今日は一日暖かい雨の大阪でした



さて、


前々回から

ニューロマーケティングのことを

書き始めています



拙ブログ『両手を添えると丁寧 脳はどう反応するの?(1)』


拙ブログ『両手を添えると丁寧 脳はどう反応するの?(2)』




その一つの研究論文として

商品をお客さんの前に置く際、

両手をそえるときと

片手のときとで脳の反応は

どのように違うのかというのを調べた

実験をご紹介します、

ということで、今回、ようやく、

その脳の反応の結果について




脳の反応自体はポピュラーな

fMRI (機能的核磁気共鳴画像法)

で調べています



1)の「両手で指をそろえて」と

4)の「片手で指をそろえず」

の動画を見ているときの

脳の活動を調べるわけですね



被験者は13名

平均年齢 29.7歳、全員女性



まず、

動きの情報を処理する脳領野である

MT野などは

両手と片手とであまり違いはなかった

ということを確認しています



ちゃんと動いているものを

見ている反応は見られてますよと




そして、

両手と片手の動画で

活動に差があった脳領域が

いくつか見付かりました



著者らが指摘しているのは

下前頭回(Inferior Frontal Gyrus)



前頭葉で側面の下側にあたります


下前頭回




ここは、

ブロードマンの脳地図でいう44野

つまり、運動性言語中枢のブローカ野

が含まれます



ブローカ野はサルで言うと

F5野に相当すると言われます



ミラーニューロンが見付かった場所です


広く言うと運動前野ですね



di Pellegrino G, et al. (1992)
Understanding motor events: a neurophysiological study
Exp Brain Res 91:176-180.





ミラーニューロンというのは

自分で動作するときも

それと同じ動作を他者がしても

活動するニューロンで、


他者の行動の理解、模倣

非言語コミュニケーション

発話に関係すると考えられています



つまり、

店員さんが両手で商品を扱う様子を

お客さんが見ることで、

お客さんの脳では

店員さんが丁寧に扱おうとしている

という意図が処理されていると

考えられるのです



なかなか面白いですね


ただ、

前回も書きましたように

この結果が両手と片手の違いなのか

指をそろえているか否かの違いかが

明確ではありません



論文の Discussion でも

指をそろえることについて

全く言及されていないのが

残念なところ



行動実験の結果からは

両手かどうかよりも

指をそろえるかどうかで

印象が大きく違っていたわけですから、

両手か片手かは同じにした上で

指がそろっているか否かで

脳の反応をfMRI でみたいところです



しかし、アプローチは面白いです


とにかくやってみた資生堂も素晴らしい




今後の研究に期待しましょう





(おしまい)





文:生塩研一





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