小さな小さな幸せ

父の不安

母の心配

子供の迷い

小さな小さな幸せ

父の唸り

母の怒り

子供の叫び

小さな小さな幸せ

父の背中

母の微笑み

子供のあせ

小さな小さな幸せ

父のへの字

母のため息

子供の息づかい

小さな小さな幸せ

父が思う

母が思う

子供が思う

小さな小さな幸せ

あなたの怒りや悲しみ

わたしの憎しみや哀れみ

触れれば触れるほど

思えば思うほど

膨らんでいく、大きく、大きく


飲み込むなんてできない

噛み砕くなんて無理だ

踏み潰すなんて痛すぎる

蹴り倒すなんて面倒だ


いじればいじるほど

強くなりやがる

ずるがしくこくなりやがる


置いとけ、そこに置いておけ

なるたけ遠くに置いておけ

古新聞でもかけておけ


逃げ出したって文句はないな

投げ出したって、ざまあ見ろ


見るな、聴くな、触れるな泣くな




雨が、風が、太陽が

いつかは消してくれるだろ
語る人がいなくなったあと

いつかは消えいくのだろ




人生のなかでたまたま輝いていると思える季節がある
人生のなかでたまたま輝いているように見える季節がある

ほんの小さな輝きの、ほんの小さな幸せを

大きな、大きな輝きと、大きな、大きな幸せに

見えてしまったのは何故だろう


輝き続けのは難しいことを
ずっと輝いているのは大変なことを

輝きを失う季節があることを

楽しめないのは何故だろう


また、輝いている季節を探してあるきだす

また、小さな輝きを見つけたの

こんどは、大きな輝きを見つけたの



自由に歩きだすには、失われた輝きを飲みこまないと進めないことを何故わからないだろう


さあ、噛み砕こう

さあ、飲みこもう

新しい君の虚ろいゆく輝きのために