前回まで、3回シリーズで

宮下博士の2つの Nature 論文を中心に

記憶と側頭葉の話を書きました



拙ブログ『記憶と側頭葉(1)』

拙ブログ『記憶と側頭葉(2)』

拙ブログ『記憶と側頭葉(3)』






さて、

記憶に関連した脳の重要な機能の一つに

「連想」があります



性質やクセと言ってもいいですね



例えば、wiki にはこう書いてあります


連想

人間の心ないし精神の働きのうち、見聞きするなど五感から得た情報や観念から、他の事物や概念を思い浮かべることである。




何かを見たり聞いたりすると

それに関連した情報が

勝手に頭に浮かびますね



自分でそうしようと思わなくても



では、

脳の中は一体どんなことが

起こっているのでしょう?




何かを見て、他の何かが思い浮かぶ

と言いましても

思い浮かべるそれぞれの対象が

脳でどのように表現されているか

ということ自体が

まだよくわかっていません




友達の顔を見たとしましょう



顔の輪郭やヘアスタイル

目や鼻や口などのパーツの形や大きさ

それらのバランス



それらを一瞬のうちに処理して

脳内のデータベースと照合して

その人が誰であるかが分かります



いろいろな情報が

脳のいろいろな場所で表現され

それが統合されて

一つの対象が認知されると考えられます




ところで、

顔から、美人とかイケメンとか

判断されるわけですが、

パーツの形やバランスが

ほんの少し違うのに過ぎません



不思議なことですよね





ま、それは置いといて



友達の顔を見ると、

今度会う約束をしているけど

場所を忘れたので確認しようとか

そのときに会う他のメンバーとかが

パッと頭に浮かびます



つまり、

自動的に連想機能が働くわけです



しかし、

いろいろな事象というのは

複雑な情報から構成されていて

連想を実験で検証するのも

なかなか難しいです



先ほど、顔を例に書きました通り




ただ、

拙ブログの『記憶と側頭葉』の

シリーズでみたように

側頭葉は記憶と深く関連があって、

特定の複雑な図形に

反応するニューロンがある

ということはわかっています



このニューロン自体が

複雑な図形を記憶しているというより

このニューロンが感覚野などに

情報を送ったりして

脳のいろいろな領域に

反応を起こさせることで

想起しているのではないかと思います



ですから、

それら一連の反応を起こさせる

きっかけとなるエングラム

つまり、

記憶の痕跡であることは確かでしょう



『記憶と側頭葉』でご紹介した

宮下博士らによって発見された、

記憶に関わるニューロンは

このエングラムに相当します



そして、

その第3回『記憶と側頭葉(3)』で

いろいろな図形の順番を固定して

サルに記憶させたためか

連想に関わるニューロンも見付かった

ということを書きました



その後、

宮下博士らは、より意図的に

サルに連想記憶をさせて

それに関連するニューロンが

側頭葉にあるかどうか

を調べた実験をしました



その具体的な内容は、次回に。





(つづく)





文:生塩研一





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