前々回は、

言葉、文章、動画、顔の表情で

いろいろな情動を起こさせると

その情動によって、

身体のいろいろな所が強くなったり

弱くなったりする所が現れて、

「情動のボディーマップ」が得られた


という実験を紹介しました


拙ブログ『情動のボディーマップ』




情動と感情の違いについては

さらにその前の回をご覧ください


拙ブログ『情動って、感情とはどう違うの?』





そして、前回は、

血流を調べるための

レーザースペックル法を書きました


拙ブログ『レーザースペックル法とは何か』




今回は、

そのレーザースペックル法を使って

美味しいものを口にすると

それが顔色に現れるという

実験についてです




顔色というと

表情も含まれることがありますが、

ここでは、顔の血色とします



血色、つまり皮膚の血流ですね



血流が充分だと、血色がよく、

血流が少ないと、血色が悪くなります



この実験は、広島県立大、九大、

東工大の研究者による成果です



東京工業大学のプレスリリース
『味に対して顔の皮膚血流が特異的に応答することを発見』



Kashima H, et al. (2014)
"Palatability of Tastes Is Associated With Facial Circulatory Responses"
Chemical Senses
doi: 10.1093/chemse/bjt074






一体、どんな実験だったのでしょうか?



被験者は15名(男11、女4)



平均年齢が24歳ですから、

大学生や大学院生だと思います



味の刺激として、

以下の6種類の飲み物を与えます




苦丁茶(やや苦いお茶)

チリソース(唐辛子のソース)

コーヒー

オレンジジュース

コンソメスープ



温度は、どれも 40 度



味だけの反応をみるために

同じにしてあります



40度のオレンジジュースって

美味しいのかな。。。



口にチューブで 5cc 入れます



顔の血流を調べるので

その装置の前に顔を固定して、


被験者には

顔の筋肉を動かさずで

瞼(まぶた)を閉じたままに

するように頼んでおきます



飲み物が口に入ったら

30秒間、飲み込まずにキープ



飲み込んだ後は

次の飲み物を飲む前に

40度のお湯で口の中をすすぎます



味の評価ですが、

美味しさを

+5(美味しい)から、-5(マズい)まで

の11段階で評価



それと、

甘味、酸味、塩味、苦味、香ばしさの

味の強さを、0から10で評価



口に入って20秒後の

顔、特に、額、まぶた、鼻、ほお

の血流を調べます



飲み物を飲んだ影響をみるため、

飲み物が口に入る5秒前にも

血流を測定して比較します



すると、

美味しいと感じられた飲み物は

オレンジジュースとコンソメスープ

でしたが、そのときは

まぶたの血流が増加して、


美味しくないと感じられた、

苦いお茶では、

鼻やほおの血流が低下したとのこと



スープ顔血流


コンソメスープをおいしいと評価した被験者の顔面の皮膚血流変化。
赤は血流が高く、青は血流が低いことを示す。スープ投与後には瞼の血流が増加していることがわかる。

上記、プレスリリースより引用





著者らは、

客観的な美味しさの評価や、

意思疎通の難しい方の味の感じ方を

調べるの使えそうだとしています



顔は正直ですね。。



美味しさは顔色で分かる

というお話でした




(おしまい)




文:生塩研一





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