「学生時代のこと(1)」の続きです

先日のブログで学生時代のことを
書いていたら、所属していた研究室の
先生のことを思い出してきました


私がいた理論系研究室の教授は、
西川恭治先生

プラズマ物理の理論がご専門

昨秋の叙勲で瑞宝中綬章を受賞されました
(2012年11月)

お兄様は、西川哲治先生
東大教授、高エネ研所長、それから
東京理科大学学長を歴任されました
ご兄弟とも仁科記念賞の受賞者ですが
西川恭治先生はお兄様より1年早く受賞
(1969年、私の生まれた年)

お父様の西川正治先生は、
寺田寅彦先生に師事され、結晶学の
草分け的存在で、日本結晶学会の初代会長
お弟子さんには電子線回折像の菊池線を
発見した、菊池正士先生がおられます

西川家は日本でもトップクラスの
物理家系でいらっしゃいます。。

西川恭治先生はとても頭の回転が早く、
講義で話されるスピードも超特急
私などはなかなか付いていけませんでした

左端の黒板から式の展開をはじめて
下まで行ったら右隣の黒板の上から続きを
右端の黒板まで行ったら左端に戻るという
全部の黒板を左から右に目一杯使っていく
講義スタイルでしたが、それは、
ウーレンベック(電子スピンを発見)
に倣ったと先日、叙勲記念パーティーの
雑談でお聞きしました

アルコールがお好きな西川先生は、
二日酔い?で講義をされ、計算間違いを
されたこともあったような。。
「あれ?おかしいなあ。。」
と独り言をおっしゃりながら
式を辿ってご自身で修正されていました

教養の物理学総論では、小テストに
フェルミ推定の問題を出されたことも
今でこそ人口に膾炙した?フェルミ推定
ですが、それは26年前のこと
当時はフェルミの話としては聞いたものの
「フェルミ推定」という言葉は聞かず
最近流行りのフェルミ推定をみてビックリ
あれは、フェルミ推定だったのかと
今では私が講義でフェルミ推定の問題を
出しています

ちなみに、フェルミ推定とは、
実際に調査するのが難しいような
とらえどころのない量を、
いくつかの手掛かりを元に
論理的に推論し、短時間で概算すること。
名前は物理学者のエンリコ・フェルミに
由来する。フェルミはこの手の概算を
得意としていた。
(Wikiより。少し改変)


学生のもつ西川先生のイメージは、怖い
週に一度、教室員全員が集まる昼食会では
西川先生の近くが敬遠されていて
遅れた私は空いているその席に仕方なく
そして、それが何となく定着。。
よくイジられました(笑)
今となってはいい思い出です

その昼食会で、西川先生から一番遠くで
部屋の入口に近い席を陣取って
おられたのが、私をご指導いただいた、
助教授の八幡英雄先生。。

流体力学がご専門

前任助教授の川村清先生
(後に慶大理工教授)と同じく
東大の久保亮五先生の門下生です
久保先生は言わずと知れた、
統計物理学の世界的権威で、
線形応答理論の構築でも中心的な存在

川村先生が慶大理工に移られた後
八幡先生は助教授に昇任されましたが
研究一筋の八幡先生は、
しばらく昇任を遠慮され
久保先生に促されたりで
ようやく昇任されたと聞いたような。。

八幡先生にご指導いただきながら
西川先生のそばに座っていた私

どう思われていたのでしょうね

仕方ないのですよ
そこしかなかったのですから!

昼食会では八幡先生は周囲の学生と
ボソボソと話をされていました
世間話ですからね、怪我はないです

しかし、研究の進捗を話すミーティング
となると、そうはいきません

(続く)





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