脳や神経を勉強されている
大学や専門学校の学生さんにも
お読みいただいているようです

ありがとうございます


感想など、
コメントをいただけると嬉しいです





さて、先日のブログ

『わざと悪酔いさせるお薬で治療』
では、


飲んだアルコールが体内では

アルコール
↓①
アセトアルデヒド
↓②
酢酸

のように変化していきます


中間産物のアセトアルデヒド
が気分を悪くさせる原因


抗酒薬は、②の反応を抑えて
アセトアルデヒドを増やす

すると、悪酔いして、
お酒を飲みにくくなる


という話を書きました




その続きを見ていきましょう




ちなみに、
アルコールが酢酸に変わると言っても、


尿がお酢臭くなるというわけでは
ありません(笑)


酢酸 CH3COOH は、
二酸化炭素と水に分解されます




「悪酔い」ではなく、

酔って気持ちよくなった状態とは、

脳の機能が「弱められた」状態です



脳の機能が弱められるというのは、
ニューロンの活動が抑えられる、

ということ



ニューロンの情報伝達には
情報を送る先のニューロンを
興奮させる興奮性と
抑制させる(弱める)抑制性の
神経伝達物質がありましたね


ニューロンからニューロンへの
情報伝達で普通に考えるのは
「興奮性」ですが、

脳には、情報伝達したニューロンを
興奮させないようにする「抑制性」も
結構あります

なだめ役です。これが結構大事。



ニューロンからニューロンに
情報を伝える神経伝達物質のうち、

興奮性は、グルタミン酸

抑制性は、GABA(γ-アミノ酪酸)


【ご参考】
『脳の電気信号?その正体は。。。(3)』


通常は、興奮と抑制のバランスが
とれています


お酒を飲むと、

グルタミン酸の働きが弱まり、
GABAの働きが強められることで、
脳の働きが弱められる


と考えられています


そして、


飲酒を続けると、この状態が続くため、

脳が興奮状態に戻そうとして
グルタミン酸を増やしてしまう


すると、グルタミン酸が多くて
脳が興奮した状態が続くので、

それを弱めるために、
お酒を飲みたくなってしまう。。


これが、アルコール依存症




この飲みたくなる気持ち自体を
抑えてしまおう

というのが、新しい抗酒薬の

アカンプロサート(Acamprosate)

商品名:レグテクト、キャンプラル



このお薬は、過剰になった
グルタミン酸の働きを抑えることで
脳を落ち着かせて、

お酒を飲みたいという気持ちを
起こさせないようにします


これまでの、
飲んだら気持ち悪くなる
というお薬とは全く異なります



このアカンプロサート、
実は、30年前に開発されたお薬


1984年、フランスで開発

1995年、ドイツで「キャンプラル」
という商品名で認可

2004年、アメリカで認可されています



日本では、

日本新薬が、2003年にドイツから導入

2010年5月、厚生労働省から開発申請

2013年3月25日、製造販売承認

2013年5月27日、発売開始
商品名:レグテクト


という流れになっています



副作用もあまりないようで、
国内臨床試験では、
下痢がもっとも多かったようです




うわ、

また、難しかったですかね。。。



(続く)







お読みいただきまして、ありがとうございました。

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