※ 残念ながら、STAP細胞の論文は

2014年7月3日、掲載した Nature 誌が

取り下げを発表しました





※ 以下は、それ以前に書いたままです





前回、


STAP細胞の補足として

ストレスは産生溶液処理だけではなく

リンパ球以外の細胞でもOKだった


万能細胞になったかどうかのチェックは

Oct4遺伝子の発現でみたということ


実は、Nature に掲載拒否されていたけど

頑張って証明した


ということを書きました



簡単!STAP細胞講座(5)STAP細胞補足1





ES細胞や iPS細胞は

胎盤などの胚体外組織には分化しない



でも、

STAP細胞は胚体外組織にも

分化できるのでしたね



このような分化能力の違いを

表現する用語を整理しておきましょう



1)分化全能性(totipotency)


個体を構成するどんな種類の細胞

(胎盤などの胚体外組織も含む)にも

分化させる能力



2)分化万能性(pluriptency)


胎盤などの胚体外組織以外の

細胞には分化できる



3)分化多能性(multipotency)


分化できる細胞系列が決まっているけど

その中でいろいろな細胞に分化する


例えば、

造血幹細胞から、いろいろな血液細胞が

肝幹細胞からは、いろいろな肝細胞が

皮膚幹細胞からは、いろいろな皮膚細胞が

できるということです




STAP細胞は

胎盤などの胚体外組織にも

分化できるので、

分化全能性(Totipotency)と

言うべきですね



しかし、

命名された STAP は

Stimulus-Triggered Acquisition of Pluripotency



つまり、

Totipotency(全能性)ではなく、

胚体外組織以外とされる

Pluripotency(万能性)

が採用されています



どうやら、全能性というには

まだいくつかの条件が足りないようです



なかなか厳しい。。





ところで、

細胞にストレスを与えて初期化する

という話は

実は、植物組織培養にもあります



植物の細胞はどれも分化万能性を

もっていることが知られています



1958年、Stewardらは

ニンジンの一部の細胞に

植物ホルモン与えて

再生することに成功



正確には、不定胚の形成で

個体に至る中間段階ですが



Steward FC, et al. (1958) Am J Bot 45: 705-708.



ただ、この方法では

染色体異常が多くみられるため、

他の方法が模索されていました



そして、

1980年代の終わり頃から見付かったのが

植物組織に「ストレス」を与える方法



あれ? どこかで聞いたような

そうなのです

STAP細胞と似てますよね



具体的なストレスは

NaCl、次亜塩素酸、

重金属、浸透圧、高温など



ストレスとは

強く与えると細胞が死滅してしまう

外部刺激のこと



それをマイルドに与えると

初期化してしまうという





ひょっとしたら

脳自体もそんな性質があったりして



ほどよいストレスは

自分を変えるチャンス

なのかもしれません



ストレスを感じて辛くなったら

「あ! STAP状態に入ったかも」

なんて思うと、結構よかったりして。。



もちろん、

ストレスが強くなり過ぎて

へこんでしまってはマズいですね



そうなる前に行動しましょう





いかがでしたでしょうか?

6回シリーズとなった、

「簡単!STAP細胞講座」も

今回が最終回




次回からは

また別の話題を取り上げますね





(おしまい)





文:生塩研一





お読みいただきまして、ありがとうございました。
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