天気のいい日は

お日様と一緒に起きて

山へ行き、海へ行き

静かに、ゆっくりと

与えられた恵みを頂き

雨の日は

滴に打たれながら

森の樹と語らい、潮騒に謳う

与えられた命に感謝しながら


森が叫びだしたら、樹の根に座り込み

海が怒りだしたら砂浜にひれ伏し

大地が踊りだしたら空を見上げよう


あらがうことなく

欲することなく

静かに、ゆっくりと

力いっぱい


いつか、いつか

そんな 暮らしをしてみたい
苦しみをなげかない

悲しみに涙しない

怒りに我を忘れない

寂しさにため息をつかない


苦しみを楽しみ

悲しみに踊りだす

怒りに詠い

寂しさに走り出す


そしていつか

そう、いつか


苦しみにうなずき

悲しみに微笑み

怒りに寄り添い

寂しさに語りかけてみよう
笑ってしまうほどの痛み

吹き出してしまうほどの憎しみ

踊ってしまうほどの怒り

走り出してしまうほどの哀しみ

謳いそうな苛立ち

忘れてしまった微笑みよ

忘れてしまった優しさよ

忘れてしまったまどろみよ
まだ息をはいている

まだ立つている

すごいぞ

すごい

春の夜なべ、虫が鳴き出した