※ 記事の更新がないときは、過去記事、もしくは、右下のツイッターに科学ニュースなどを載せていますので、そちらをお楽しみください。




前回は、

目の解剖学的構造ということで

網膜の構造と

どうして盲点ができるのか

について書いてみました



拙ブログ『目の構造と網膜』




今回は、その続きとして、

盲点がどうしてができるのか

をご説明しまして、

実際にあなた自身の盲点を確認して

いただけるようにしてみます




図をもう一度載せておきましょう



網膜

(図をクリックすると拡大します)



水晶体を通して網膜に届いた光は

網膜の深い所で神経情報に変換され、

それが網膜表面に視神経線維で送られ、

それらの線維が網膜のある一点に

集められて、また網膜の奥側に送られ、

ブドウ膜と強膜を突き抜け脳に向かいます



図の黒い矢印をたどっていただけると

経路を把握いただけると思います



その図からお分かりの通り、

視神経が網膜を突き抜けるところでは

杆体や錐体といった光を感じる視細胞が

存在しないのです



そのため、視野には見えない部分が

必ず存在し、これを盲点といいます




でも、片目で見てもそんなところは

ないように思えますよね



では、確かめてみましょう



下の図には

左に黒丸(●)、右に星(★)があります


盲点1

(図をクリックすると拡大します)



右目の盲点を調べてみましょう



左目を閉じて、左の黒丸を

右目の真正面になるようにして下さい



右目で黒丸をしっかりと

見続けてくださいね



すると、その右側の周辺視野に

星印が見えているはずです



あくまで、視線は黒丸を見たままです



そして、そのまま、

右目を黒丸に近付けるように

画面に近付いてください



ある程度近付いたところで

右側の周辺視野にあった星印が

見えなくなるはずです



星印があなたの右目の盲点に入った

という証拠です



網膜に見えない部分があることは

分かっていただけたと思いますが、

片目を閉じても違和感がないのは

どうしてでしょうか?



それは、

見えない部分を脳が補っているからです



これも試してみましょう


盲点2

(図をクリックすると拡大します)



上の図は、先ほどの図のバックに

「あああああ」と書いてみました



同じように、

左目を閉じて、右目で黒丸を見ながら

画面に近付いてみてください



右に見えていた星印が消えましたね



他に気付いたことはありませんか?



そうです



星印が見えくなっても、

そこがすっぽり空いているのではなく、

「あああああ」で埋め尽くされたように

見えますね



脳が、

盲点の周りの情報で補っているのです



これを、フィリングインと言います



右目で見たときに、

真っすぐ見た視線の先の右側に

盲点があった理由も考えておきましょう



最初の図は、右目を上から見た図ですが

目に入ってすぐの水晶体は

虫眼鏡のレンズのようなもので、

光を屈折させるので、網膜には

上下左右が反対になった像が写ります



先ほど、右目の盲点は視線の先より

右側にあったということですから、

水晶体で左右が反対になりますので

網膜には、真ん中よりも左側

つまり、身体の真ん中(正中)に

近いところに盲点があることになります



果たしそうでしょうか?



最初の図は上から見ているのでしたが

盲点が身体の正中に近い側に

あることが分かります





左目の盲点も簡単に調べられます



黒丸と星印の図で、

今度は右目を閉じて、左目で星印を

真っすぐ見ながら画面に近付いてください



左視野に見えていた黒丸が

見えなくなるはずです。



ちなみに、

イカやタコは視細胞で変換した情報を

網膜の表面に送るのではなく

網膜より奥側に送るようになっているので

盲点がありません



もし、上に書きました確認方法で

盲点が見付からなかったという方は

ひょっとすると、

イカ、なのかもしれませんよ(笑)




では、また!




(おしまい)





文:生塩研一




お読みいただきまして、ありがとうございました。
リクエストやコメントもお待ちしています。お気軽にどうぞ~!
対応できない場合はごめんなさい。。


このブログはランキングに参加しています。
私の順位を知りたい方、応援してくださる方は、
下のバナーをクリックビックリマーク 


自然科学 ブログランキングへ

にほんブログ村 科学ブログ 自然科学へ
にほんブログ村


Facebook の「いいね!」も嬉しいです!


Twitterもやってます



読者登録してね