙汰にならずに残っていた。


また多くの種目で、指導者ライセンス制度などが整備されておらず、指導者にこの様な教育が行き届いていない。



もちろん、技術向上に関しては、旧体制の指導でも良いのかもしれないが、ケガなどに対するリスク管理や対処法、セクハラやパワハラなどに関するモラルの問題など多くの教育が行き届いていない。


テレビを見ていても、未だに多少の体罰は必要だと言う意見が聞こえてくるほどである。


体操の指導でも、命に関わる事故が起きる可能性があるから殴ったと言う様な理由を述べていたが、これがまかり通るなら、自動車教習所では毎日暴力的指導が行われる事になる。


これら今年注目された多くの問題は、指導者や協会、学校などの組織の都合に選手が巻き込まれている印象を受ける。


選手が勝ちたいのか?組織の利益の為に勝たせたいのか?こう言った事を問いたくなる様な問題ばかりだ。


"ではどうしたら良いのか?"


スポーツ庁などが、第三者委員会を立ち上げてと言う様な事を言ったり指導したりしているが、それでは到底追いつかないことの様に思う。


スポーツを学校部活動として今後も教育として扱うのか?


それともサービスとして行うのか?


こう言った所からも考えていかなければならない。私はもう学校教育の一環であったりボランティアの指導者をなくしていかない限り難しいと思う。


専門的な教育を受けてライセンスを取ったものが、有償で責任を持って指導できる様にし、その教育の中で徹底的にこの様な問題、またお金に関する問題を教えなければならないと思う。


未だに部活動を教えたいから教員になりたい!と言う学生がいるが、教育の仕事は別にあり、部活動だけに力を入れる様であってはならない。


そして各競技団体加盟者も、積極的に組織運営に関わっていかなければならない。


加盟料払って終わり、ではなく会員として協会のお金の流れ、組織の動きを監視し、意見していく事が必要だろう。


そして開かれた運営が出来ていないと感じれば、今回の様にドンドンその事を発信していかなければならないと思う。


結局は、ガバナンスは皆さん方一人一人の問題でもあると言う事を肝に命じなければならない。


ワイドショーを見て、だれか1人を攻撃するのは簡単だ。しかしこの様な組織にしたのはみんなの責任である。


テレビで報道された時だけ議論するのではなく、常に監視の眼差しを向ける事、またそこに自分も参加していく事が大切です。



だれかが、今年はスポーツガバナンス元年であると言う事を言った。


もしそうであるならば、これを機に貴方も、スポーツをするだけではなく、組織に参加すると言う気持ちで飛び込んでみてはどうだろうか?