こんにちは。人財育成研修プリュクレールの由美子先生です。

 

昨日、防災と男女共同参画をテーマにしたセミナーを開催しました。主催は兵庫県男女共同参画アドバイザー有志Team Funの6名で、西宮市男女共同参画市民講座として選出された企画です。

 

今回の講師は、防災士でありNPO法人あなたらしくサポート理事の片山実紀さん。 

テーマは「防災に男女共同参画の視点を!」そして、被災時のトイレについて。

 

 

 

  命を守るトイレ

 

片山さんは「災害時に最も大切なのはトイレの準備」と強調されました。

 

食料の確保も重要ですが、「トイレを3時間我慢して」と言われたら、確かに空腹よりもつらい・・・あせるですね!

 

特に大地震の際には「トイレの水を流さない」ことが推奨されます。

 

理由は、排水管や施設が破損している場合、汚水が逆流する危険性があるためですガーン

 

また、トイレが使えないことで、高齢者が飲食を控え、体調を崩し、関連死につながるケースもあると伺いました。

 

トイレは命を守り、尊厳を守るものだと改めて実感しました。

 

 

セミナーでは、トイレにビニール袋を被せ、凝固剤を使って排泄物処理をするデモンストレーションも行われました。

 

実際の避難所では、まず、すべてのトイレにビニール袋を設置して回ることが重要です。

しかし、事前にこのような知識や準備がないと、なかなか実践できないですよね。

知識と日頃からの初動の役割分担が必要だと思います。

 

 

  日頃から備えること

 

片山さんのお話は軽妙で情熱的。豊富なデータに基づいた内容は説得力があり、参加者全員が引き込まれていました。

 

ハザードマップの確認

 自分の住んでいる地域がどの程度危険かを把握する。

 

家の耐震診断

  • 1981年以前の建物は危険性が高い。

  • 2000年までは要注意。

  • 自治体による耐震診断や補助制度を活用。

   ⇒神戸市:住宅の耐震化の補助制度

  各地域にもあるはずだと思いますので、チェック!

 

防災士の資格取得

  • 資格取得に助成金を出す自治体も多い。

  ⇒助成制度自治体一覧

 

 

 

海外の避難所について

 

台湾の迅速な避難所対応の事例も紹介されました。

今年の台湾での震災では、災害発生からわずか3時間で避難所が整う体制が整備されました。

  

  記事をみつけました⇒台湾の避難所開設の迅速さ

 

日本でも民間団体や企業、地域との連携がより重要だと感じました。

 

翻って、阪神淡路大震災と、今年の能登半島地震で撮影された当初の避難所の写真を比較すると、30年経っても、状況がほとんど変わっていないことに気づかされ、驚愕しました。

 

災害が起きると被災地では「まさかと思っていた」という声をよく耳にします。

この意識が備えの遅れに繋がっているのかもしれません。

 

 

 

  スフィア基準 公平とはなにか

 

 

「スフィア基準」は、災害時の人道支援における国際的な指針です。

 

この基準では「支援は平等ではなく公平であるべき」とされています。

片山さんは次のような例で説明されました。

 

  • 老眼鏡100個の場合

    • 必要な人だけが使えばよい・・・公平

  • 生理用ナプキン100個の場合

    • 必要な人に必要な量を配る・・・公平

  • おにぎり100人分に対し30個の場合

    • 全員で均等に分け合う・・・平等

    • 弱者(子どもや病人など)を優先する・・・公平

公平とは、必要な人に必要な支援をすること。


老眼鏡や生理ナプキンでは理解できる「公平」が、おにぎりでは理解されづらくなる・・・

この視点は、避難所における多様性や公平性の確保において非常に重要です。


例えば、この考え方だと、避難所のトイレの数は、女性と男性では3 : 1となります。

また性被害を防ぐために、女性トイレの場所は明るく人目のあるところがふさわしいでしょう。


また、LGBTQの方のためのトイレも必要となります。


 

400ページにわたるハンドブックが無料で見られます。

DEI(多様性・公平性・包括性)は災害対応においても大切な視点であると感じました。

     ⇒スフィア基準

 

 

 

  グループワークで生まれた視点

 

 

セミナーでは防災カードを使ったグループワークも行われ、多様な意見が飛び交いました。

避難所では男性がリーダーとなることが多いですが、トイレ問題や性犯罪防止など女性ならではの視点が欠かせません。

 

 

 

 

 

参加者からは

「男女半々でリーダーを配置する」

「炊き出しは女性の仕事、リーダーや力仕事は男性など、固定的な性的役割分担への疑問」などの意見やアイデアが出され、活発な議論が出ました。

 

やはり日頃から多様な視点でルールを考えることが、防災力の向上につながると感じました。

 

 

 

  私自身の気づき

 

 

自分にできることを考える

セミナー終了後、私自身も防災準備の不足を痛感しました。

やっぱり、自分には起こらない?凝視と考えているところがあります。

 

早速、トイレ凝固剤100個(15年保証)を購入。

まずは自分自身の備えから。小さな一歩を踏み出しましたニコニコ

 

また、防災士の資格取得にも興味を持ちました。

さらに、地域での連携に向けた行動についても女性や多様な人の視点で意見が言えるよう、何か始めたいと思うようになりました。

 

 

 

  最後に

 

今回のセミナー開催にご協力いただいた西宮市男女共同参画センターウエーブと、素晴らしいお話をしてくださった片山さんに心より感謝申し上げます。

また、この記事を読んでくださった皆さんも、この機会に防災備蓄の見直しや家族との話し合いを始めてみませんか?

 

「備えあれば憂いなし」 にっこり

 

今日がそのスイッチを入れる日になることを願っています。

 

 

 

 

       プリュクレールについて

 

 

石井由美子 プリュクレール代表

航空会社のCAを経て、

人財育成研修講師・コンサルタントとして11年目。

 

「人の成長が組織の成長をつくる」

「働く時間を幸せなものに」

 

プリュクレールは「輝きをプラスする」という思いを込めて、企業や組織の持続可能性をサポートします。

カスタマイズされた少人数の研修を得意とし、とくに中小企業を応援します。

 

「印象改善による社員のモチベーションアップ、顧客満足度アップ」の研修をご提供します。

 

プリュクレールの研修はこんな方々におすすめです

 ●若手社員の成長と定着を促進したい方

 ●顧客満足度を向上させたい企業

 ●中小企業で独自性を生かした人財育成を考えている方

 ●DEIを進めたい ジェンダーやコミュニケーションを

  基軸に企業文化を創っていきたい企業

 

 

職場で過ごす人生の貴重な時間が幸せであり、

「ここが自分の居場所だ」と感じられる環境づくりを、

ぜひ一緒に考えましょう。

 

どうぞお気軽にご相談ください。

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