「頭痛が痛い」は冗談で聞くことがありますが
こんにちは。人財育成プリュクレール由美子先生あらため、エールンです。
エールを送る人という意味でとらえていただければ嬉しいです!
「頭痛が痛い」という表現、冗談めかして使われることがありますよね。
この言い方は、「重言(じゅうげん)」と呼ばれる、意味が重複している日本語表現のひとつです。
「頭痛が痛い」とは言わなくても、知らず知らずのうちに重言を使っていることはないでしょうか。
たとえば、
・ 「事前に予約する」
・ 「後で後悔する」
・ 「違和感を感じる」
一見自然に聞こえますが、実は同じ意味が含まれている言葉を、もう一度繰り返してしまっている表現です。
「予約」には「前もって」の意味があり、
「後悔」には「後から悔やむ」の意味があり、
「違和感」には「何かおかしいと感じること」が含まれています。
電子書籍の執筆を通して気づいたこと
この「重言」に敏感になったのは、今年5月、電子書籍を執筆したことがきっかけです。
何度も読み返し、校正を重ねる中で気づいたのは、
読みやすく、伝わりやすい文章にするためには、重言を避けることがとても大切だと感じます。
少し言い換えると、驚くほど文章がスッキリし、伝えたいことがまっすぐに届くようになります。
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重言を避けると言葉がスッキリする
以下はよくある表現と、それを避け、スッキリさせた表現です
・「そんなことしたら、後で後悔するよ」
→「そんなことしたら、後悔するよ」
・「この文章、なにか違和感を感じる」
→「この文章、なにか違和感がある」または「違和感を覚える」
・「前もって予約しておこう」
→「予約しておこう」または「予約を入れておこう」
このように言い換えるだけで、言葉が冗長にならず、相手に伝わりやすくなりますね。
他にもよくある重言の例
日常でよく使ってしまいがちな重言はたくさんあります。
・「今現在」 ➡ 「現在」
・ 「最初の出だし」➡ 「出だし」
・「一番最初」 ➡ 「最初」
・ 「完全に一致」 ➡ 「一致」
・ 「過半数を超える」 ➡ 「過半数となる」または「半数を超える」
どれも意味が二重になっているため、無意識に使うと文章がくどく感じられます。
重言は間違いと言い切れない
とはいえ、こうした重言はすべて間違いかというと、そうでもありません。
気持ちの強調や臨場感を伝えるために、あえて使われることもあります。
先ほどの例の「完全に一致」も、「ついに一致した」という感情を伝えたいときに、
「完全に」を加えることで強調や達成感がより伝わることがあります。
「本当に違和感を感じたんです」や「かなり前もって準備してました」なども気持ちが伝わりやすいですね。
他にも、「びっくり仰天した」「むやみやたらに忙しい」などは、語感やリズムの良さから定着している表現です。
知らずに使うのと、知ったうえで使う
重言は、「知らずに使えばミス」、「知って使えば技法」です。
会話やSNS、目を引くキャッチコピーのように、親しみやすさや感情を伝える場面では、重言が効果的に働くこともあります。
一方で、レポートやビジネス文書、出版物などの「書き言葉」では、なるべく重言を避けて、簡潔で明確な表現を選ぶことが望まれます。「わかりやすさ」「知的さ」「誠実さ」といった印象にもつながるからです。
特に、次のような場面では避けた方がよいとされています。
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論文や報告書などの公的な書き言葉
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広報資料やキャッチコピーなどの洗練された表現が求められる文書
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ビジネス文書や丁寧なメールのやりとり
言葉は、ほんの少し意識するだけで、伝わり方が変わりますね。
あなたがよく使ってしまう重言はありますか?
よければ教えてくださいね。
プリュクレールについて
プリュクレール代表 石井由美子
元国際線CA、人財育成研修講師・ヒューマンスキルコンサルタント
「人の成長が組織の成長をつくる」
「働く時間を幸せなものに」
プリュクレールは「輝きをプラスする」という思いを込めて、企業や組織の持続可能性をサポートします。
カスタマイズされた少人数の研修を得意とし、とくに中小企業を応援します。
「印象改善による社員のモチベーションアップ、顧客満足度アップ」の研修をご提供し、
そのことを通じて企業文化の醸成のお手伝いをします。
プリュクレールの研修はこんな方々におすすめです:
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社員の成長と定着を促進したい方
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顧客満足度を向上させたい企業
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中小企業で独自性を生かした人財育成を考えている方
人財が定着し成長するには、自己肯定感や自己成長を感じられる職場であることが大切です。
職場で過ごす人生の貴重な時間が幸せであり、「ここが自分の居場所だ」と感じられる環境づくりを、ぜひ一緒に考えましょう。
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