己がことしか考えない

そんなに輩は

まだましさ

己がことしか考えられない
そんな輩は

考えものだ

己が心で踊りだす

己が心で走り出す

己が心で歌い出す

一人で生きてりゃそれでいい

一人で死んできゃそんなもん

人の顔したのっぺらぼうが
今日もぬくぬく生きている
大きい4つの手がそっと優しく

護りながら、みちびいてくれる

知らない内に、それを忘れ、また煩わしくなる

知らない内に、見たことのない手が、肩に、頭に、うでに触れる

離れて行く手があれば、いつまでも頭の上にある手もある

心まで伝わる手もあれば、転んだときにそっと引っ張ってくれる手も、起き上がろうとするのに突き飛ばす手もある、触れると心まで凍りそうな手

気が付いたら首に巻き付いてやがる

時に暖かいけどいつ絞められるかわからないのに気が付かない

いつの間にか、小さな手がわたしの手を必死に探している

ふと見ると、小さな手の子にも無数の手が、腕が

必死で、優しい、希望に満ちた、光輝く手を、探し、悩み、もがきながら

振り払い、引っ張って、払いのけ、結び直す

気が付いたら、己ががんじがらめ、優しい手もあれば突き落としそうな手もある

見回したら、髪の長いのっぺらぼうが笑ってた



悲しいけれど

君達の安堵した顔

緊張しながら

精一杯

頑張ろうとする

君達の顔

感情を圧し殺し

無理してるんだね

どんな人でも

君達の母には変わらない

父がなくても子は育つ

父が変わっても君達は頑張っていける

十数年で強くなったね

そんな気がする