前回は
情動と身体反応の関係をみましたが
そのときの身体反応は
被験者の主観による報告でした
拙ブログ『情動のボディーマップ』
身体反応にもいろいろありますが、
血流の変化にも現れます
今回は、
血流を調べる方法の一つである、
レーザースペックル法をご紹介します
the laser speckle flowgraphy
レーザー光を粗い表面に照射すると
反射光が干渉して模様が生じますが、
このパターンを
スペックルパターンといいます
例えば、こんな感じです ↓

このスペックルパターンを使って
照射した面を調べるのが、
レーザースペックル法です
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では、
もう少し、ご説明しましょう
光は波と粒子の性質を持っています
この方法では、波の性質を使います
小さい2つのすき間に差し込んだ光は
波紋が広がるように伝わり
到達する壁の位置によって
2つの隙間からの到達距離が変わるので
光の波の山と山が重なるときは明るく
山と谷が重なると暗くなります
これを干渉といいます
ヤングの実験が有名ですね
で、
干渉が起こると
明るい所と暗い所が交互に現れるので
縞模様ができます
これを干渉縞といいます
レーザースペックル法では
この干渉によるパターンである
スペックルパターンを調べることで
レーザーを照射した面の様子を調べます
なぜ、レーザーを使うのでしょう?
光にはいろいろな波長が含まれています
波長(山と山の間隔)が短いと、紫
長いと赤、と色も変わります
自然光は、いろいろな波長、
つまり、色の光が混ざっています
虹はそれらが分けられた状態ですね
色が見えるのは可視光ですが、
それより波長が長い電波、
それから、短いX線やガンマ線
と同様に電磁波の仲間です
波には波長の他に振幅もありますね
レーザーは、
波長と振幅がそろった波で
そのような状態を
コヒーレントといいます
干渉は波の重なり具合ですから
自然光のようにいろいろな波長が
混ざっているよりも、
コヒーレントな波であるレーザーの方が
スペックルパターンを調べるのに
適しているというわけです
では、
どうやって血流が調べられるのでしょう?
皮膚表面にレーザーをあてて
スペックルパターンを調べると
時間的に変化します
なぜか?
これは、血管を流れる赤血球が
レーザーを反射するからです
赤血球の移動速度が速い、
つまり、血流が大きいと
スペックルパターンが時間的に
細かく変化し、変動幅も小さくなるので、
その様子から血流を推定できます
それから、
赤血球数が多いと
レーザーを散乱する物が空間的に
詰まっているわけですから、
スペックルパターンも空間的に
細かく変化し、変化幅も小さくなるので
その様子から赤血球数を推定できます
このようにして、
血流を調べることができます
光を当てるだけですから
傷も付けませんし、痛くもありません
次回は、
このレーザースペックル法を使って、
味に対する好き嫌いで皮膚血流が
特異的に応答することが分かった、
という実験をご紹介しますね
(おしまい)
文:生塩研一
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