「藤原の効果」?で足踏みをしていた台風27号が
ようやく動き出しました
「藤原の効果」では
2つの台風が接近したときに
互いに影響を与えて
複雑な進路をとるそうです
さて、
トリカブトという
毒をもった植物をご存知でしょうか?
有名な狂言の演目に
『附子(ぶす)』がありますね
あるとき、主人は外出する際に
使用人の太郎冠者(たろうかじゃ)と
次郎冠者(しろうかじゃ)に
言いつけをします
この瓶には
漂ってくる空気に触れただけでも
死んでしまう「附子」という
強い毒が入っている、と
主人が出ていって留守番している
太郎冠者と次郎冠者は
その瓶が気になり、中を覗いて
ついには「附子」を食べてしまいます
すると、どうでしょう?
毒というのはウソで
中にあったのは、甘~い砂糖でした
二人は主人が大事にとっておいた
砂糖を食べ切ってしまいます
困った二人は策を練って、
主人が大切にしている茶碗や掛け軸を
壊します
帰宅した主人は壊れた茶碗などを
見付けて二人を問いただします
二人は、それを壊してしまったので
心でお詫びをしようと「附子」を
食べたのに死ねない、と訴える
という、お話
それに出てくる「附子」が
このトリカブトです
トリカブトというのは
キンポウゲ科の多年草で
紫色、白色などの花をつけます

(トリカブト)
その名の由来は
花の形が烏帽子(鳥兜)に
似ているからとか
トリカブトがもつ毒素には
いくつかありますが、
主な成分は、アコニチン
C34H47NO11
特に、根に多いようです
作用は
Na イオンチャネルを開放して
神経系を麻痺させます
鳥毒・バトラコトキシンと同じですね
『鳥毒・バトラコトキシン ~神経毒からニューロンの機能をみる(4)』
このバトラコトキシンは
モウドクフキヤガエルがもっている
と以前にご紹介しましたように
矢毒に使われるのでしたね
トリカブトも矢毒に使われてきました
矢に毒を塗り付ける歴史は古く
旧石器時代に遡ると言われます
民俗学者・毒物学者の
石川元助・名大教授は
世界の矢毒文化圏を4つに大別
1)トリカブト毒文化圏
東北アジア・シベリア・アラスカ
毒:トリカブト
2)イポー毒文化圏
東南アジア
毒:イポーという広葉樹の樹液
3)ストロファントゥス毒文化圏
アフリカ
毒:キョウチクトウ科ストロファントゥス属の植物
4)クラーレ毒文化圏
南アフリカ
毒:マチン科など(ストリキニーネ)
クラーレというのは「鳥を殺す」という意味
次回は
推理小説さながらの
トリカブトを使った保険金殺人事件を
ご紹介します
(つづく)
文:生塩研一
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